星の輝き、月の光 -19ページ目

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

 

あとがきです。




「日蝕」 なんとか終わらせることができました。

 

ほっ。


最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。




コメントもたくさんありがとうございました♪


わーい、わーいヾ(〃^∇^)ノ 


私にとって皆さんからいただくコメントは、読んでくださった方からのプレゼントです。


リボンを解いて包装紙をピリピリと破き、どきどきわくわくして。

蓋を開け中を覗いて、ニヤニヤくすくす・・・


傍から見たら、あやしい人?

でも大丈夫、一人でこっそり見てますから(笑)




いつも幸せな気分をいただいています。





今回のお話はそんなに長くないのに、結構長い間このテギョンとミニョを書いてたなーと思い、

1話目アップしたのいつだっけ?と確認してみたら・・・


なんと、2016年9月!



2年以上もかかってるー

どんだけのんびりなんだー (^_^;)

よくこんなブログにお付き合いくださってるな~と、感謝感謝です!



いつも思うけど、頭の中のイメージをさくさくと文章化できる能力かアイテムが欲しいわ。

 




「日蝕」の太陽はテギョンです。


ミニョという月の影響で、光が遮られてしまう。

それを見てほくそ笑んでいるのが、地球にあたるシヌ。

でも最後には太陽は輝きを取り戻します。

どーだ、ざまーみろ、と言わんばかりにシヌに光を降り注いで。


位置関係でいえばそんな感じのお話・・・になったかな?

 






さて、次のお話は・・・


まだ全然書けてません。


イメージだけは何となくあるんで、これから材料を集めて、混ぜて、練って、こねくり回して、形ができたらまた顔を出したいです。


それまでは水底でひっそりとしてますね。

時々息継ぎに上がってくるとは思いますが。


ひっそりと沈んだままというのは避けたい!


でも、案外その可能性もゼロとは言えないような・・・(^_^;)






くだらないお話にお付き合いくださり、ありがとうございました。



それでは、ひとまずこの辺で・・・








あっ!「月蝕」書かないと!σ(^_^;)





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いつも俺を最初に出迎えてくれるのは、カランコロンというベルの音。

それに続くいらっしゃいませと言う声。

そして一杯のコーヒー。

ミニョが俺の前に座る。


「この店はいつも客がいないな」


客は俺一人。店長はコーヒーを淹れると奥へと消えて行った。


「午前中はお客さん多いんですよ、この時間帯は全然ですけど。それを知ってて来てるくせに」


客がいないと言われ、ミニョが少し膨れながらトレイをテーブルへ置いた。


「あたり前だ、お前を独り占めできないなら来ても意味がない」


年寄りの客ならいい。だが時々来るミニョ目当ての若い男に、仕事とはいえ笑顔を見せる姿は見たくない。もっともその男、今でも来ているかどうか判らないが。


「独り占めって・・・いつもしてるのに、まだ足りないんですか?」


「いつもじゃないだろう、仕事してる間はできないじゃないか」


「それはそうですけど・・・」


言葉を濁し、視線を落としたミニョ。俺は腰を上げると顔を近づけた。

俺の動きに気づいたミニョが、サッと上体を反らし距離をとる。


「オッパ、外ではしないでください。それに私は今、仕事中です!」


「察しがいいな」


上手くキスをかわしたミニョが軽く睨んでくる。

フフンと笑うと、俺はコーヒーをひと口飲んだ。


「ミニョだってしたじゃないか、屋上も外だぞ」


「あ、あそこは家だし・・・・・・あの時は、気持ちを伝えるのに、言葉だけじゃ足りなかったから・・・」


一ヶ月前、家の屋上でしたプロポーズ。

ミニョは顔を上げると、俺の首に腕を回し、耳元で囁くように「はい」と返事をした。軽く唇にキスをしてから。

初めてのミニョからのキスに驚いた俺は一瞬固まった。

辺りは暗く、あるのは月明かりだけ。それでもミニョが顔を真っ赤にしていたのはよく見えた。

あの時俺が握りしめていた婚約指輪は、今、ミニョの指にはない。代わりに左手の薬指で光っているのは、結婚指輪。俺は自分の左手にもある同じものをそっと撫でた。


ゆっくりと流れる時間。

A.N.JELLにいた頃はいくらあっても足りないと思っていた時間が、ここでは無限に感じられる。しかしそれは昼間一人でいる時だけで、こうしてミニョといる時間はあっという間に過ぎていくんだから不思議だ。まあそれも、家に帰る時間が近づいてくると思えば悪くはない。今ここに二人でいるよりも、家の方が確実に濃密な時間が過ごせるんだから。


「な、何か私の顔についてますか?」


俺の動かない視線に、ミニョが手の甲で口を拭った。

きっと俺が来る前に何か食べていたに違いない。この間は、口の端に少しだけクリームがついていた。


「いいや、別に」


ただその美味そうな唇を早く食べたいと思っただけ。

俺は口には出さず、喉の奥でくっと笑った。




待ちに待った閉店時間。

助手席でシートベルトを締めているミニョの隙を突き、軽くキスをした。


「オッパ!」


「仕事は終わっただろ」


「でもここは家じゃありません」


日はすっかり暮れて辺りは暗い。人も車も通らないから誰かに見られることはないのに、それでもわたわたと慌てる姿は見ていて楽しい。


「判った、判った、続きは帰ってからにする。言葉だけじゃ伝えきれない俺の気持ちを、しっかりと教えてやるからな」


ニヤリと笑う俺からミニョは恥ずかしそうに顔を逸らした。






「今日はどうだ?」


「はい、よく見えます、とてもきれいです」


来週にはイタリアへ行く。もちろんミニョも一緒に。

ここで星を見られるのもあと少しですねと、屋上で空を見上げるミニョ。それをすぐ傍で見ている俺。

ミニョが喜ぶ姿は俺も嬉しい。

しかしあまりにもうっとりと夜空を眺めているミニョを見ると、すぐ傍にいるのに暗闇にポツンと一人取り残された気分になり、星空に嫉妬しそうになる。

後ろからミニョの身体を包み込み、肩にあごをのせた。


「俺を情けない男にさせないでくれ」


心を俺に向けたくて、振り向かせるとキスをした。

初めは触れるだけの軽いキス。

何度もそれを繰り返し。

啄むようなキスを徐々に深いものへと変えていく。

毎日肌を合わせても、何度抱いても尽きることのない想い。


俺がどれだけミニョを愛しているか。

どれほどミニョを欲しているか。


唇を首筋へ這わせ背中を指先で撫で下ろせば、甘い息とともに身体がピクリと震え、俺の背中に回されていたミニョの手に力が入った。


「中へ入るか?」


俺の胸に顔を埋め、コクリと頷くミニョ。

あごに指をかけ軽く上向かせれば、恥ずかしげに頬を染め俺を見つめる。

潤んだ瞳に映るのは俺だけでいい。

熱い吐息も甘い声も、全部俺だけのもの・・・

どこにいても、何をしていても、何年経っても。

俺がミニョを手放すことは、二度とない。




――――   Fin  ――――




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「きゃっ!」


「おっと」


空を仰ぎ過ぎたんだろう。バランスを崩したミニョの身体が後ろへ倒れかかり、俺は慌てて抱きとめた。


「そんなに手を伸ばしてどうするつもりだ」


「何だか届きそうで」


「星でも取るつもりか?欲張りだな、お前の星はここにあるのに」


「でも・・・」


腕の中で俺を見上げるミニョに、触れるだけのキスを落とした。


「仕方ない、俺が取ってやろう」


俺は夜空に向かって思い切り手を伸ばすと、宙を掴み、握った手をミニョの前に出した。


「ほら、取れた」


手は握ったまま、中は見せない。


「何が入ってるか、当てたらやる」


合宿所の屋上を思い出したのか、ミニョがくすっと笑った。


「えーっと、そうですね・・・」


今、ミニョの胸元には、以前俺がプレゼントした星のネックレスが再び輝いている。


「イヤリング・・・ですか?」


「ハズレ、これはやれないな」


「えーっ、残念」


ミニョはがっくりと肩を落とすと、上目遣いで強請るように俺を見た。


「・・・もう一回、いいですか?」


「ああ」


しゅんとしていた顔が輝き出す。


「じゃあ、えーっと、えーっと・・・・・・ブレスレット!」


「残念」


「んー・・・ヘアピン!」


「不正解」


「チョーカー!」


「違う!」


一回と言いながら何度も挑戦するが、一向に当たらない。そのうち、アクセサリーだったものがチョコとかアメとか言い出して、ミニョの頭の中には俺が”アレ”をプレゼントする可能性は少しもないのかと苛立ってきた。

このままでは哀しい気分に包まれてしまう。俺はなおも考え続けるミニョの言葉を遮った。


「もういい、特別に今から俺が言うことに正直に答えたら、コレをやる」


俺は深く息を吸うと、ミニョを見つめた。


「結婚して欲しい」


ミニョは知らないだろう。

今日ここに連れてくる車の中、俺がずっとそわそわしていたことを。

この言葉を口にしている今、どれほど緊張しているかということを。

心臓は痛いくらいにバクバクと暴れ、やけに喉は渇くし、さっきから握った手のひらは汗でべとべとだ。

コンクールも、俺は何点かと聞いた時も、これほど緊張してはいなかった。

俺は固唾をのんで、ミニョの返事を待った。

「はい」という返事がどんなに小さくても聞き逃さないように耳に神経を集中させ、わずかに頷く動作を見逃さないように瞬きもしないで。

しかしミニョははっきり聞こえなかったのか、余裕のない俺の顔を不思議そうに見ているだけ。

俺はよく聞けよと、もう一度自分の気持ちを口にした。


「結婚しよう」


小首を傾げたミニョは、やがて、ん?と少しだけ眉が寄った。視線は言葉の意味を探るように上へ向けられ、その後、しばらくして目と口が大きく開いて。


「・・・・・・・・・・・・ええーっ!!」


夜空に響き渡るミニョの声。

ミニョの驚きようはすごかった。

俺のプロポーズをこれっぽっちも予想していなかったような驚き方に、俺の方が驚いた。


「どうしてそんなに驚く」


「へ?え?あの、そんな、でも、だって・・・」


俺が幸せになるにはミニョは欠かせないと話した。

一緒に海外へ行かないかとも誘った。

家だって、俺が一人で住むならこんな大きな家はいらないし、壁紙だって可愛い柄は選ばない。

屋上も必要ない。

俺としては一緒に暮らしたいという意思を、少しずつ見せていたつもりだった。

まさかそれに少しも気づいていないとは予想外だった。

だがそんなことで落ち込んではいられない。


「返事が欲しい」


俺はミニョを見つめた。

さっきよりも緊張が激しさを増す。緊張しすぎて息をするのも忘れるくらいに。

ミニョは悩んでいるようだった。

それとも困っているんだろうか。

口をきゅっと結び、ついさっきまで俺に向けられていた視線は宙を彷徨いながら段々と落ちていく。

流れる沈黙が息苦しい。

しばらくしてミニョが肩で大きく息を吸ったのが判った。

俯けていた顔が上げられ、何かを決意したかのような強い眼差しが俺に向けられた。

俺は手の中の指輪を握り直した。

そして・・・・・・



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