..::カクテル・マーメイド::..都会に棲む人魚たち -14ページ目

そのとき

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力んでいた どこかが、フッと安らぐような感覚を覚えた。
あたりを見渡すと、一人の青年がギターを弾いていた。
そんなありがちな光景、いつもなら気にもとめないのに、今日は本当、どうしたのかしら…。

いらだちの原因

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後輩からの慕われ、責任、やりがいはもちろん感じてる。

なのに、さっきから私、いらだってる。何に、こんなに いらだっているのかしら…。

今日はなんだか自分らしくない。

何もかも早足で…

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今日は久しぶりに、会社を少し早くあがれた。
私はいつもの帰り道、携帯で後輩と仕事の話をしていた。


見慣れた風景。代わり映えのない日常。私は新宿の公園を早足で歩く。
初めて東京の会社に勤めた時の 刺激や興奮なんて、もう今は、ないわ…。

プロローグ3 - お客様へのカクテル

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私はお客様へ、クランベリーのカクテルをお出しいたしました。
やさしく甘酸っぱい味わいは、いつかの瞳の輝きのような、ピュアな風景を思い起こさせます。

いつも傍にある『やさしい光』に気付いていただきたい、との思いをこめて…。


――そう言えば、私の知り合いのミュージシャンも、クランベリーのカクテルがお好きでした。

プロローグ2 泳ぎ疲れたマーメイド

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お客様は大変疲れてらっしゃるご様子でした。

疲れは昨日今日のもののようにお見受けられず、お客様の瞳の鋭さから察するに…お一人でずっと頑張ってこられたものが、蓄積されたように思いました。