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用事が済んだというのに、青年は私の後をずっと歩いていた。 不審そうに振り返ると、彼は私を追い越し、先を歩いていった。 ――こういうのって、ホント苦手。まぁ、他人だからいいけど。。
――『ちょっと…!』
不意に呼ばれて振り返ると、さっきの青年がチップを返そうとしていた。「もらいすぎ。」
そう言って私を覗き込んだ仕草が、普段関わっている人たちと違って…どう接していいのか正直分からなかった。。
きっと彼は、"夢追いフリーター"ってやつね。私も夢を追いかけていた頃があったわ。懐かしい。
――あぁ、久しぶりに早く家に帰ったら、何をしようかしら。心なしか足が軽いわ。
――思いのほか長居をしてしまったわ。 こういうときは、こうすれば いいのよね…?!
「いつかきっと、デビューできるわ」 私はチップを置いて、その場を後にした。
私は青年の歌を聴き続けた。彼の紡ぐ音楽から、色々な風景が浮かんでくる。
まだ夜になりきらない東京の街が、色と音で溢れてくる…。