ダブルオー「悲劇への序章」
戦争にせよ、テロにせよ、戦いはすべからく情報を制したものが勝つ、
あるいは圧倒的なアドバンテージを得るものですが、今回は
それが如実に出る結果となりました。
ハーキュリー大佐の正規軍によるクーデターは、ある意味で今までの
ストーリー上、最大の事件です。
これはCBやカタロンのような、不満分子によるテロではなく、
国家組織の一部、それも統一国家の正規軍が国政に異を唱えて
武力に訴えたと言う、正しく「内紛」だからです。
さて、このハーキュリーさん、精神的には高潔な人物ですが、この手の
軍人さんにありがちな「正しい主義主張は、人命よりも尊重される」という
主義の人で、ヤン提督辺りには、さぞ嫌われるタイプでしょう。
理想主義者かと思いきや、アロウズによる情報操作を承知の上で、
民間人を生き証人とするために敢えて銃火に晒すなど、したたかな
策士の一面を見せます。
これに対し、アロウズは敢えてクーデターを敢行させることで軍内の
不平分子をあぶり出し、更にはその目論見が成功したと思わせることで
カタロンやCBまでを軌道エレベーター周辺に誘き出して、実はもう一基
あったメメントモリで、文字通り一網打尽を図ります。
また、この一連の流れの中で、セルゲイ大佐が特使としてクーデター軍の
中に送り込まれているのも、良識派として煙たい存在の大佐を始末したい
アロウズの策略でしょう。
情報戦・心理戦にて鍔迫り合った両者ですが、情報戦ではもう一基の
メメントモリの存在を察知できず、心理戦では民間人全てを巻き込んでの
攻撃までを予想し得なかったクーデター側の完敗となりそうです。
一方のCBは、寝耳に水のクーデターに対して具体的な対応策を
立てることも出来ず、とりあえず現地に向かうという事で対応を保留します。
ヴェーダを失ったために、戦力はあっても目も耳も失ったCBは、
起きた事態にその場しのぎで対処するしか出来ず、常に後手に
回らざるを得ない状況ですね。
もともと少数精鋭のテロ組織である以上、常に攻撃側の立場で、行動する
時間・場所の選択権を握っていないとジリ貧になるのは1stでも証明済み。
そろそろ巻き返しに入らないと状況は厳しくなる一方ですが、
スメラギさんの活躍に期待したいところです。
さて、先週お馴染みのCパートで颯爽登場したミスターブシドー。
結局は大勢に何の影響も残す事無く「おぼえておけ」と三下同然の
台詞を残して撤退。相変わらず何がしたいのか、さっぱりです。
…あぁ、笑いが欲しいのか。
それはともかく、トランザム発動中に血を吐いていたのが、やや気になるところ。
単に圧倒的なGによる負荷か、それとも擬似GNドライブによるトランザムには
人体に何らかの影響を及ぼすのか。
動向はともかく、その辺が少し気にかかるミスターです。
ダブルオー「反抗の凱歌」
今週は、先取とうって変わってツッコミどころが少なめ。
それはそれで、少し寂しい微妙なファン心…。
怪我をした刹那が、マリナ様のいるカタロン基地に到着。
洗濯物を抱えて走るマリナ様の姿が、あまりに板に
ついていて笑うよりも涙を誘います。
いつの間にやら最大のトラウマを打ち明けるほどに、
マリナに心を開いている刹那に少し驚き。
しかし、子供たちがいかにラブラブだと囃し立てていても、
我々の眼には、ただの怪我人と貧乏人にしか見えないのでしたw
一方、戦力を増強したアロウズの強襲を受けるトレミー。
ロックオンの活躍でかなりのMSを撃退するもの、トランザム限界と
共に一気に窮地に陥ります。
が、ここで思わぬ幸運が到来。
軍内の反乱分子によるクーデターで軌道エレベーターが占拠
されると言う非常事態にアロウズが兵を退き、九死に一生を得ます。
これがリボンズの計算の内かどうかは微妙ですが
(わざと戦力を集中させて反乱を暴発させた可能性もあるので)
次回予告で「人類の粛清が始まる」なんて物騒な単語があったので、
最悪軌道エレベーター自体の破壊もあるかもですね。
そしてミスターブシドーが、ついに新型フラッ…MS「マスラオ」で登場。
ストーリー展開などそっちのけで刹那へ襲い掛かります。
(それにしても、Cパートでの登場が多い人です)
どう考えても会話が通じているとしか思えない独り言と共に
トランザムを発動させて刹那を驚愕させます。
これまでCB唯一のアドバンテージであったトランザムが、
敵側でも使用可能となったのは驚異ですが、無条件ではないはず
なので、そこのところが気になります。
(恐らくは、擬似GNドライブの自己暴走+使い捨てじゃないかなー
とは思うのですが)
あ、戦闘の結果は気になりません。
Cパートで始まった戦闘が、ストーリー展開で重要になったことは
ありませんので、そこそこで水入りというとこでしょう。
で、一周遅れて新ED。
機体の残骸は無常感を醸し出しますが、途中の前EDの
静止画からの続きのようなシーンが要注目です。
銃を持つルイスの腕を強く引き寄せる沙慈、イノベイターに銃口を
向けるティエリアは、これからの決意をイメージしていて良いですね。
ロックオンは、カーテンの向こうの女性がアニューと判明。
残り1クールでどのような関係になるのか興味深いです。
…アレルヤは、まぁ、彼なりに幸せそうなのでそっとしときましょう。
今日も空気だったし。
早いところマリーの戦線復帰を認めるか、ハレルヤ開放しか
彼が陽の目を見る機会は無いのではないでしょうか…。
ダブルオー「歌が聞こえる」
えー、新年一回目のダブルオー。
相変わらずの勢いで、面白いのは確かなのですがツッコミ
どころも多すぎてどうしましょうと言ったところですw
まずは前回の続き。
メメントモリを落として一段落、と思いきやイノベイターたちが
プトレマイオスを追撃。
攻防戦には投入していなかった新型MAまで投入しての追撃戦
ですが、これは戦力を消耗したCBを叩くのが目的で無いとすると、
いかにもタイミングの遅い行為です。
さらには、かなりの痛手を与えたとは言え、結果的にプトレマイオス
を逃していることで、メメントモリの損害がタダの丸損に。
人間を超越したイノベイターとしては、些かお粗末な結果です。
…まぁ、アニュー効果で捕捉は容易なので、余裕をかましているだけ
かもしれませんが、その傲慢のツケはBパートで高く付いてしまいます
迷子の刹那君はネーナと遭遇。
軽口を叩くネーナをガン無視するのは良いのですが、何でここにいるの
とか、どうしてダブルオーのデータに簡単にアクセスできるのかとかは
気にした方が良いと思いますw
数話前に負傷したオヤッサン復活。
すっかり浦島太郎状態の上、艦内から見える青空に思わず絶叫です。
この後のトレミークルーとのやり取りを見ても、実はCB随一の
癒しキャラな気がします。
ちなみに、トレミーは隔壁すら下ろさずに艦内通路剥き出しで
大気圏を突破したんでしょうか?
まぁ、何らかの対処はしていた…んでしょう、多分。
で、手掛かりを貰ったももの、やっぱり迷子の刹那君は、
何とサーシェスに導かれる形で、黒幕・リボンズと邂逅。
小説を読んでいたので、オーガンダムにリボンズが乗っていたのは
知ってましたが、まさかマイスターに選んだ当人とまでは予想してませんでした。
リボンズとしては、この場で邪魔なダブルオーを回収しようとしていた
ようですが、戦いを望むサーシェスによりMS戦へと移行。
「好きにしろ」と鷹揚なところを見せますが、そろそろオー人事に電話
したくなってるかもしれません。
そして、今日のクライマックス。
トレミーを強襲するリヴァイヴ(ヒリング?)&ブリングVS
アレルヤ&ティエリア、クルジス上空でのサーシェスVS刹那のMS戦。
MSの性能(というか相性)差もあって追い詰められるティエリアに
対して、ブリングは帰参を呼びかける余裕の様子。
その説得も断念して、いよいよトドメというところで、ついにティエリアが
奥の手を発動。
セラヴィーの隠し腕でガデッサを拘束すると、背面の大型
バックパックが、何ともう一体のMS、セラフィムガンダムに変形!
自分は人間だ、と己の立ち位置を再確認しつつ、見事にブリングを
討ち果たします。
これはイノベイター初の戦死でもあり、まず大金星と言って良いでしょう。
それにしても強力なバリヤー、隠し腕、そして本体は別の機体と、
何とも味方機らしくないガンダムですw
サーシェスVS刹那戦は意外な展開。
生身に銃弾を受けて、ただでさえ不利な刹那ですが、例の量子化が発動。
サーシェスを圧倒して、その剣先が遂にコクピットに突きつけられよう
とした、その瞬間。
マリナ様の歌声が聞こえてきてしまいましたーw
突然の事態に刹那君ビックリ。動きを止めた隙にサーシェスを
逃してしまいます。
まぁ、別に姫様のせいではありませんが(誰が戦闘中のMSコクピットに
自分の歌が生中継されると思うでしょうか)、結果的に千載一遇の好機を
逃すことになってしまい、ファンからの風当たりが強くなることは確実でしょう。
…本当にツイてない人です。
話は変わりますが。
OP変わりましたね。
私の好みとはやや違いますが、歌詞自体はダブルオーのものらしくて
良いのではないでしょうか。
映像も意味深で気になりますが、特に気になるのが沙慈とルイス。
戦いが終わって二人で暮らしているような映像がありましたが、
沙慈君の妄想オチか、はてさてです。
最後に別々の道へ歩いていくマイスターの姿も印象的で、
これからの展開がますます気になります。
…あ、アレルヤ君は今日も元気に空気でした。