12月1日、快晴。
やっとの思いで手に入れたA自由席のチケットを握りしめて、等々力陸上競技場に来た。
試合開始30分ほど前に到着したので、すでに自由席は立ち見のお客さんで溢れていた。
アウェイ側の2階に上がり、センターサークルに近いエリアで空席を確保。
ちょうど1年前の12月2日、この等々力で奇跡の逆転優勝が起きた。
その歴史的な試合に立ち会えなかった僕は、その日の景色を思い浮かべながら、ジュビロ磐田との試合を観戦した。
あの日と同じ14時キックオフ。
同じ快晴の空。
満員のスタジアム。
昨年の最終節とほぼ同じ景色だったと思う。
太陽の位置、影の長さ、客席への日差し、試合後の紙テープ、夕暮れ時の挨拶。
大宮に5-0で勝利した試合をイメージしながら等々力での時間を過ごした。
ジュビロ磐田との試合、長谷川竜也のプレーに見入った。
こんなに良い選手だったかな?
ボールを持った時のプレーは秀逸であり、彼にしかない独特のボールタッチとリズムがあった。
そして、それだけでなく、チームのボール回しの輪の中にしっかりと入っていた。
今まで自分は長谷川竜也を過小評価していたのではないか、長谷川はフロンターレに絶対に必要な選手だ。
この試合を見てそう思った。
ジュビロ磐田には大きな恩があった。
昨年の最終節で鹿島と引き分けてくれたことだ。
この恩はとても大きなもので、既に連覇を決めたフロンターレがジュビロ磐田に勝点1を差し上げることは些細なことのように思えた。
しかし、フロンターレにはフロンターレなりの目標があった。
具体的には、リーグ最多得点とリーグ最少失点だ。
また、2位との勝ち点差を11に拡げることになれば、今までの記録を更新することになる。
今までの記録は、2010シーズンに優勝した名古屋グランパスの勝ち点差10である。
名古屋が72で、2位チームが62だったと思う。
後半アディショナルタイムでの無慈悲な決勝ゴールにより、フロンターレは、今シーズンの単独での最多得点チームとなった。
そして、今シーズンの最少失点チームとなるだけでなく、歴代優勝チームの最少失点記録も更新した。
また、2位チームとの勝ち点差を12とし、この記録も塗り替えた。
試合後に紙テープが舞う等々力の景色は美しかった。
僕も初めて青覇テープを投げた。
1年越しのリベンジだった。
ジュビロ磐田にはJ1残留を果たしてほしい。
来週の入れ替え戦、僕はジュビロ磐田をそっと応援します。