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小野弘晴のブログ

テノール歌手 小野弘晴のブログです!







オペラ彩「カルメン」両日終演!
ご来場頂きましたお客様、関係者の皆様方、本当にありがとうございました。

コロナウイルスの影響で昨年はプレコンサートに変更となり、今年開催に至った「カルメン」公演。
総合プロデューサー・和田さんをはじめとする公演スタッフの皆さまの多大なるご尽力には感謝の気持ちを言葉では言い尽くせません。

音楽溢れる佐藤マエストロの世界にいかに近づき共有出来るのか、演出・直井先生のイメージの中にどう生きる事ができるのか、様々な自分の問題点と向き合ったこの数ヶ月はとても考えさせられ、身になる期間でもありました。

素晴らしいキャストに囲まれて組み違いの稽古もあり、魅力的な先輩方とご一緒出来るという、興味深く刺激的な機会を頂き、感謝の気持ちで溢れます。
いつの日かまたホセを歌える機会を頂けるように練習に励みます。

オペラ彩の今までのご功績に敬意を表すと共に、今後の更なるご発展を心よりお祈り致します。

ありがとうございました!




オペラ彩「カルメン」オケ合わせも終わり、残すところG.Pと本番です。

少ない練習回数で、合唱も動きを覚えて身体に取り込む事は大変ですが、皆さんエネルギッシュに取り組まれています!
でもきっとこの短時間で取り入れた決め事は、最大の集中力で乗り切れる。大丈夫だと思います!

歌も演技も「今歌ってる(芝居してる)のは、次の「音/芝居」の準備だと思って集中力を高めることができれば、あるいは。



以前ホセを歌った時のブログにも書いてあったので一部抜粋で引用しますが、

第二幕、ホセのアリア「花の歌」で最後に歌われる高いシ(B音)は大きく歌われるものではないし、ファルセットでもない、頭声と胸声の混合のアクートが求められます。まるでファルセットーネのような柔らかく響きのある声。難しいですね。


役どころとしては、ホセの感じる愛、つまり彼の母やミカエラへの愛は温かく心地よいものだった、そこにカルメンという直接的で官能を動かす存在が現れる。

ホセの中にいる悪魔的な心情を揺さぶるというようにと僕は考えています。


このアリア「花の歌」は単純な愛のアリアではなくて、ホセ自身の心理救済と「僕がこんな風になったのは君のせいだ」と心をさらけ出して、心の言い訳を話すのと同時に、正直な心情を露呈することによって「この場面をどうにかしようとしている」という事ではないかと感じています。


牢屋の中で反芻した想いを伝えて、二人きりのこの場で気持ちを告白するホセのこのアリアでは、やはり大きなB音は適切ではないと思います。

同時に、聴衆の皆さんの中でこれを評価してくれる方もいらっしゃると思いますし、逆に不服に思われる方もいらっしゃると思います。


でも、僕はやはりホセのこの心情に沿って歌いたいと思っています。


テクニカル的にはfやffよりも、この音域でp,pp(dolce)で歌うことはかなり難しい事になりますが、やや失敗気味に入るリスクがあってもそのまま歌います。



このセンテンスの前にある以下の部分↓

Puis je m’accusais de blasphème,
et je ne sentais en moi-même,
je ne sentais qu’un seul désir,
un seul désir, un seul espoir:
te revoir, ô Carmen, oui, te revoir!
Car tu n’avais eu qu’à paraître,
qu’à jeter un regard sur moi,
pour t’emparer de tout mon être,



ここの音楽の持つ情熱に負ける事なく、歌手の知性でバランス良く捌ければこの先も上手く歌うことができると思っています。難しいですね。


カルメンのことを心底恋い焦がれるやるせない思いをB音で歌うには、やはりPP e dolceしかないという考え方を選択します。


ここまで書いたらもう心が揺らぐことはないでしょう。苦笑


12/19 和光市民文化センター サンアゼリアにて、

14:00開演 / 13:15開場 でお待ちしております!






先日の「道化師」の原作の設定は1865年頃の南イタリア・カラブリア地方のモンタルト村のはずれに公演に来た旅一座の物語。


先日の代々木上原ムジカーザ「道化師」公演での設定は2009年リーマンショック直後のウォール街に社を構える証券会社。


いわゆるモダン演出(現代演出)で行われました。

個人的にはモダン演出は苦手で、スコアに書いてある色々な事の読み替えはもちろん、感情的にも動機付けをどのようにするのか、そして試行錯誤してもやはりスムーズにいかない部分があります。


今回悩んだのは「劇中劇」の部分。そしてそれに動機付随しているアリア「衣装をつけろ」のラスト。


原作(本来の原作、というよりオペラ「道化師」ではという意)では、この地に「芝居/興行」をしに、つまり仕事をしに来たのであって、目的、更にはそこに生きる事がそこにあると思いますが、今回の設定ではこの劇中劇は「会社のパーティー」との事だったので困りました。


アリア「衣装をつけろ」は、たとえ今の自分がどうあれ「怒りも悲しみも隠し、道化芝居を演じて客を笑わせなければならない役者」という、ある意味では生き様が拒否をさせない概念・動機がありますが、今回の社内パーティーという設定だと、「そんなに心が打ちひしがれるほどなのであれば欠席、または最初の挨拶だけで失礼すればいいのでは」加えてパーティー内の余興であれば尚更「出席しなければならない」ことにはならないのではないかという思いが起きました。


このアリアの最後には嗚咽して泣きながら打ちひしがれる事が多く、前述の通り「道化師として、やり遂げなければならない」のであればの話。

それをどのように今回の設定に当てはめるのか、という事が今回最も悩んだ箇所でした。


色々考えたものの「打ちひしがれた状態であれば欠席すればいい」という考えを取り払うには、辛くとも自らその場にいかねばならないとカニオの気持ちを持っていく必要がありました。


余興で芝居をするのであれば、カニオやネッダ達はその内容を知っていたはず、練習や段取りをあらかじめ決めていたはず、という事を元にその余興芝居を使って本当の浮気相手を聞き出そうとする。

聴衆(今回の設定では社員)は芝居と思っているが、カニオは芝居のフリして最初から現実であるというもの。


いわゆる「芝居と現実の区別がつかなくなる」と表現されるこのシーン、今回は「芝居」ではなく「芝居しているフリ」に度重なる興奮が重なって激昂するという形を取りました。


自分が女性として成熟したと歌う妻ネッダ、その妻を見守るのではなく、厳しく管理していく夫カニオ。

この根底の部分は通常通りで行えましたが、それ以外に読替えの起きる全てのシーンにおいて記述すると長くなりそうなので本日はここまでにします。笑


*動画

衣装をつけろ



レオンカヴァッロ作曲

歌劇「道化師」より "衣装をつけろ"

Pagliacci "Vesti la giubba" 

youtu.be/8O7o69I8uuM @YouTubeより


昨年は全曲演奏を延期にしてプレコンサートに変更となり、今年は開催されます。
佐藤マエストロの溢れる音楽と、ディスタンスに気を配った直井先生の演出。
素晴らしいキャストの皆様とご一緒させて頂きますので、是非ご来場頂ければと思います!

オペラ彩 第38回定期公演
歌劇「カルメン」
全4幕字幕付原語上演

2021年12月18日,19日(土,日)
開場13:15 / 開演14:00
和光市文化センター・サンアゼリア大ホール
※アクセス→ http://www.sunazalea.or.jp/access/

全席指定席
入場料:
S席 11,000円
A席 9,000円
B席 8,000円
C席 6,000円
学生券 3,500円
特別学生券(高校生まで)2,000円

指揮:佐藤正浩 
演出:直井研二 
総合プロデューサー:和田タカ子

出演:
カルメン 鳥木弥生/丹呉由利子
ドン・ホセ 樋口達哉/小野弘晴
エスカミーリョ 飯田裕之/原田勇雅
ミカエラ 鷲尾麻衣/東城弥恵
フラスキータ 奥村さゆり/本松三和
メルセデス 巌淵真理/はやかわ紀子
ダンカイロ 井上雅人/福井克明
レメンダード 布施雅也/パク・ドンイル
ズニガ 佐藤泰弘/矢田部一弘
モラレス 押川浩士/石塚幹信
合 唱:オペラ彩合唱団,和光市内児童合唱団,東邦音楽大学,東邦音楽短期大学,東邦音楽大学付属東邦第二高等学校,放送大学埼玉学習センター,県内高等学校各有志
管弦楽:アンサンブル彩 
ダンス:東京創作舞踏


◆チケットご予約◆
http://www.sunazalea.or.jp/event/detail.cgi?key=20210903152214





「貞奴姫」終演致しました!

ヨネスケ師匠の語りも素晴らしく盛会となりました。

学生時代から古典落語が好きでよく聞いていました。
浅草が大学が近かったこともあり、浅草演芸ホールにはよく通っていました。新宿末廣亭にも!

今日は舞台袖で師匠の語りを楽しませて頂き、忘れられない日となりました。

さて、「貞奴姫」と称してのトラヴィアータ・ハイライト公演でしたが、和装でアリアを歌うなど珍しい経験をさせて頂きました。

現存の人物を読替えでアルフレードに乗せるのは難しいことでしたが、音楽が奏でられると、やはりそこはヴェルディの素晴らしい時間が流れました。

ご来場頂きましたお客様、関係者の皆様方、本当にありがとうございました!