7月29日は昨日 | 作家・シナリオライター西村悠のブログ

作家・シナリオライター西村悠のブログ

ラノベ作家・シナリオライター西村悠の近況報告とかです。

7月29日にはブログを更新しようと思っていたのですが、仕事に追われるうちに日をまたいでしまいました。
 

万事こんな感じだなあと自分のふがいなさにあきれつつ、この文章を書いています。

最近はなんだか、数年前まで想像もしていなかったことが次々と起きて、口をあんぐり開けてニュースを見ることが多くなりました。

 

昔からこれくらいたくさんのことが起きていたのか、今の時代だからこんなにたくさんのことが起きているのか、情報技術が発達した結果『たくさんのこと』が野放図に耳に入ってくるのか、判断に迷うところではあります。

ひるがえってこのほぼ8か月の間に、我が身に起きたことと言えば、家族そろってコロナにかかってしまったこととか、子供の小学校入学とか色々あって、それでもなんとか、もうどうしようもない、と諦めてしまうようなことは起きていない。そんな日々を過ごしていて、それは大変によいことだなと思っています。

仕事が、文字の上のこととはいえ、もう毎日波乱万丈の大冒険ですから、それ以外のことは、なるべく平穏であってほしいし、そんな平穏を愛でたいなと思っています。


日常が好きなんです。散歩してたら濡れた草の匂いがしたとか、今日はよく晴れてるとか、読みさしの小説の先が気になるとか、今日はジョギングいい感じだったとか、それくらいのことが日々にあれば、僕の場合はきっと十分なんです。

そこに日々、子供がもたらしてくれる変化や成長や事件というものが色を添えてくれますので、もう十分すぎるほど刺激的な毎日です。

そう言えば、お酒を一切飲まなくなりました。以前からの慢性的な頭痛が、お酒を飲むとひどくなるとわかってからやめたのですが飲まないなら飲まないで、全然支障がないですね。

しいて言えば、本を読んだり、映画を見たり、できればブログの更新頻度だってもう少し上げたいので、とにかく時間がほしいのですが、それはこれから、なんとか捻出して見ていきたいと思います。

さて、そんな平穏な日々を送る間に、今年も7月29日が来て、去っていきました。毎年言っていますが、シナリオ制作で関わらせていただき、僕にとって転機にもなった作品が発売された日。発売されてから今年で12年が経った今でも、あの作品は自分にとって特別な作品だったなという思いは強くなる一方でもあります。

あの頃の僕はまだ東京に住んでいて、自分の仕事に自信が持てず、物書きとして、なんとかやっていける確信がほしいとあがいていた頃で――

今、あの頃からすごく遠くに来たな、という気持ちがわりと大きくあることを、この文章を書いている今発見したような気持ちです。

ついこの間まで、全く時間が経っているように思えなかったのに、今思い返して、懐かしいと思う自分がいました。12年前の自分が思い描いていたものとは違うかもしれませんが、それでもあの頃の自分にとって明日と言えるようなものは、自分にとって今なのかもしれないな、と思います。

あの頃の不安も、不安からくる、つかみどころのない怒りや情熱も、ついに昔のことになったんだなあと。単純におじさんになったということだと思います。小さな頃に歩いた夏の夕暮れの道を思い出すような、ほっとしたような、少し寂しいような気持ちです。

かといって、あの頃から具体的に、なにがどう成長したか、ということは
自分でもさっぱりわからないので、明日にはもう、全く時間が経っていないように感じるのかもしれないですね。

最近の仕事の話ですが、相変わらず忙しくさせてもらっています。先日もお伝えした通り『アサルトリリィ Last Bullet』のお仕事についてもも変わらず色々シナリオ仕事に関わらせていただいていますし、まだ発表はできないものの、他のお仕事もしています。いずれこちらでも触れる日が来ると思いますので、もしお待ちいただけるという方がいらっしゃれば、ぜひお待ちいただければと思います。

 

昔に比べて創作の苦しみは少し弱まったかもしれません。それとも楽しさが強くなったというべきでしょうか。別に今でも、自信なんていうものはどこを探してもないですし、毎日毎日、一文字打つのにも迷う始末で、昔は悩まずに書いた一文に、待てよ、これってこれでいいんだっけ? などと立ち止まることが多くなったような気がします。

それでも、自分はまあこんなもんだ、という穏やかな諦めにも似た気持ちが、人生を幾分、生きやすく、楽しみやすくしてくれている気がします。

焦燥感は薄れていって、その分、純粋に試行錯誤しているような気分というか。面白いものを作りたいという欲求が身体を動かしてくれるようになったというか。きっと今送っているこの日々を懐かしく思う日も来るんでしょうね。

のそのそと進んでいるうちに、もうちょっと先の世界が見えてくればいいなと願う日々です。

すみません。話がなんだか、まとまらなくなってきました。なにしろここ数日かなり仕事に追い込まれていまして、ろくに眠れていないのです。

もう昨日になってしまいましたが、7月29日と、12年前の自分と、そしてもちろん、あの作品に触れていただいたすべての方に感謝しつつ、今日はもう寝ようと思います。

最近は暑い日が続きます。くれぐれもお体を大切に。
それでは皆様、失礼します。