11回目の7月29日のこと | 作家・シナリオライター西村悠のブログ

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ラノベ作家・シナリオライター西村悠の近況報告とかです。

お世話になっております。西村です。今年はなかなかブログの更新もできずにいたのですが、やはり今日は僕にとってはある意味、一年の節目になっているところもあり、更新したいなと思います。

7月29日は、11年前、僕がシナリオ制作を担当しました女性向け恋愛ADVが発売された日です。この作品はライターとしての僕にとって大きなターニングポイントになっていました。当時、お話の作り手としてどうしても自信が持てなかった自分が、この世界に身を置いていてもいいと、許しをもらったような気持ちになったといいますか。

11年、あっという間だったような気もしますが、振り返ればずいぶん色んな変化があったような気がします。大変なことはたくさんあって、もう無理だと思ったこともたくさんありましたが、紆余曲折あって、まだお話づくりに携わることができているということがありがたいです。

11年前、初めてゲームの根本的なところから任されて、自分の全部を叩きつける、最初で最後の機会だと、机にかじりついていた頃が懐かしいです。あのときの感覚。作っているときの、全てがあるべき場所にあるような、一歩一歩進む道が考えるまでもなく明確であるような感覚はとても得難いもので、きっと色々な条件がそろっていないとできないものだったんだと思います。もちろん、全ての作品に全力で向き合っているつもりではありますが、それとは別の次元のところに、何かがハマりこむような瞬間というものが、創作にはあるような気がします。関わった作品の全てにそのような瞬間があるように努力はしていますが、あの作品に限っては全ての段階での制作がそのような感覚で満たされていたような気がするのです。

昨年は10年というひとつの節目を迎えた作品ですが、アプリになって、いまだにどこかで誰かに遊んでいただけているということには感謝しかありません。物語が、遊んでいただいたどなたかの感情に、少しでも寄り添うことがあれば、制作に関わった者のひとりとして、なによりの幸せだなと思います。

これまでに感謝しつつ、これからも頑張っていこうと思います。
ありがたいことに、今も色々な作品の制作に関わらせていただいております。また名前を出す機会が訪れましたら、こちらのブログでもご連絡したいと思います。

何卒よろしくお願いいたします。