キッシー首相の政策助成金 | 新労社 おりおりの記

キッシー首相の政策助成金

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助成金アドバイザー協会

 

「首相が作るといった助成金」、私の知っている限り、これで2度目です。1度目は安倍さんのコロナ小学校休業助成金でした。今回はキャリアアップ助成金 社会保険適用時処遇改善コースです。

 

 

ついこないだ(10月20日)できて10月1日まで遡れる助成金、同じようなキャリアアップ助成金 短時間労働者労働時間延長コースの屋上屋を重なる助成金です。しかしこの幅広い短時間労働者を相手にする「短時間助成金」と違って活用する場面は1つ。

 

・106万円問題を打破するヒトのために社会保険負担を軽くすること

 

です。年収106万円(月収8万8333円)を超えて仕事をすると、厚生年金などに入って、引かれるものが多くなり、仕事をして却って収入が減るという現象を打開するための施策です。その引かれる厚生年金保険料などを企業が最大2年半補填して、その分ごほうびに定額の助成金をもらえるという、月収8万円前後のパートタイマーにとっては、政府⇒会社⇒労働者という2段構えの福利です。

 

 

このセミナーではどういう助成金か?というところから入って、当局の思惑・企業の現実・社労士の営業に言及し、助成金の実際の実務に入ります。やらなければならないことは以下の通りです。

 

1,まず「106万円の壁」を打破すべきヒトが居るかどうか・・・働きたいのに働けない状態かどうか?

2,その人の雇用契約書の確認・・・ホントに今まで「合法的に」社保に加入しなかったヒトか?

3,就業規則の改定・・・社保料払っても、会社が補填しその分賃上げ。ただし2年まで。

4,社保に入る、賃上げする、時間延長する、両方やる・・・会社ではなく、ヒトによってパターンを選ぶ。

5,6か月たって支給申請する・・・書類自体はカンタン。添付書類も原則雇用契約書と賃台のみ。

 

 

この5段階をやれば降りるんです。しかし「助成金出まっせ―、やりましょう」だけでは、後に禍根を残します。注意しなければならない点は・・・

 

・会社内での戦力の大きさだけではなく、そのパートさんの人を見る。単なる労働力を望むのか?それ以上になるのか?

 

この助成金は半年ごとの申請ですから、3か月くらいで辞められてしまっては、せっかくの準備も元も子もありません。また、延長した仕事はより質が高くなるのか低くなるのか、そもそもその仕事が今後2年続くのか、という問題もあります。最大5回申請がありますが、何のためにそんな手間をかけるのか?岸田さんのためではありませんよ。

 

だから仕事のたな卸し=事業内職業能力開発計画を作り、助成金を受ける期間のモチベを保って定着させる、というのが私のやり方ですが、皆様いかがでしょう。この助成金については、会社ばかりでなく、そのパートさんの人となりも見よ、ということが言いたいのです。

 

 

人となりとはその会社で長期間仕事するか否か、ということです。向上心もいいのですが、その身分で安定するというのも、立派な定着意識です。腰かけで仕事か?将来を見るのか?その判断には会社のキャリアのたな卸し=能力開発体系が役立つものの1つです。

 

能力を育てて働けば賃金が上がる、その能力を持って、不況業種でも成長産業もでも、どこへ行ってもやっていけるというヒトを大勢作るのが、当局の遠大な「三位一体の労働市場改革」の眼目です。「106万円の壁」助成金は、能力を高める労働を増やす、その一助になるものなのです。

 

その眼目に関連付けると、助成金的には正社員への向上の「正社員化コース」、能力開発の「人開金」と夢は広がります。

 

そんなことを言っていると、パワポ25枚に、急遽付け加えた資料1に2を加えて20ページほどなのですが、2時間近くになりましたねえ。奥が深いだけに「助成金の成功報酬」という以上に、この助成金は社労士の企業に貢献する仕事のきっかけになるチャンスなのです。