『泣くなっ!鳩山!』 | 新労社 おりおりの記
2012-11-25 20:00:00

『泣くなっ!鳩山!』

テーマ:歴史

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さらばミスター民主党 失意の鳩山氏にかつての「友」の姿なし


鳩山さん、ついに政治家引退です。まだまだ顔の色艶もいいし、ピンピンしているのに、年齢も65歳と、まだやれるトシなのに、引退に追い込まれた感じのようです。人物としては決して悪くないのに、また政治家に必要なコネもカネも十分なのに、古巣に追われる事態になりました。


しかし、鳩山由紀夫元首相のおじいさん、鳩山一郎は、同じ元首相で、何度も追い込まれながら、その都度危機を乗り越えてきた猛者でした。時代の違いでしょうか?そのココロは何でしょうか?


小説吉田学校


昭和21年、総理になるべく支度をしているところで、GHQの公職追放に遭い、議員を追われました。当時63歳。復活までは5年待たねばなりませんでした。


昭和26年、その追放が解除になる直前、脳梗塞で倒れ、左半身不随になりました。


表題の「泣くなっ!鳩山!」は、彼が倒れた後、彼の腹心三木武吉が、「俺が先に死んだとしてもだ。俺の魂が化けて出てもだ。鳩山内閣を作らずには置かん!」と言ったことに対して感涙した一郎氏への、三木武吉の叱咤です。後に三木武吉の巧妙極まる政治技術で、総理のイスまでたどり着きました。


鳩山内閣ができた後、昭和30年、保守合同のときに、政策の刷り合わせで壁にぶち当たりました。そこで一郎首相が「もう総辞職しかない」と閣議で泣いたことで、何とかまとめようという空気が広がり、党内の反対派をまとめ、自由民主党の元になりました。


このおじいさんに比べれば、どうも由紀夫元首相はアクが強くないですね。政治家をやめるというのに、泣くどころか結構淡々と無表情に見えます。一郎元首相が上記のような危機を克服したのは、以下のような違いがあるからではないでしょうか。


・ 一郎元首相も、お坊ちゃんといわれていたが、奥さんはじめ、腹心など、ヒトに恵まれていた。

・ 日ソ復交、保守合同の目的のために新党を作り、復党もやり、自党解体もこだわらない。


薫子夫人は、DVされても「私を殴っても、同志のヒトは殴るな」と言った賢婦でした。一郎元首相の腹心は、上記の三木武吉、河野一郎など、総理が務まるクラスの人々で、逆境のときはもとより、最後まで裏切りませんでした。


由紀夫元首相も、自民党一党支配を打ち砕く偉業を達成しましたが、一方由紀夫元首相の奥さんは?腹心はいうとさて、いかがでしょうか?


しかしこれは、何も由紀夫元首相の人格ではないでしょう。一郎元首相とて、人徳はあるものの、泣き虫はじめ、あちこち問題のある人物でした。しかし身近な大物が裏切らなかったのは以下のような原因ではないでしょうか。


・ 人物の「格が違う」と思わせる魅力、特に逆境に動じないヒトのよさ。

・ その人格を信じさせる神秘性。可能性を感じさせる能力。

・ ついて行くヒトたち自身が大物だった。


しかしネット時代には、こういう魅力や神秘性というのは、保ちにくいような気がします。ル―ピーというあだ名も、ネットであっという間に広まりました。シモジモのものはどうってことはないのですが、一国の宰相ともなると、あれこれ晒されてしまうことになりますので、どうも偉大な人物というのは育ちにくいのです。


現在はネットなどで伝えられる、コトバにできない、論理を超えた魅力というのを大事にするべきかと思います。しかし「空気」で判断すると多数派でドドドッといってしまうものですから、ますます自分自身の目でヒトを観る確かさが大事なのです。


具体的にはヒトを知る実践と、情報を得て分析する思考、このバランスでヒトを見る目を磨きたいと思います。