2/15(土)から公開中の映画『大統領の執事の涙』
こちらアメリカバージョン
2008年にオバマ大統領の歴史的快挙に全米が沸いた時にワシントン・ポスト紙にある記事が掲載された
それは『オバマ当選を支えた、ある黒人執事』というタイトルで、1950年代から1980年代にかけて、ホワイトハウスの歴代大統領7人に34年間仕えた黒人執事ユージーン・アレンの記事
この記事を読んで『プリティ・ウーマン』や『恋愛小説家』など、ハリウッドを代表するプロデューサーのローラ・ジスキンは広く出資を募った結果、あらゆるジャンルから出資希望者が殺到して、結果的にハリウッド史上最も多い41人もの名前がプロデューサーとしてクレジットされることになった
そんなホワイトハウスの歴代大統領に長年仕えた黒人執事の実話に基づいて描かれた感動のドラマ
製作・監督は『プレシャス』『ペーパーボーイ 真夏の引力』のリー・ダニエルズ
主人公の執事セシル・ゲインズに『プラトーン』『グッドモーニング,ベトナム』『バード』などのフォレスト・ウィテカー
2006年の『ラスト・キング・オブ・スコットランド』ではウガンダの独裁者イディ・アミンを演じ、アカデミー賞、ゴールデングローブ賞の主演男優賞を初め各映画賞の主演男優賞を独占
妻のグロリアにはアメリカのトーク番組史上最高の番組と評価されたテレビ番組『オプラ・ウィンフリー・ショー』の司会者オプラ・ウィンフリー
タイム誌が世界で最も影響力のある人物の1人に挙げ、ヒラリー・クリントンの次に女性大統領になる可能性がある人物としている
そして歴代大統領を演じるゴージャスでナイスなキャスティングも見所で、レニー・クラヴィッツやマライア・キャリーも執事仲間や主人公の母として出演している
綿花畑の奴隷の子として生まれた主人公セシルは、ホテルのボーイとして働いている時にホワイトハウスにスカウトされる
彼はそれから大統領に仕え、キューバ危機・ケネディ暗殺・ベトナム戦争など、アメリカが大きく揺れ動いていた激動の時代を執事として、夫として、父として生きる
おすすめ度★★★☆☆
(公開前からアカデミー賞最有力やオバマ大統領も涙したと話題の作品
ゴージャスなキャストだからハリウッド大作かと思いきや、製作会社ローラ・ジスキン・プロダクションズ、ウィンディ・ヒル・ピクチャーズ、配給はワインスタイン・カンパニーでインディーズ作品なのです
しかしながら企画の段階からノーギャラでもいいから出演したいと、多数の俳優が手を挙げたほど魅力ある本作は、アメリカの人種差別を題材にして、公民権運動など日本人にはあまり馴染みがない内容なので、アメリカでの評価と日本での評価や感じ方にはそれなりの差を感じるのが現実
原題『Lee Daniels' The Butler』が邦題になると『大統領の執事の涙』だなんて、何だか『部屋とワイシャツと私』みたいで、【涙】をつけて泣ける映画をアピールするやり方はいかがなものでしょう
大統領に仕える執事という裏方の主人公を軸に、息子に対する父、妻に対する夫、そして執事として激動の時代を愚直に生きた1人のアメリカ人の物語は、【涙】と言う言葉を使うならば、それは愛に支えられた強い心の涙ではないでしょうか)
2/15(土)から公開中