深夜の会話
PM11:50
電灯もほとんどないキャンプ場では、他のキャンパー達もそろそろ寝静まっている。日常から離れた暮らしをすると夜の暗さに気付く。
普段の生活ではPM8;00と言われても真っ暗というイメージが湧いてこない。
確かに外は暗くなっているが、町の明かりがそう感じさせてくれないのだ。
車中泊やアウトドアの生活をおくると自然と体が反応し夜は寝て朝早く起きるようになる。
本当はこれが理想なんだけれど、なかなかそうならないのが現実だったりする。
しかし、このメンバーにも興奮してか寝れない人達がいる。
寝れないメンバー
はせべさん
くまがいさん
だいちゃん
てんまさん
みっち
あこちゃん
おばあちゃん
俺
すぐ寝たメンバー
しょうた
おばちゃん
きよちゃん
だいたい寝てない。
俺のばあちゃんもよく眠たくないものだ。もう76歳だというのに・・・
朝からテンション高いのに・・・
8月9日
AM12:20
みんな自分のかばんからおつまみを出してきた。
いつの間に買ったんだろうというようなラインナップだ。
たちまちそこは宴会場と化す
俺達は
缶ビール数本
粗挽き醤油せんべい
あわ雪ソフトせんべい
チョコレート
チョコシュー
いかみりん
など・・・
はせべさんは
梅酒
カシューナッツ
など
てんまさんやけんちゃん、だいちゃんもそれぞれおつまみをだす
くまがいさんは
非常用かんぱん
大事そうに抱えた国稀(日本酒)
ものすごくあわ立っている怪しいペットボトル
もちろん皆の視線はそのペットボトルに注がれる
蓋を空けると中からシュワシュワーっと溢れ出してくる
色は茶色く濁っていて中に物体が浮いている。
怪しい・・・
きっと皆そう思っていたに違いない。
「なんですか?それは・・・?」
「これをね、色んな飲み物に入れると体にいいんだよ」
即座に飲んだのはてんまさん
よく今の説明で飲めるな・・・
「何が入っているんですか?」
「わ~!かぁーっとなる!!」
てんまさんが驚いている
みんなちょっとひく
「もも」
「もも?」
桃だけじゃないでしょう。絶対!
さっきのシュワシュワは何だったんだ。
「凄いわ~!」
てんまさんは興奮している
そこにだいちゃんが勇気を出して飲んだ!
「・・・・・。」
「なんですか・・・?これは?」
「色んな物が入っているんだよね。」
「それに私はももを入れてみた」
「さっきのは発酵ですか?」
「そう。酵母が生きているんだよ」
みんなが何かと混ぜて飲んでいたのを俺は直接原液を飲んでみた。
はせべさんが
「たっくどう?」
「どんな味?」
う~ん・・・・
基本もも。
後から良くわからない後味
決してまずいものではない。
しかし美味しい物でもない。
「冷やした方が美味しいんだよ。」
冷やしてもどうかと・・・
俺がみんなに薦めると結局みんな飲んだ。
「みんな飲みましたね・・・」
くまがいさんが怪しい笑みを浮かべる・・・
「え?」
「実はこれね違法のものも入っているんだよ。」
「え~!」
「え~!」
「え~!」
とても書けません。。。
AM1:00
あぐらをかいていたけんちゃんの足を見て俺は、
「結構、足ごついよね~」
「けんちゃんて細そうに見えるけど実はがっちりしてるよね。」
そこで
てんまさん
「そんな事ないよ!細い!」
確かに今回集まったメンバーは俺を除いてごつい人ばかりだ
みんないい筋肉している
それは温泉に入った時も感じていた
「だってここにいる人達けんちゃんを除いてみんなタイプだもん!」
いやいやてんまさん。。。
横に彼氏がいるのに除かなくても。。。
「私ね。もうすぐけんちゃんをまわせるよ~!」
「まわす?」
「まわせる?」
なにを?
「いつも家でけんちゃん回してるもん。」
けんちゃん回されてるの・・・?
てんまさんに。。。
どういう家なの???
どうやってまわされてるの???
ぐるぐるぐるぐるぐるぐるぐる
俺達の頭が回された
AM1:30
おばあちゃんがさすがに寝た頃
気がつくとくまがいさんが大事そうに抱えていた日本酒の封が切られていることに気付く。
しかも一番遠いいはせべさんの目の前にあった。。。
いつのまに。。
慌ててくまがいさんが
「それ飲ませてもらってもいいですか・・・」
「あ、どうぞ」
もう半分くらいなくなっていた
それにしてもおばあちゃんのくまがいさんに対する気に入り具合は半端じゃなかった。
結局35歳と言い張っていた。
くまがいさんは独身で今一人身・・・
おばあちゃんは一軒家に一人暮し(今はおばちゃんと2人だけど)・・・
おじいちゃんが亡くなって17年・・・
くまがいさんは58歳
おばあちゃんは76歳
その差18歳
俺は29歳
みっちは44歳
その差15歳
・・・・
・・・・
「くまがいさん・・・」
「おれのおじいちゃんにはならないで下さい」
みんな爆笑
笑い声と共に夜はふけていった・・・
就寝
AM6:00
ついにシゲチャンランドに行く朝がやってきた!天気は快晴!
一番早く起きたのは俺だった。
いや、おばあちゃんだった
すでに化粧もしてた。
恐るべし。
冷え込む朝のなか太陽がさすとそこだけ暖かくなる
次にくまがいさんが起きてきて
俺とくまがいさんは散歩に出た
キャンプ場ではすでに起きてる人もたくさんいてなんとバーベキューをやっている家族もいる。すごい食欲。。。
湖の空気と森林の空気太陽の空気が混ざって深呼吸を何度もしたくなるほどのさわやかさだった。
散歩から帰って来るとぼちぼちみんな起きてきている。
「おはよ~」
「おはよ~」
ばあちゃんたちの光合成はすでに始まっていた
「おはよ~」
朝の一杯
俺はコーヒー豆を挽き深煎りのコーヒー豆にお湯を注ぐ
「お~コーヒーいいね~!」
「朝は深煎りですよ」
「私コーヒー大好きなんですよ~」
マイカップを持つくまがいさんのカップの中にはすでに何か入っている。
「何飲んでるんですか?」
「いやいや、昨日残っていたワインをちょこっとね。。」
「朝のワインも格別ですよ」
この人ホントに好きだな
みんな起きてきたところに朝食の準備
朝のメニューはおにぎりと、漬物、そして俺が仕込んできたアフリカンシーフードスープだ。
全てが完璧だ!食べ物も!環境も!ここにいるメンバーも!
決まるべくして集まったメンバーだと思う!
そして誰しもがその場面で主役になったりする
みんな自然体のままでいられている
これこそが黒豆が求めていたものだろう
バスツアーもバーベキューも温泉もキャンプも絶対間違いないと思っていた!
面白くなるに決まっている
すでに楽しいのに実は本番はこれからだった
次回!いよいよシゲチャンランド到着!!
そしてN’DANAライブ!!
クライマックスはこれからだ!!
つづく