1107.タバコのポイ捨てノ巻 | フランス絵巻き

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南仏コートダジュール・画家よんじょう

村上春樹ハンの小説で、”タバコのポイ捨て”が問題になってるソーデスね。

主人公が『N町ではポイ捨てをふつうにやってるんだろう』と呟いた台詞に、N町民が『屈辱』と抗議して、村上ハンは町名を変える事にしたトカ?
変えるんなら、その町名、『ニース』にしてくれへんかな。同じN同士やねんし。仏人は、日常、ふつうにポイ捨てをやってますんでね。ノンフィクションやし。
人気大作家の小説の中に、『ニースの町では、ポイ捨ては、みんながやってるんだろう』ってクダリが出たら、ニース市民は、屈辱どころか、名誉に思うよ。

かつて、アル国在住の日本友人は『タバコのポイ捨ては絶対に許せない!(その国は)草原だらけだから、タバコ1本が大火事になる』と。なるほどねぇと思ったけど、仏人は入国禁止せないかんな。
仏国は石畳だから、火事の心配はないもんね。

江戸友人は、街なかで、右翼のデモを見てたら、コワモテの右翼さんが、懐から”携帯灰皿”を出し、きちんとその中にタバコを捨ててた、と言うていた。
私は、吹き出したんですけど、日本は、怖いオッチャンまで、モラルが”ちゃんとしてる”ねんね。
ムカシの日本映画だと、タバコなんかはポイと、道端や車窓から捨てたりするシーンがあるハズだけど、平成時代は、そういうシーンは映倫がカットするん?妙なディテールにばかり、神経を擦り減らす時代ネ。

個人的には、清濁善悪ごちゃまぜの玉石混合、が好きなんで、汚濁悪ばかりが淘汰されて、清善だけが残るのは息苦しいのう。
こんな見解を述べたら、すぐ『あなた、ポイ捨てが悪い事だと思わないんですかっ!!』と、モラル正義で叩く人が出てくるけど、そっち系が増えてきましたナァ。
私は、タバコを吸わないけど、モラル正義で裁かれると手も足も出ねぇよ。叩かれたら、ホコリしか出ーへんけど・・。

日本は全体が”消毒された国民”みたいになってきてますけど、バイキンもおらんと、清潔の真価なんてワカランですよねえ。
日本国はモラルが高くてスンバラシー反面、正しい事が極端になっていって、異端の排斥を徹底的にやる癖があるヨネ。昔から、そういう面は変わらんわ。
正義で統一しやすい国民だから、戦争になったりすると、皆、すぐ一丸になるしネ、コワい一面でもあります。タバコのポイ捨てより危険ちゃうン。