このブログは弁護士&FP(お金の専門家)で,がんとうつ,高齢化問題に興味があるFPBが書いています。

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昨日は,外国人の介護福祉士試験の発表がありました。
テレビを見ればどのニュースもやっていましたね。
外国人の合格率は37・9%(外国人・日本人含む全体では63・9%)だとか。
これが低いか,高いかはわかりません。


さて,そもそも,なんで外国人労働者に日本語という高いハードルを設けて,試験を受けさせて介護福祉士を育てているのか?

$弁護士兼FPのお金と健康に関する「気づき」の話。-わかっている?

ち・が・い・ま・す。しかも上目遣いの上から目線をや・め・て・く・だ・さ・い

本当の答は,人手不足だからです。しかも恒常的です。

厚労省は公式にはそのような説明をしていないとのことですが,次の数字を見れば明らかでしょう。

介護職の有効求人倍率=1・96倍

平成24年1月全国の有効求人倍率は0・72倍



ちなみに,有効求人倍率は次の様に計算します。

求人数÷求職者数=有効求人倍率

施設が,2人の介護職員を求人(募集)しているが,1人しか応募がない。

2÷1=2 有効求人倍率2となります。


いま,日本の介護福祉士はこんな状態です。



じゃあ,なぜ人手不足なのか?

$弁護士兼FPのお金と健康に関する「気づき」の話。-介護は賃金が安い

一言で言えばそのとおり。

なぜ賃金が安いか?


それは,医療と同様,報酬額が,一定に(しかも低く)決められているから(公定されているから)。


じゃあ,なぜ,報酬額が一定に決められているのか。

それは,介護の報酬にあてられる財源,つまり介護保険の原資の約6割が国と地方自治体負担だからです。
報酬を上げれば,国の国庫負担額が増えてしまうからです。


国は約1000兆円の借金を背負っております。
かつ一般会計から社会保障費用の国庫負担分を拠出しており,それが毎年,1.3兆円ずつ増えているという恐るべき状態です。

政府は,これ以上負担を増やしたくないのです。

日本は深刻な財政危機にあるのです。


ちなみに,これはとっても重要な情報なので知っておいてください。

年金も健康保険も介護保険もすべて,賦課方式ということをです。

賦課方式ってなにかっていうと,積立方式の対概念です。

まず,わかりやすい積立方式はこうです。


保険加入者が保険料を拠出して,積み立てて,運用して,必要になったら取り崩すという方式です。
$弁護士兼FPのお金と健康に関する「気づき」の話。-積立方式

これに対し,賦課方式というのは,現在支払う必要のある給付金の原資を,今,調達する(賦課する)のです。

ちなみに,賦課とは,税金などを割り当てて負担させることですから,賦課方式というのは,今支払っている年金を現役世代に割り当てて負担させる方式ということです。

$弁護士兼FPのお金と健康に関する「気づき」の話。-賦課方式

例えば,年金は,65歳からもらえますが,この65歳以上の人たちに支払う年金は,64歳以下の現役世代が今支払っている保険料を原資に支払っているのです。

(ちなみに国庫負担は2分の1で,年金原資の半分が保険料。
のこり半分が税金です。これもやばいよ(((( ;°Д°))))


今年金をもらっている人は,昔自分が支払った保険料の積立をもらっているわけではありません。

年金の賦課方式は,別名世代間仕送り方式といいます。現役世代が,今のリタイア世代に2ヶ月にいっぺん仕送りをしているんですね。

さて,賦課方式のまま,現役世代が減る,高齢者が増える,高齢化社会になったらどうなるん?これはまた別の機会に書きましょう。


さて,話を元に戻します。

かように,財政が厳しいので介護給付(=介護報酬の大部分)を増やせないのです

さあ,どうしましょ。

私たちの問題ですよ。

労働者=担い手がいなければ,介護はどうにもなりませんよ。


いま,いろいろ議論されています。

財政規律を無視して,国庫負担を増やすか。

保険料を増やすか。


例えば,混合診療みたいに,保険適用部分と,保険外のサービスをくっつけてしまうことが出来れば,各施設がサービスを充実させて,高額な費用負担できる人には高額サービスを利用してもらい,その儲けを人件費に反映させていくという方法もあると思います。

これは,鈴木亘「財政危機と社会保障 (講談社現代新書)」から頂きました。


外国人の合格を喜ぶのほほんな風景のうらにはこんな重たい話があるのですね。

みんなで考えて,実行しよう。

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