金利の決まる仕組み
住宅ローンの金利について「固定か?変動か?」
将来の金利はどうなるか分かりませんし、迷いますよね。
未来の事は誰にもわかりませんが、しかし金利が決まる仕組みが理解できればある程度の予測は出来ます。
ごく簡単にですが、その仕組みについてお話します。
まず、金利は基本的に「景気」や「株価」「物価」「為替」「債権」というものと連動して決まります。
景気が良くなれば金利が上がる、物価が上がれば金利が上がる、株価が上がれば金利が上がるといった感じですね。
金利が上がりそうな環境になると、そこに大きく関与してくるのが「日本銀行」です。日銀は様々な判断材料から「金利を上げる・下げる」という方針を決めます。
これを「金融政策」といいます。
景気が悪ければ一時的に金利を下げ景気回復を促進し、金利が上昇して危険だとなればそれを食い止めるような策をとります。
日銀は金融市場安定化のために「公定歩合操作」「公開市場操作」「預金準備率操作」を行います。
現在の住宅ローンに関係が深いのは「公開市場操作」なのですが、日銀は「短期金融子市場」のなかの「コール市場」というところでお金を出し入れして金利の操作をします。この操作によって短期金融商品の「金利」が動きます。
一方長期の金融市場が動く要因は、様々な「予想」です。例えば「日銀がコールレートを上げそうだ」と予想されると長期金利は上がります。また、日銀の政策以外にも「物価が上がりそうだ」となるとやはり長期金利は上がります(それら長期金利に基準となるのが長期国債「新発10年物国債」です)
このように短期金利の決定要因としては「そのときの金融政策の影響」が強く、長期金利の決定要因としては「予想」の影響が強いと考えられます。
将来を正確に当てることは出来ませんが、金利が決まる仕組みを知る事で「金利が急上昇するか、否か」ということに対してある程度の予測は出来るのです。
住宅ローンとライフプラン
住宅ローンは高額な借入ですし、期間も長くなりますので、不安になるのは仕方ありませんよね。
誰しも損はしたくないと思いますし。
しかし、20年、30年先のことを正確に予測する事など不可能です。
ですから実際のところ「何が得で何が損か」などは分かりません。
だからこそ損得にとらわれずに、ご自身が納得できる方法を考える事が大事なのです。
住宅ローンに纏わる不安の本質は、「将来安心して暮らしていけるのか?」ということだと思います。
例えば35歳で35年の住宅ローンを組んでしまうと、定年後、老後の年金暮らしになっても支払いが残る計算になります。そんな状況になったら大変と、その1点だけにフォーカスして考えてしまいがちなんですね。
ちなみにせっせと繰り上げ返済をして定年前にローンを完済したとしても、今度は「手元資金で生活していけるかどうか?」という不安が生まれてきます。
「ローンが無くてお金も無い」のと「ローンもあるけどお金もある」のは本質的に変わりありません。
前者なら「ローンが無いという安心感」はありますが、「現金は無い」。後者はその逆ですね。
これは考え方ですが、「ローンが無い」という安心感か「お金がある」という安心感かという事になります。
ただ、手元にお金があるという事は、そのお金を有効に活用する事も考えられるのです。
という事は「キャッシュフロー」がしっかりとしていれば、その不安はある程度解消する事も可能ですよね。
また、「人生の3大支出」といわれる「教育」「住宅」「老後」の中で、ご自身の意思でどうにでもコントロール出来るのは実は「住宅」だけなのです。
「教育」や「老後」は時間の経過の中で抗う事は出来ないという状況になりますから。
ライフプランというのはこういうところで活きてくるものなのです。
ある程度の事がつかめていれば、先も見通しやすくなるでしょう。
私や私の仲間がライフプランの中で特に住宅にフォーカスするのは、「最も大きなお金が動く」ことと、「しかしそれはご自身の考え方一つである程度コントロールする事が出来る可能性がある」からです。
なので、この話はどうしても力が入りますし、長くなるんですよね・・・
理想的なのは、老後に「ローンは無いけどお金がある」という環境を手に入れることです。
少しでも理想に近づけるように考えるのは、実は楽しい作業だったりしませんか?
なのでライフプランを立てるというのは、本来ワクワクするものだと思っていますが、皆さんはいかがですか?
長期固定金利を選んで繰り上げ返済する矛盾
住宅ローンの返済で、今や「常識」の様に言われている「長期固定金利を選ぶ」事とと「繰り上げ返済」
確かに「繰り上げ返済」をすればローンの返済総額は減りますし、利息の節約になる事も事実ではあります。
しかし視点を変えてみると、この「長期固定金利」を選択して「繰り上げ返済」をするという組み合わせは
矛盾
しているとも言えます。
「なんで?」
と疑問に思われる方もいらっしゃると思いますので、少しご説明しますね。
まず 何故長期固定金利を選択するのでしょう?
と聞かれたら
「金利が上昇するから」
という答えが返ってきますよね。
そのあたりのことは以前の記事 にも少し書いてますが、世の中の景気動向を無視してローン金利だけが上昇するという事はありえないことです。
仮に金利が上がったとすれば、低金利(上昇するであろう金利と比較して)に抑えた住宅ローンの返済を優先して繰上げ返済するよりも、運用に回す(例えば日経平均に連動する投資信託でも良いでしょう)方がよほど効果が高いともいえると思います。
「そんなに都合よく資産運用でお金が殖えるとは思えない」というのであれば、それは金利水準がそれほど上昇しないといっているのと同じ事ですから、住宅ローンを長期固定金利にする事にも疑問を持たなければならないはずです。
住宅ローンの金利だけが上昇して、私達の所得水準も、お金を殖やす金利も上昇しないというのは、世の中のお金の流れからすると相当におかしな話ですよ。
金利上昇を見越して長期固定金利のローンを組むのであれば、繰上げ返済などしないでそのお金を運用で殖やすという方が話の筋は通っているのです。
故に「長期固定金利を選んで繰り上げ返済をする事は矛盾」なのです。
もちろんこれが正解などと言うことではありません。
考え方は人の数と同じだけあると思いますが、「世の中の常識」といわれている事に流されてしまって「考える事」を手放さないようにしたいですね。
