ナシーム・ニコラス・タレブ 「反脆弱性」(上・下)を読んだ。
著者は「ブラックスワン」でサブプライムローン危機でその発生と影響について、事前に警告を発していたとして一気に著名となった人物だ。
彼の作品は「まぐれ」「ブラックスワン」「強さと脆さ」について読んできたが、今回の 「反脆弱性」はこれまでの彼の作品と同様難解である。
複雑な数式が用いられているわけではないが、トピックスのユニバースが広くて頭がなかなか追いつかないからだ。
「反脆弱性」については、私は、強いものが実は脆く、壊れるときには大きな被害をもたらすものであると解釈している。
イメージでは地震に対する現代の建築の耐震の考え方あるいは災害に対する考え方に対する批判ととらえている。
現代の建築の耐震の考え方では、地震の揺れに対して耐震基準を高め強固な建築にし揺れを抑えようとしているが、ある一定の値(閾値といってもよいと思うが)を超えると大きな被害が発生してしまう。ところがこれに対してはこうした揺れは想定外としてまたこの揺れに対して基準を高めて対応しようとする。
災害に関しては、予想外の災害(洪水・噴火など)が発生すると、このようなことは想定外としてモニター基準を高めて対応しようとする。
しかしながらこうした「想定外」が発生しないように想定の幅をひろげても、想定を超える閾値がどこにあるかは事前には測定不能であるので、いくら想定の幅を広げても想定外は発生するのである。
いいかえればお題目のように「安全・安心」という言葉を使うが、「安全」のレンジを広げて「安心」を得ようとしても、いくらこのレンジをひろげても無理だといことだ。
その点をこころみると、法隆寺の五重塔はすぐれた建築物だ。
決して強固な建物ではなく、揺れに対してもぐらぐらゆれるといわれているが、一説によればこのゆれが地震のゆれを逃がして倒壊しないといわれている。
(英文ではあるが参考として、https://gizmodo.com/5846501/how-japans-oldest-wooden-building-is-still-standing)








