先日、上野東京都美術館で開催されているブリューゲル展を訪問した。

 

 

ブリューゲルは昨年から「バベルの塔」(東京都美術館)や「ベルギー奇想の系譜」(BUNKAMURAザミュージアム)で展示がされている。

 

今回のブリューゲル展は、時代を広く取り、16世紀のピーターブリューゲル1世から、その息子のピーターブリューゲル2世、ヤンブリューゲル1世、孫にあたるヤンブリューゲル2世、そのヤンブリューゲル2世の子供の世代まで約150年に渡る画家一族の作品が展示されるというものだ。

 

またその作品はプライベートコレクションが中心でほとんど日本初公開という触れ込みである。

 

逆を返せば、著名なブリューゲルの作品はほとんど展示されていないということである。

例えば、ボスの系譜を色濃く反映したピーターブリューゲル1世の作品は、「最後の審判」「金銭の戦い」(どちらもエッチング)位であった。

また農村の風景画も出品されていたが、ピーターブリューゲル1世の作品ではなく、工房で彼の息子達が模倣した作品であろうと思われる。

 

今回インスタグラムでの拡散を狙ってか、一部作品(花等の静物画中心)で写真撮影可としていたが、カシャカシャというシャッター音など絵画をじっくり見たい人にとってはじゃまでしかなかったことを申し添えておく。

 

私はピーターブリューゲル1世のボス風の絵画、あるいは彼の後期の農村画が好みなので、今回の展覧会の評価としてはブリューゲル一族に興味がある人はどうぞというものであった。