時代によるレンズの明るさ | foto-poohのブログ 写真と模型を愛する人へ

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趣味で集めたカメラや模型、模型エンジンについて個人の感想を書いています。

私が子供の頃、父親がスーパーセミイコンタが昔欲しかったんだという話の中で75/3.5という明るさを当時明るいレンズだったと言ったのです。私が3.5は暗いレンズだと発言したら、普通は6.3か明るくても4.5でそれ以上のレンズは当時としては明るいレンズと教えてくれました。確かに蛇腹カメラの時代、高級カメラは3.5を自慢げに宣伝していて中には4.5が付いているものもありました。確かに大型一眼レフの時代は4.5のレンズが付いていれば大体高級機でした。蛇腹のカメラで2.8が付いているものは稀でツアイスもスーパーシックス以外は3.5止まりでした。大型一眼レフで3.5が付いているものは、レンズが大きすぎて明らかにアンバランスです。そんな中でエルノスター1.8は当時の人にどう映ったのでしょう。今でいうと0.9や0.7という大口径レンズに相当和るのかもしれません。フィルム感度も上がりデジタル時代にもなって、飛び抜けた大口径レンズの開発はあまり耳にしなくなりました。フィルム感度が低かった頃は、少しでもレンズが明るい方がシャッター速度を早められて手ブレを防げます。テッサータイプを高級レンズとしていた時代なので、3.5が精一杯だったと思われます。2.8は無理があり性能的にあまり評価が高くはありませんでした。そう考えるとテッサータイプの3.5を高級機に取り付けているのは当たり前で、父親が大口径レンズだと言ったのも理解できました。ローライフレックスが戦前3.5にこだわったのもイコフレックスがテッサー2.8を出したがその後続けなかったのも大口径で高性能を狙うと3.5が1番バランスが良かったのだと思います。新種ガラスはできてからは、テッサータイプの2.8レンズでも高性能なものができるようになりましょた。古いカメラを集めるときにはその時代の大口径レンズがどのくらいの明るさかを理解していると珍しいカメラでも高級機か普及機かの判断ができると思います。ちなみに私がニコマートを買った頃は、中庸レンズがf2クラス、大口径レンズがf1.4、超大口径と言えるのがf1.2のレンズでした。当然私はf 2のレンズで我慢しましたが、性能は1.4より上だというのが世間の評価でした。多分これが蛇腹時代の4.5なのでしょう。時代と共に変化してくる大口径レンズですが、デジタル時代に入りあまり関心がなくなってきているように感じます。現代のフィルム感度なら3.5あれば十分で、使いやすい明るさだと思います。