女性道(女は花であれ) -16ページ目
愛の花
「子どもたちは…見ていた」
11月10日は
娘夫婦の結婚記念日
でもありました
「お父さんとお母さんの様な
夫婦になりたいから
結婚記念日を同じ日に
することに決めたの」
それは
娘が私に言ってくれた
言葉でした
母親としての私には
これ以上に嬉しく
幸せな言葉はありません
私が夫に伝えると
「俺たちみたいに
なれるかなぁ」
と、とても嬉しそうに
笑いました
*
娘たちの挙式が
厳かに行われる中
私は涙が溢れてばかりで
所々しか記憶になく
自分自身の時の半分も
冷静ではなかったように
思います
披露宴が始まり
皆様からの温かい祝福の中
予定通りに進んでいます
ところが突然
会場が真っ暗になったかと
思うと
私にスポットライトが
当てられました
眩しくて何も見えない中
花婿さんの声がして
「お母さん、こちらへどうぞ」
と私は手を取られ
何も分からないまま
席を立ちながら
隣りにいる夫を見ました
すると今まで隣りにいた
夫がいないのです
私は何が何だか分からず
花婿さんに
手を引かれるままに
歩いて行きました
すると
ステージが明るくなって
私はステージへと
促されました
今度は
披露宴会場の入口に
スポットライトが当てられ
優しい音楽が流れて
そこには
大きな花束を抱えた夫が
立っていました
夫は
真っ直ぐに私の方へと
歩いて来ると
花束を差し出して
「これからも
よろしくお願いします」
と言いました
会場に
大きな拍手が沸き起こり
ました…
娘の結婚披露宴に
こんなサプライズが
用意されていたなんて
私はまた涙で…
披露宴をつつがなく終えて
娘夫婦は
急ぎ区役所へ行き
慌ただしく
ハワイへと飛び立ち
ました
帰宅して
熱い珈琲を淹れると
数え切れない程の薔薇の花を
いくつかの花瓶に
生けながら
改めて夫に御礼を言うと
私に内緒で娘たちと
話し合っていたのだと
言います
私は言いました
「私へのサプライズは
いつもステージの上なのね
もう3回目だわ」と。
すると
「4回目も5回目も
まだまだあると思うよ」と
夫は笑って言いました
お揃いの珈琲カップを
洗いながら
また涙が静かに
頬を伝うのでした
˚✧₊♡⁎⁺˳✧༚
私たち夫婦を
一番間近で見ていたのは
誰よりも子どもたち…
*
2021年11月10日
娘の旦那様が
お祝いの食事の後、娘に
「ありがとう。
これからもよろしく
お願いします」と
幼い子どもたちの前で
美しいブーケを渡して
いました♡*
いつも仲睦まじい二人に
私は目を細めながら
拍手をしていました
すると
娘の旦那様は
テーブルの下に
置いてあったらしい
白い袋から
薔薇のブーケを取り出すと
「この花束はお母さんにです
お父さんに代わって」と
言いながら渡してくれました
私は「ありがとう」と
言いながら
泣いてしまいました
愛の花
子どもたちは…
心の目で
その花が
かたい蕾をつけて
少しずつ少しずつ
花ひらく姿を
見ていたのかも知れない
と思いました
*・*・*・*・*・*
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
愛の花
「愛してる…
なんて言わないで」
Rくんたちが用意してくれた
結婚披露宴の二次会
彼と私はライブハウスの
ステージの上で
みんなのkissコールに
うつむく私…
彼が
「いいよ、無理しなくて
いいんだからね」と
言いました
私は彼のその言葉で
「私…大丈夫」
そう言うと静かに
目を閉じました
*.°♡°.*
実はライブハウスの
ステージの上では
恋花
「外された見えない指輪」
の記事の始まりに
この事に触れていました
そして
記事の終わりにも
「嫁ぐ日に」の終わりに
繋がっています
よろしければご覧の上
お楽しみ頂けましたら
嬉しく存じます
(*´︶`*)♡*
2019年3月6日
子どもたちが見守る中
彼は最後の力を振り絞る
ようにして
私の手を握り
「愛してる」と言いました
私は「私も愛してる」
と言いました
すると微笑んで
「ありがとう」と言うと
息を引き取りました
・
・
・
・
・
愛してるなんて
言わないで
愛してるなんて
言っておいて
突然いなくなるなんて
ひどいわ…
そんなの…ひどい
愛してるなんて
そんな言葉いらない
だから
お願い目を開けて
お願いよ…
私は夫に
何度も何度も…
そう言っていたそうです
恋人としての4年間
夫婦としての40年の歳月
私は心に恋の花を咲かせ
夫と共に歩む道で
愛の花を
育んで来たように
感じています
その道での
悲しみも苦しみも喜びも
何一つ余すことなく
全てが愛の花の栄養に
なりました
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
コイバナ
恋花
「嫁ぐ日に」
優しい月明かりの中で
母の心尽くしの愛は
ほのかな薔薇の香りと共に
私の心と体を優しく
包み込んでくれました
そして私は
いつの間にか優しい眠りに
就いていたのでした
*
午前七時玄関のチャイムが
軽やかに鳴りました
私を花嫁に仕上げて下さる
美容師さんのお二人が
お越しになりました
花嫁化粧から始まり
花嫁衣装の着付け
文金高島田の鬘を着けて
鏡に映る私が
次第に花嫁姿になってゆく
もう泣かない…
私は、そう思いました
花嫁の支度が出来上がり
迎えのマイクロバスが
お仲人さんご夫妻
祖父母や親戚の人を乗せて
門の前へと到着しました
私をいつも静かに
優しく迎えてくれたこの家に
感謝の思いを込めて
手を合わせました
お仲人さんに手を引かれ
いつも愛犬のバニーが
走り回っている庭を通ると
家の中からバニーの鳴く声が
聞こえて来ました…
*
十一月十日
挙式は澄み渡る青空の下
神社で厳かに行われました
披露宴のホテルへの移動時
彼とその日初めての言葉を
交わしました
彼「とっても綺麗だよ」
私「ありがとう」
*
披露宴会場に入場すると
1番後ろの親族のテーブルに
父と母の姿が
ありました
両親が並んでいる
私の為に
並んで座ってくれた…
離婚した父と母が並ぶ姿を
しっかりと
目に、心に焼き付けて
両親に深く感謝しました
込み上げそうになる涙を
歯を食いしばり
堪えました…
*
私の友人代表の挨拶で
いつもしっかりしている
M美ちゃんが
スピーチの途中で
泣いてしまいました
彼女の優しい友愛
まるで小さな子どものように
泣いている姿に
駆け寄って抱きしめたく
なりました…
*
白無垢から色打ち掛け
色打ち掛けから
父が成人式にと買ってくれた
紫色の総絞りの大振り袖
そして
お色直しの最後には
母に内緒にしていた
薄いピンクの薔薇のドレスを
着ました
まさか前の日に
薄いピンクの薔薇の花びらの
お風呂を
母が用意してくれるとは
知らずに…
母への感謝の思いで内緒に
選んだドレスでした
そっと母を見ると
母は泣いていました
二時間の披露宴が終わり
拍手をされながら
会場を出る時に
両親の姿を
もう一度だけ…と
振り向きたくなるのを抑え
会場を後にしました
*
Rくんたちが
披露宴の2次会として
夕方からライブハウスを
貸し切ってくれました
彼と2人で予定の時間に
ライブハウスのドアを開けると
いくつものクラッカーが
鳴り響き
そこには
サークルのメンバーと
M美ちゃんたちが…
沢山の拍手に迎えられて
Rくんたちの
バンド演奏が始まりました
彼と私は席に案内され
演奏を見ていました
演奏が終わると
サークルのリーダーが
「Mくん、京子ちゃん
ご結婚おめでとうございます
お二人はステージへ
どうぞ!」と
言いました
私は彼に手を取られ
ステージに上がりました
すると突然照明が消えて
スポットライトが当たり…
リーダーの声で
「さあ!
幸せのkissをどうぞ!」と
すると周りから
エー⁈と言う声や
はやし立てる声が聞こえて
来ました
私は「そんな…」と
思っていると
彼が
「いいよ、無理しなくて
いいんだからね」と
言いました
私は彼のその言葉で
「私…大丈夫」
そう言うと
静かに目を閉じました
*.° ♡ °.*
次の瞬間
キャー!と言う声と共に
拍手が沸き起こり
ました
*・*・*・*・*・*
あなたの色に
染まります
一瞬の内に恋をして
一生をかけて愛を育んで
参ります
それが
私の幸せだからです
女は花であれ
賢く優しい花となれ
**+.° ♡ °.+**
恋は一瞬 愛は一生

