【食文化研究日記】山形県の在来作物と東京レストラン -2ページ目

【食文化研究日記】山形県の在来作物と東京レストラン

在来作物は「お金のための作物」ではなく「命のための作物」。私たちはその作物を中心に携わる生産者、料理人、飲食店、消費者を介しその大切さを発信します。



『 田川かぶ 』

田川かぶ



山形県鶴岡市田川(たがわ)地区で伝統的な焼畑で栽培されてきた。

「田川(たがわ)かぶ」は『100年かぶ』と言われている。

それは、一度収穫したら同じ場所で作られるのが約100年後になるからだ。

焼畑は杉林を伐採し行われる。


杉が成長する100年の間、山は杉の腐葉土によって豊かにされていく。

人々は「田川かぶ」が最も美味しくなるその時まで、

世代を超えてじっと待つのだ。



このように杉を切って、かぶを育て、そして植林するという

循環によって長年栽培されてきた。

しかし、実
は今このサイクルに歪みが生じている。

木材の輸入自由化によって杉の価格が低迷。

そのため、伐採する山が減り、「田川かぶ」を栽培する場所の確保が

難しくなってきているのだ。



在来作物の悲しい歴史のなかで、

人の生活スタイルや経済事情の変化によって絶滅してしまった

種はいくつもある。



在来作物は多様性、文化財的な要素、安全安心など

優れた価値を数多く有している。

その在来作物達を守り発展させることが

食文化の発展にも繋がるのではないだろうか。





『そもそも、在来作物(ざいらいさくもつ)って何だろう?』

在来作物とは


「ある地域で、世代を越えて、栽培者自身が自家採種によって栽培・保存

を続けながら生活に利用されてきた作物」
山形在来作物研究会

定義されている。


どこかとっつきにくい学術的なネーミング。

商業的には必ずしもいいとは言えない。

しかし、このネーミングには種の多様性を保持していきたいという

愛情が込められている。



伝統野菜や伝承野菜はブランド化を目的にして

認定された野菜をさすことが多い。

もちろん、消費者に分かりやすかったり、

ールスをしていくのにはとても有効的で都合がいい。

これを全て否定する気は毛頭ない。


しかし、その一方で認定されなかった作物達はどうなるのか。

商業的な理由で在来作物のなかでさらなる淘汰が行われる可能性が

あるのではないだろうか。



「種の多様性」 色々あるから面白い。



最初は10本の絵具だった。

それが長い年月をかけて何十種類の絵具となった。

それを敢えて元の数に戻すのは、なんだかもったいない気がしてならない。





『 タルト甚五右ヱ門 』

甚五右ヱ門タルト

※写真は本人の許可を得た上で上記の公式サイトから引用しております。


山形県最上(もがみ)地方の真室川(まむろがわ)町にある老舗菓子店

「おかしの平和堂」で提供している在来作物を使った人気のスイーツ。

室町時代から作り続けられてきた一子相伝の在来作物「甚五右ヱ門芋」(じんごうえもんいも)

特有のねばりと、とろりとしたクリーミーな食感。普通の里芋よりも粘りがあり、

しっかりとした芋の味を生かしたお菓子だ。



そもそも、このスイーツを作るきっかけとなったのが平成22年。

パティシエの阿部 陽一が生産者の佐藤 春樹から直接サンプルをもらったことから始まる。

さっそく試食してみるとその作物が持つ個性的な食味に驚かされた。

そして、彼の高い技術とインスピレーションで商品化していった。


また、彼は実際に畑に行き、時には自分で体験し、

生産者と対話しながら伝統的な調理方法や新たなアイディアを取り入れる。

そして、旬の新鮮な食材を調達し、野菜本来のおいしさを活かしながら、

これまでにない新しいスイーツを作り上げていく。



彼は在来作物についてこう語る。

「今まで守られ続けてきた地元の在来作物をスイーツの材料として使用する。

この商品をお土産や贈答品として年間を通して販売することで新たな価値を生み出し、

旬の時期にしか出回らない野菜達の知名度を上げる。この取り組みによって、

在来作物の需要と供給が増えれば生産農家さんの力になれるのではないか」と。



ここには小さな町で芽生えた生産者とお菓子屋のバランスのとれた

美しい「相互依存関係」がある。

お菓子屋は生産者を生産者はお菓子屋を思いやり、互いが恩恵を授かっている。

そして、その美しき「相互依存関係」に消費者は魅かれ買い求めるのではないだろうか。


長年、その土地で作られ続けた在来作物には

人々に「守っていかなければならない」という共感を自然と作り出すのかもしれない。


「共感こそ心を動かす」 


また一つ在来作物の可能性を感じてしまった。

陽一さん&春樹さん

※「おかしの平和堂」 公式サイト

http://www.heiwado-co.jp/
「ニュータイプ」。


「ガンダムシリーズ」に登場する架空の概念であるが、

「宇宙に出たことにより新たな感性を獲得した人」の他、

劇場版 機動戦士Ζガンダム においては「精神的な共感に加えて肉体的な体感を持ち、

それらを隣の人を大事にするために活かすことができる人である」と作者が発言したとされている。


室町時代から続く在来作物『甚五右ヱ門芋』(じんごうえもんいも)の

第二十代継承者『佐藤 春樹』。彼にはそれに近いものを感じる。



彼が行ったこと。まずは、一子相伝でオンリーワンな作物「甚五右ヱ門芋」のブランディング。

そして、商談会やマルシェなどでに積極的に足を運んだ。

もちろん、「甚五右ヱ門芋」の良さを理解してくれるターゲットを絞ってからだ。それにより、

見事に新たな市場を開拓していった。

もしかしたら、これらの一連の活動はセールスの世界においては

極々当たり前なのかもしれない。

しかし、これを農家自身が己の力のみで行うことがどんなに難しいことか。

甚五右ヱ門芋(ふかし)

甚五右ヱ門芋(皮剥く前)


甚五右ヱ門芋(皮むいたら)

※写真は商談会の際の蒸かした甚五右ヱ門芋
きめ細かで繊維質。もっちりとした舌触り。甘みがる。



そして、彼を「ニュータイプ」と考えるのはそれだけではない。

彼は「影響の和」を外に向け中和しながら拡大している。

小学校での体験学習など「食育」活動を行ったり、

自分の作物だけではなく他の在来作物も同時にPRするような取組を

様々な「連携」によって行っている。そう、自分だけの世界に彼はいないのだ。



また、研究心に富んだ農業家を篤農家(とくのうか)と言うのだが、

彼はこれまでの篤農家とは一線を画す「ニュータイプ篤農家」である。

これまでの篤農家は。作物を「どのうように良くしていくか」の研究が中心であったが、

彼は先祖代々受け継いできたものを「どう活かすか」を考えた。

つまり、彼はこれまでの原理原則を転換させ「パラダイムシフト」を行ったのである。



「一子相伝」。私は深く考えたことがある。

作物の多様化と種の保存に対してこれは脆弱なのではないかと。

しかし、彼とやり取りをしていく中でそれは間違いだということに気付かされた。



彼が室町のご先祖様から代々受け継いだ伝えは、私たちが考えるよりもはるかに重い。

それを、彼は覚悟をもって受け入れた。そんな彼であれば、

どんな逆境にもしっかりと守り伝承をしていくに違いない。

そして、彼はさらにその想いを胸に、使命感を持ち、自分の先祖のみならず

全ての先人に感謝し「甚五右ヱ門芋」だけでなく「在来作物」という、

もう一段階高いところを発展させてくれるであろう。


それこそがきっと、先祖(甚五右ヱ門芋)が『佐藤 春樹』に伝承してくれたことだと思う。


佐藤春樹さん




※参考(ニュータイプ)
ウィキペディア:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%82%A4%E3%83%97

※甚五右ヱ門芋についての記事
http://archive.eco-reso.jp/feature/cat1589/20101124_4861.php

※甚五右ヱ門芋の公式サイト「森の家」
http://www.morinoie.com/

※写真は本人の許可を得た上で上記の公式サイトから引用しております。



11月12日 どしゃ降り。

私が楽しみしていたイベント「鶴岡食文化産業創造センター」が企画した、

「おもてなし講座」の第一弾。「感動!鶴岡焼畑ロードを学ぶ」に埼玉からかけつけ

参加してきました。

バス


ちなみに、この企画の目的は人材育成です。

鶴岡にある伝統的な作物(在来作物)を自らが知り、それを求めて下さるお客様へ

正しく事実を伝えられるような人材の育成となります。


こちらのセンターはいつも面白い実のある企画をしてくれます。

すごく参加者、関係者の評価が高いセンターです。


さて、山形県の在来種のかぶは古くから焼畑で栽培されてきました。

また、タネは自家採種を行い先祖代々タネを伝承してきました。

その種類はかぶだけでも20種類を超え、山形県は全国的にかぶ王国として名高いです。

今回はその代表的な4つのかぶ畑を生産者とお逢いしながら巡ってきました。


■藤沢(ふじさわ)かぶ

藤沢かぶ1

藤沢かぶ2


「藤沢(ふじさわ)かぶ」は山形県鶴岡市藤沢地区で栽培されている在来作物のかぶです。

実は、このかぶは絶滅しかけていたかぶでした。


生産者がただ一人守ってきたタネを、必死でリレーし繋ぎました。

また、注目すべき点はこの作物をリレーするために民間の漬物屋や料理人の方々が

携わったことです。

この作物の文化財的な重要性を感じていた方々の手で、

今では一部に出荷できるほど収穫できるほどまで発展しました。

藤沢かぶ5

※写真は生産者の後藤さん。ジョークも上手な方でした。


「藤沢(ふじさわ)かぶ」の特徴は土の部分は白、そこから上は赤紫のツートンカラーです。

食味は上品。優しい甘みと辛みを備えています。

畑で試食させて頂きましたが、生食にも向いていると思いました。

藤沢かぶ3
※かぶ同様、葉も少し赤紫色をしています。

藤沢かぶ4

※焼畑によって焼け焦げた杉の切り株。そこにびっしりと藤沢かぶの緑が生い茂っています。


後藤さんの畑はとっても美しいです。

畑自体が作品でもり、アートのようでした。



■宝谷(ほうや)かぶ

宝谷かぶ2

宝谷かぶ1



「宝谷(ほうや)かぶ」は山形県鶴岡市旧櫛引町宝谷地区で

栽培されている在来作物のかぶです。

一見、「だいこん」のようにも見えますが、葉の形状が「うさぎの耳」のような形をしているので

これはかぶです。※だいこんはギザギザの葉になっています。


「宝谷(ほうや)かぶ」もまた絶滅しかけていたかぶでした。

「藤沢(ふじさわ)かぶ」は業者の方々が中心になって支えたのに対して

こちらは、『宝谷蕪主会(ほうやかぶぬしかい)』という機関を立ち上げ、

一般の方にも出資応援してもらうという手法をとり存続してきました。

この“かぶ主”は一般的な株主と違い配当金ではなく、収穫されたかぶが分配されます。


特徴として「宝谷(ほうや)かぶ」は白い長かぶ。

通常のかぶよりでんぷん質を多く含むため、火を通すと甘くなるそうです。

伝統的な食べ方は「タコ煮」といわれる鍋。

葉のついたままかぶを丸々一本鍋に入れます。

その姿が「たこ」に似ていることからそう呼ばれているそうです。


■温海(あつみ)かぶ

温海かぶ4


「温海(あつみ)かぶ」は山形県鶴岡市旧温海町で栽培されている在来作物のかぶです。

このかぶは温海地区では広く栽培されていますが、重要なタネ採り地域として

古くからそのタネを守り伝承してきたのが、一霞(ひとかすみ)地区です。

この地区は90%以上が「温海(あつみ)かぶ」を栽培しているという驚異的な

かぶ栽培地域です。

加工所6


歴史的には山形県に現存する在来作物のかぶのなかでは

最も古い歴史を持つものの一つです。

今から300年~400年前の江戸時代にはすでにこの地域の特産物であったことが

記録に残されています。


また、その「温海(あつみ)かぶ」の価値は非常に高く、

かぶ18個が米一升に相当する価値がありました。

特徴としては、赤い丸かぶで肉質が良くしまり、甘さと辛さを持っています。

温海かぶ1


今回、見た焼畑のなかで最大の傾斜と規模でした。

温海かぶ2


この広大な焼畑を、なんと阿部さん夫婦二人で作業をこなすそうです。

とても、信じられません。


■田川(たがわ)かぶ

田川かぶ3


「田川(たがわ)かぶ」は山形県鶴岡市田川地区少連寺で栽培される在来作物のかぶです。

このかぶは先述の「温海(あつみ)かぶ」を選抜して育成した在来作物です。


本格的に「田川(たがわ)かぶ」として集荷販売するようになったのは昭和53年。

特徴は「温海(あつみ)かぶ」よりも皮がやや厚く、平べったい形状をしており、

色も赤色が強い赤紫色をしています。


この「田川(たがわ)かぶ」ももちろん焼畑で栽培されるのですが、

そのこだわりはものすごいものがあります。

「田川百年かぶ」といわれ、焼畑に採用される土地は100年に一回のペース

で使用されます。

これは杉の植林が大きく関わっているからです。

当然、その土地は杉の腐葉土が多く栄養度が高い「田川(たがわ)かぶ」を育みます。

食味は辛みが強く、パリッと歯触りがある強い食感。

味に深みがあります。

例えるなら「かぶを凝縮」した感じです。

田川かぶ2

※山深いところで栽培される「田川(たがわ)かぶ」。今年は高温障害にも悩まされたそうです。

田川かぶのきりかぶ



生産者の長谷川さんは「田川(たがわ)かぶ」が一番うまいと語っていました。

田川かぶ1


栽培へのこだわり、「田川かぶ」への愛着がとても感じられた印象的なワンシーンです。


その後、かぶの加工所へ行き、加工工程と生の「温海(あつみ)かぶ」を頂き、

加工所5     加工所2


加工所4     加工所1


加工所3


コミュニティーセンターで写真左の江頭先生の在来作物のかぶの現状の話しを聴いた後に

今日のまとめを参加者約20名全員で行いました。

ふれせん1


それぞれが今回のツアーで感じたことを一人一人が言葉にし発表しました。

ふれせん2



■見えてきたこと(まとめ)
~在来作物のパラダイム~

今回のツアーを通して、在来作物のかぶの凄さを改めて実感しました。

急こう配な斜面で作られる栽培地、栽培方法、土から顔を出す作物の美しさ、生産者の情熱。


しかし、同時にすぐにでも行動しなければいけない大きな問題も感じました。

実は焼畑かぶは共通して、2つの大きな問題を抱えています。


1、高齢化問題

2、林業問題


1は生産者がどんどん高齢化しています。

どの在来作物のかぶを見ても、中心となっている方々は60歳前後の方々です。

これは、そのあとを継ぐ者たちがいないということを表しています。

また、2に関しては経済事情ともいえる外的要因がかぶの栽培を阻害しています。

林業問題


今回のツアーでも美しい焼畑の傍らに利用価値が見出さなかった杉の木が

山積みされていました。

本来であれば、その木が材木として利用されるはずが、十分に利用されていません。

これは、杉の価格が木材の自由輸入化によって暴落し、国内の杉価格が

二束三文になっているからです。

そのため、焼畑地となるはずである杉林は伐採されず、かぶを作付けすることができない

という状況にあります。


つまり、循環型であったかぶ栽培は一転して負の連鎖に陥っているのです。

こういったことも重なり、後継者はどんどん減少し、高齢化しています。


このまま、何も手を打たなければどうなるのでしょうか?


答えは簡単です。


作物は絶滅します。


この在来作物のかぶ達は短くなった今にも消えそうなろうそくです。

今はかろうじて火をともしていますが、

別のろうそくにその火を移さなければその火は消えてしまうのです。


私は、このツアーで一番心に残った言葉としてこれをあげました。

ふれせん3


これは、「宝谷(ほうや)かぶ」の当時最後の生産者であった畑山さんの言葉です。

当たり前の言葉かもしれませんが、これがとても重要だと感じました。


在来作物は現代の貨幣経済という仕組みの中では通用しない作物。

大量生産もできないですし、育てるのも難しい作物です。


つまり、大量生産、大量消費の原理の中では完全な負け組です。

しかし、「多様性」という価値ではどうでしょうか?


一代限りのF1種には多様性はほぼ皆無です。

自家採種を繰り返す、在来作物は古くから選抜育成され多様な種を育んできました。

つまり、このパラダイムのなかでは在来作物こそ食の未来を担っているのです。


また、歴史にも大きくかかわってきた在来作物は「文化財」という価値も備わっています。

文化は学びを与えます。

「食育」という観点からもこの在来作物達は大きな可能性を秘めているのです。


では、在来作物を継承させるための具体的なアクションは何になるのでしょうか?

私はそのヒントが今回の「4大かぶらツアー」にあったと思います。


1、在来作物の価値を見出す

2、在来作物を「食べ支える」仕組みを構築する


1に関して必要なのは、まずは在来作物に対して知ることです。

地元の人などがもっと興味を持ち、知り、発信することが必要です。

このベースがあるからこそ、客観的な価値が付加されるのだと思います。


2に必要なのは、前述した貨幣経済ではない、社会的意義がある仕組み作りです。

それは、自分たちの未来のためにタネをみんなで守るという価値観です。


そして、作物を守りながら学ぶというスタイルの確立も同時に行うことで

お金では買えない食べるという以外の第三の価値を創出するのです。


これはまさに、「宝谷(ほうや)かぶ」は2つを満たした成功モデルでした。

誰かがその価値を見出し、食べ支える仕組みを構築したのです。

ここから得るものは非常に大きいです。



第二回の座学研修で、在来作物の第一人者である江頭先生は今必要な作物に対しての

価値観をこう言葉にしました。


「お金のための作物」


ではなく


「命のための作物」


私は、これが在来作物の正しいパラダイムだと確信してます。

このパラダイムを理解し、「食べ支える仕組み」を構築していきたいと思います。



■あとがき

とても、学びの多かったこのツアー。(二回目の座学も)

生産者さん、江頭先生、一緒に参加した仲間達、企画して下さった

鶴岡食文化産業創造センターさんに感謝!

ピース

イェイ!







10/26(金)に神奈川県藤沢市で行われた、

「やまがた出羽庄内発産直出前便」という産直イベントに行ってきました!

パンフ


このイベントは、地元庄内(しょうない)で採れた農産物や

加工品を直接販売しているイベントです。

入口



イベントは5年前からで、すでに14回目も行われているそうです。

「地方主催イベントでこんなに人気があるのには何かがある。」と思い

じっくり拝見させてもらいました。


まず、野菜好きの私は生鮮野菜に直行。

山形県在来作物(ざいらいさくもつ)の

「藤沢(ふじさわ)かぶ」「温海(あつみ)かぶ」「式部(しきぶ)茄子」

「平田赤ねぎ」「からとりいも」「もってのほか」などの野菜に加え、

藤沢かぶ温海かぶ

式部茄子平田赤ねぎ


「刈谷(かりや)なし」「庄内柿(しょうないかき)」など果実系も充実のラインナップ。

庄内柿&刈谷なし


そして、加工品も在来作物(ざいらいさくもつ)を使った漬物を始め、そばや豆など充実。

もちろん日本酒もあります。

ほぼ全て試食ができるので、全部周るとお腹が満たされるほどでした。

これだけでも、十分遊びにいく価値があると思います。


ただ、私が今回印象的だったのはお米の生産者です。

まずは、井上農場

井上農場


こちらは生産者のご夫婦がいらっしゃって熱心に丹精込めて作った新米をご案内してました。

井上さんは庄内でもかなり規模の大きい農家だそうです。

しかも、通常のルートではなく自分のお米を自分で積極的に流通させています。

「丹精込めたお米をそのまま喜んでくれるお客様に届けたい。」

そんな思いが垣間見えました。

だからこそ、ファンがたくさんいるおいしいと評判なのでしょう。



次に伊藤さん

伊藤さんは28種類の米を作られている方です。

伊藤さん


今回は『ササシグレ』という『ササニシキ』の親にあたるお米を販売していました。

しかし、お米をみると『ササシグレ』の『サ』の字も見当たりません。

ササシグレ


質問すると、農林水産省管轄の産地品種銘柄の設定を受けていないので

品種名を出して売ることができないそうです。

とても違和感を感じます。


お米は本物の『ササシグレ』なのに、その県で認めた品種でないと名を語れない。

通りで、姿を消していくわけです。

『ササシグレ』は、昭和36年には東北地方で第1位の栽培面積を記録してました。

しかし、昭和38年を境にして、ササシグレのこども、「ササニシキ」にその座を譲り、

昭和46年以降その姿は田んぼから姿を消し、

細々と農家の飯米用として栽培されつづけてきました。

現在、ササシグレの栽培面積は不明です。

※クレードル9月号参照


ササニシキは当初から親勝りと評判の稲では有ありましたが、

唯一食味だけは親のササシグレを超えられなかったと、当時を知る多くの人々が懐かしがっています。


伊藤さんがそのお米に熱く語るものですから、迷わず購入し、

早速その晩炊いて食べました。

お米、本当に香りと食味が良かったです。



そのほかにも、在来作物(ざいらいさくもつ)の畑の展示や

からとり芋(畑)


小真木だいこん

平田赤ねぎ(畑)


小学生と保護者を対象とした畑の学校など、都会では体験できないこと

ここでは体験できます。


そして、なんといっても庄内(美人)の女性陣のパワフルさ!

会話しているだけで自然と笑顔にさせてくれます。


スタッフさん




とってもアットホームなイベントでかつ、新しい発見ができ学べる

ただ、特産品を売買するのではなく、その土地の雰囲気を感じ取ることができるイベント。

そんな魅力があるからこそ12年も継続している理由ではないでしょうか。

次回も楽しみです^^



湘南♡庄内



在来作物(ざいらいさくもつ)とはある地域で、世代を越えて、

栽培者によって種苗の保存が続けられ、

特定の用途に供されてきた作物」だそうです。
http://y-recipe.net/より引用

京野菜もそれに該当します。

山形はまさに在来作物王国。

その種類はなんと京野菜にも匹敵するのではと言われています。



庄内(しょうない)地方は交通の便の悪さから陸の孤島と言われていました。

しかし、だからこそ独自に発展し今も数多くの種類が残っているのかもしれません。



実はその在来作物を研究をされ
ている会が山形県にあります。

入会すると、とってもマニアックな「SEED」という研究会誌がもらえます。
(一般小売はされていません。)



もう映画「よみがえりのレシピ」を見てから在来作物に心奪われっぱなしです。

思わず入会してしまいました~^^ 早く読みたいです!

早速ニュースレターが届きました。


在来供物研究会はこちらです。
↓↓↓
http://blog.zaisakuken.jp/lavo?p=list&ca=8

映画「よみがえりのレシピ」はこちらです。
http://y-recipe.net/
山形県鶴岡市旧温海町(あつみまち)。

日本海に面した全国有数の米どころ庄内(しょうない)地方に位置しています。


一霞地図



この土地には全国的にも極めて珍しい 「焼畑農法」 が今も行われています。

そこで育てられているのは在来作物 「温海かぶ」 です。

実は山形県には20種類以上のカかぶが存在します。

まさに、かぶ王国と言っても過言ではありません。



温海地区の中でもその貴重な種の原点があるのは、


一里離れた 「一霞(ひとかすみ)地区」

風景




今回は高校時代の友人に頼み、その畑を見に行かせて頂きました。

この地区のかぶ栽培は全世帯の90%を超える(地元談)という驚異的な数値です。

それだけでも、この地区とかぶが密接に関係していることが分かります。



私は、一般的に温海カブと言われてますが、 「一霞かぶ」  と呼びたいと思います。

なぜなら、そこが原種の存在していた地区だからです。

この貴重な温海カブのルーツは 「一霞(ひとかすみ)」 にあります。

その土地と種を守ってきた方々を尊重したいと思います。

少し話しがずれました、、、



焼畑農法循環型農法の一つです。

山林から出る不要な枝葉や雑草を燃やした時にできる灰を肥料にする

伝統的な栽培農法です。


焼畑ファイヤー



よって、生育の段階では農薬を一切使いません。

安全・安心な野菜です。


葉が虫によく食べられていますが、虫も安心して食べられるという証拠です^^


そして、畑は水はけのよい山の斜面にあります。


急斜面



その場所が最もカブの栽培に適しているからです。

急斜面を登りましたが、かなりしんどかったです。。。。




焼畑のタイミングはちょうど真夏のお盆ぐらいの時期に行われます。

気温30℃を超す猛暑の中、そして火を使う作業ですから

友人が10キロぐらい痩せた気分になると言ってました。


一度焼いた畑は3年~4年に一度のペースで寝かせます。

毎年、同じ場所では栽培しません。

驚いたのが種をまくタイミングです。

焼いたばかりの煙舞う超アッツアツの畑になんと種をまきます。


焼畑けむり




種って強い!



もうひとつ驚いたのは、火が自然に消えるということです。

火は上層部から下に向かっていき、最後には自然と消えるように

計算されているのです。

これも、先祖代々からの知恵のなす技なんでしょうね。


収穫のタイミングは10月から雪が降る12月ぐらいまでです。

10月初めぐらいは間引きのタイミングです。

畑を覗いてみると、小さなカブや写真のように既に収穫サイズになっているカブがありました。

土に埋まったかぶ3

土に埋まったかぶ


色鮮やかな赤紫色。

水に浸すとその鮮やかさは際立ちます。

匂いをかむと一霞(ひとかすみ)カブ独特のツーンとした香りがします。

葉も同じ匂いがしました。


土にうまったかぶ2

ぬいたかぶ




綺麗な小川が近くにあったのでおもわず洗って生で食べましたが、


川でかぶ洗い




これがまたかなり個性的。



赤紫の皮の部分のほうがより味が主張しています。

食べた瞬間は辛みがありますが、あとから苦みもきます。



家に帰って早速カブを切ってみると何とも美しい断面でした。

かぶ断面1

かぶ断面2





家では生ではなくやわらかかくなるまで茹でて食べたのですが、これが旨い!

甘みがかなりありました。そして、甘みのあとに生で食べた時に感じた

辛みと苦みが程良くあります。

食感はジャガイモのようにホクホクでした。



実は、地元の方にお話をきいたのですが、一霞(ひとかすみ)地区では

高齢化と過疎化がかなり進んでいます。

20年後には半分の世帯がなくなるのではと危惧されています。

カブと共に歩んできたこの地区に人が住まなくなるとなると同時に

この貴重なカブも失われる可能性もあります。

何百年も継承されてきたこの文化財ともいうべきものが失われるのは

なんとも悲しいことです。



在来作物は弱い作物です。

病気にもなりやすく、天候にも左右されやすい。

その地区に住む人たちがそんな作物の種を必死で守り継承してきました。

この作物には個性的な味メッセージがぎっしり詰まっていると思います。


在来作物の可能性と新たな価値を見出してくれるのは、

料理人の方々だと思います。


私は、その橋渡しをしたいです。

それが、食文化を発展させる一つの方法だと思っています。



P.S
見学に協力してくれた友人の家の玄関に一霞(ひとかすみ)カブができてました^^

本当に密接な関係なんですね。これからも大切にしたいです。

友人、そして貴重なお話を聞かせてくれた地元の方々、ご協力ありがとうござました!

玄関にかぶ










9/20の渋谷で行われた映画「よみがえりのレシピ」を試写会で

拝見させて頂きました。

この映画はハリウッドのように派手な演出やCGを使っているわけではなく、

有名な役者が出ているわけでもありません。

当然ハッピーエンドでもないし、スカっとする爽快なストーリーでもありません。


ただ、この映画には「人として大切なものは何か」

本質部分に問いかけてくるものがありました。





「種」をなぜ絶やしてはいけないのでしょうか?



それは、人間も動物も作物も同じで「本能」の部分が大きいと思います。

山深いところで生活しているお年を召された女性が唯一の生産者として、

その命が尽きるまで毎年毎年作り続けていたのも、

まさしく「絶やしてはいけない」という本能だったと思います。



人類が合理化によって得たものは非常に大きいです。

飢餓の問題もまだまだ課題はあるとはいえ大きく改善されました。

ただ、それによって失われたものもあります。



その一つが在来作物です。



この映画では「在来作物は文化財」というテロップが出てきます。

これは、作物にいくつものストーリーメッセージがあるということです。

そういった意味では非常に価値のある作物なのです。

この映画では様々な個性的な在来作物一つ一つにそのストーリーを

垣間見ることができます。



在来作物を失うことは文化の証を失うことと同義です。


記録には残りますが、その味は二度とよみがえりません。

そうなれば、もはや想像でフェイクの味をつくるしかなくなります。



私はこの映画をみて、在来作物を単純に食べたいと思いました。

そのためにも、生産者を応援していくことが不可欠であると感じました。

そして、力になりたいとも思いました。

これは、食べたいという「本能」からくる私の純粋な想いです。



感じ方は人それぞれだと思いますが、問題提起されている映画なので

すごくお勧めです。



ちなみに、私はこの映画を見て人生が変わるかもしれないと思ってます^^

※試写会終了後に熱い想いを語る渡辺監督


長文を最後までお読み頂きありがとうござました。


映画「よみがえりのレシピ」予告編
http://www.youtube.com/watch?v=X1j_Qbad8PY


秋葉原駅から徒歩5分ぐらいにあるビストロ ヌー。以前はカフェだったそうです。

友人と二人で行ってきました。


~外 観~
大通りに面したところにあります。壁に葉がおい茂っているのが目印です。

少しだけ階段(10段ぐらい)昇りますが、しんどくないです^^

外観の雰囲気はレストランビストロというよりかはカフェのような感じです。

外観

外観2



~内 観~
カウンターが8席とテーブルが3卓ぐらいの大きさです。やはり、店内もカフェ

ような感じですが、通り側の大きな窓と整理された店内はすっきりした感じです。

また、中央には印象的なお花が置かれています。

こちらは専門の業者が定期的に季節に合わせて用意してくれるそうです。

とても素敵なお花でした。

内観



~料 理~
前菜、メイン、デザートをプリフィックスで食べることができます。

デザートを抜いたら前菜&メインのコースでパンと食後のカフェがついて

1500円とかなりお得です。

前菜は、パテや魚介、季節の野菜やフォアグラお使った前菜4種類から選べ、

メインも肉、魚など4種類から選べます。

今回は前菜に「北海道産キジフォアグラの冷静」と

メインに「サーモンのミキュイ レモンのソース」をチョイス。

前菜はキジフォアグラを練り上げたような状態で、

味は舌触りがとてもよい一品でした。

前菜


メインのサーモンは厚めに切られ、サーモンの油がとってもジューシーで

なおかつ、レモンのソースとの相性がバッチリ。

このサーモンは本当に美味しいです。

meinn


そして、デザートで食べたタルトもしっかりとした味でした。

どのお皿も、シェフのセンスが感じられる盛り付けです。

デザート



ワイン
スパークリングワイン白ワインを飲んだのですが、500円~と超お得。


~サービス~
その日は、満席状態で厨房がシェフ一人で少し心配だったのですが、

手際のいい調理で、遅延なく問題ないタイミングで運ばれてきました。

サービススタッフの女性も感じがよかったです。


~利用シチュエーション~
平日のランチはもちろんですが、休日のランチワインと一緒に過ごすのが

一番合って
いると思います。

店内はすっきりとしたオシャレな空間なのでデートシーンでも問題ないと思います。


~あとがき~
この価格でこの味だったら、通常2,000円オーバーはしていると思います。

秋葉原という立地もあるかもしれませんが、コスパは凄くいいです。

交通費を払っても行く価値があるお店だと思います。


※上記の食事は8月にいったのですが、10月にリピートしてしまいました。

その時の評価も変わらずよかったです。