2つの鍵 第14話 | Vicissitudes de richesse ~七転八起~

Vicissitudes de richesse ~七転八起~

人生、転んでも立ち上あがれば勝つんですよねぇ
だから、転んでも立ち上がるんです
立ち上がって、立ち上がり続けるんです

最初から読む方はここから



その後だった。義父が武を殴ったのは。



「子供を使ってまで子作りをして欲しいと言ってはおらん。


しかも朝食の席で。恥ずかしいとは思わんのか。」



「父さんの方ですよ。


先にもう一人孫の顔が見たいな発言をしたのは。


僕は香にそれを確認したまでです。」



武は殴られた時に切れた唇の血を拭き取りながら、反発した。


武がこの様に反抗の態度を取るのは珍しかった。


義母が義父をなだめるまで時間を要した。


それ程、義父は興奮していた。


反対に武は反抗はしたものの、冷静だった。


だが、一刻もこの家から離れたいと思ったらしく


昼頃には帰ると言い出した。


香はもう一泊したいと駄々をこねたが父達の争いを見て、


何か感じるものがあったらしく、


最終的には大人しく美奈の車に乗った。


武の車に乗らなかったのはいつもの父と違う


何かを感じ取ったからだろう。