■「内定への一言」バックナンバー編


「人生で一番高い買い物は、タダのアドバイスだ」




最近はユニークなニュースが多いです。

15年後には、中高年フリーターが147万人」(そんなもんじゃ済まないだろ)
「国家公務員志望者が20%減少」(税立大学卒業者は公務員志望禁止にしたらいいのに)
社会保険庁が無断で保険料免除手続き」(理解不能の頭脳構造

これらのニュースに共通している社会背景は、「経済教育の不足」ではないでしょうか。


全ての背景に見え隠れするのは、「お金」を甘く見た人々の姿です。「日本人はジョークのセンスがない」なんて海外から言われますが、心配ご無用。


社保庁なんかは、立派に国際水準を満たしすぎたジョークを世界にぶちかます実力があります。世界の人々は、「これが経済大国か?」と、イメージと現実のギャップを不思議に思い、ますますわが国に興味を持って、観光客も増えるかもしれません。



さて、FUNや仕事で僕が教えていることの半分は、「経済知識」だと思いますが、こういう話題で学生さんと話すと、とても勉強になります。


そして、「一番」が好きな学生さんは毎回、「人生で一番高い買い物は何ですか?」と質問してきます。


そういう時、僕は大勢の前では、一応「お約束」通りに、「1番は住宅で、2番は生命保険ですよ」と答えることにしていますが、個別で学生さんと会った時は、「本当の1番」を教えています。


何なんでしょうね?「人生で1番高い買い物」って。


確かに、「一度で購入」という基準で考えれば、住宅の高さは並外れています。教育費も、内容と人数によっては、住宅費を超える可能性があります。保険だって、加入者数や契約内容によっては、数千万円に及ぶことがあります。


「見えるもの」や「値段が提示されているもの」で考えれば、住宅、自動車、学費、保険などは、文句なくトップランクに入る「高い買い物」です。


でも、違います。人生で一番高い買い物は、それらではないのです。

FUN
の学生さんだったら、ちょっと気を利かせて「じゃあ、金利か税金?」と答えるかもしれません。


半分正解です。それらは確かに、家よりも、保険よりも高額です。税金などは、自動車とは比較にならないくらい高いのは、「マネー塾」に参加された方なら、よく分かったことでしょう。



そろそろ答えを明かしましょう。実は、人生で一番高い買い物は、「タダのアドバイス」です。つまり、「値段がない意見」や、「お金を払わなくてよい忠告」ということです。


これほど高くつき、一生にわたって財布や口座からお金を抜き取る「高額商品」は、この世に一つも存在しません。具体的な例を挙げて、「タダのアドバイス」がいかに高いか、検証してみましょう。


例えば、ここに「株式投資」に興味を持っている女子大生がいるとします。動機は「すごそう」、「儲けたい」、「面白そう」といった気持ちだけかもしれません。


しかし、とにかく「自分も勉強して、株で少しは稼げるようになりたい」と思っています。彼女はある日、友達に「ねぇ、株って面白そうじゃない?」と言いました。自分の思っていることが友達にどんな反応を呼ぶか、軽く試してみようと思ったのです。


しかし、友達の答えは「株ぅ~?株ってさ、よく危ないって聞かない?株やる人って、絶対悪い人ばっかりだと思うな。あんた、そんなのやるつもり?」というものでした。


友達に否定的な意見を示された彼女は、さすがに気持ちが揺らいだのか、「そうね。やっぱり危ないよね」と言ってしまいました。

友達は彼女の答えを受け、「そうそう、株なんてやらなくたって、理想の男を見つけて結婚すれば、いくらでも幸せになれるんだからさ。気楽にいこうよ」という言葉をかけてくれました。


彼女は、励まされたのか否定されたのか分からないような気持ちながら、「やっぱり、株はやめとこう」と自分で自分を説得していることを確認しました。


人は、「自分が過去に否定したもの」を認めたがらないものです。その後も彼女は、「株」という字を目にするだけで、「危ない危ない」とか、「いかんね、あれだけは」と念じ、自分の昔の決意を正当化し続けました。


こうして彼女の人生では、「投資」という言葉は無用の外国語になりました。

それでも根が積極的な彼女は、後日また新しい情報を手に入れ、友達に「ねぇ、私、社会保険労務士の資格を取ろうと思うんだけど」と相談してみました。


友達は「社会保険労務士ぃ~?それってさ、あたしの友達のお父さんの妹さんか誰かがやってるらしいけど、儲からないらしいよ。あたし、知ってるもん。社会保険のことを扱う資格だよね」と、冷静に聞けば「無責任・無理解極まりない意見」を返してくれました。

社労士について、簡単な予備知識はあったものの、「儲からない」という一言が気になった彼女は、「そういえば、私も聞いたことがある。お勤めの頃とあんまり収入が変わらない、って話」と言いました。

友達は彼女の答えに満足したのか「そうそう、別に労働基準法とか知らなくたって、それで働いてる人って多いじゃん?社労士って、人の給料とか計算するらしいけど、あたしは自分の給料に関心があるの。なんで人の給料の計算しなくちゃいけないの、って感じ」と付け加えました。

今回もまた一つ、彼女の人生から、「法律」、「保険」、「賃金」、「査定」、「評価」などの言葉が消え去りました。かくして、彼女は学生時代に「やってみよう」と思ったことに対して、「やったこと」が1割以下という、超低打率の学生生活を過ごし、就職活動を迎えました。


当然、自信を持って語れることも、客観的に実力を証明できる財産もなく、選考では「不採用通知」の山が、通販カタログのように積もっていくばかり。結局、一つも内定をもらうことなく、卒業しました。

卒業後も、会計投資、法律、税金、労働基準法、賃金計算、人事評価の知識がない彼女は、ずっと損し続けました。


「世の中おかしい。あたし、こんなに頑張ってるのに、給料が低すぎない?」とストレスがたまった彼女は、その解消のため借金を重ね、エステや趣味に没頭し、全ての収入を使いきる生活を続けました。

職場でも、「ねぇねぇ、部長ってムカつかない?」と言えば、友達は「めっちゃムカつく」と、連帯を確認させてくれる期待通りの答え。


「仕事って、最低限で済ませたいよね」と言えば、「うんうん、やってられないよね、こんな安月給じゃ」という理想の答え。


「あたしもそろそろ出会うかな、運命の人に」と妄想すれば、「厄年も終わったし、今年は勝負だよね」とドラマじみた答え。

「気が合う」って、その時だけは幸せです。しかし「不幸」とは、大抵こういう始まり方をするのだと、愚か者は過ぎ去ってから気付くものです。


そして迎えた30代。期待した「幸運」は一つも起こらず、彼女の30代は「毎年が厄年」という惨憺たる結果に終わりました。しかも、40代を控えて「貯金なし」、「ダンナなし」、「ボーナスなし」の三冠王を達成しそうな勢いです。


彼女は「私の人生って、一体、何だったんだろう」と、遠い昔の大学生活を懐かしんだのでした。

おしまい。

というケースは、社会のあちこちで起こっています。男女問わず。「得られていたはずの収入」が得られなくなるのは、社会のせいでもなんでもなく、「知識と能力がないから」です。


「飽きもせず、損失を垂れ流す」という生活も、社会のせいでも会社のせいでもなく、「知識と能力がないから」です。

「無知」は、かくも過酷な仕打ちを、人生にもたらすのです。危ないのは、株でも先物でも不動産でも起業でもなく、「無知」です。

「火は熱い」という知識がない子供だけ、ヤケドをします。「お金のヤケド」なら、今日もあちこちで起きています。そしてあらゆる「無知」の陰には、必ずと言っていいほど、「消極的な相談相手」がいます。


しかし、そういう人々は「アドバイスだけは積極的」という厄介な性格を持っています。だから、そういう人々の意見を聞くと、さも「私のことを考えてくれてるんだ」と、勘違いしてしまいやすいのです。


貧しく消極的で、「成功」という言葉とは縁のない彼ら、彼女らは、友人や知人が「自分のエリア」から遠ざかったり、自分のプライドを逆撫でする行為を無断で取ることが気に入りません。


だから、友人や知人が「○○に挑戦してみたい」とでも言おうものなら。無料で「したり顔」のアドバイスを提供し、将来に「多額の負債」をこしらえてくれます。

彼らはいつも「親切」です。だって、どんな情報や体験談、噂、評判をあなたに提供しても、決して「1円」のお金すらも要求しないからです。


あなたが「ありがとう」と言えば、「いいのよ、気にしないで」とか答え、大物ぶりを見せ付けて、恩を着せます。


そういうアドバイスに支えられた情報環境に慣れたら最後、あなたは決して、「情報」とか「考え方」という資源に、お金を払わなくなるでしょう。

それはいわば、「新しい知識」や「一歩進むための考え方」が、永遠に入ってこなくなる、ということです。


つまり、「18歳かそこら」の年齢で身に付けた知識や考え方で、一生を生きていかねばならない、ということです。勉強していない大学生の頭なんて、「プロレスごっこの頭突き」くらいにしか、使い道はないでしょう。

「子供のマネーセンスで大人になる」ということは、「抑え方を知らず、使い方しか経験していない」ということですから、鍛えられていない頭脳が判断する「お金の使い道」は、貧困を買い集める以外にない、というわけです。

収入も上がらない。
支出は増え続ける。
働いても報われない。
ストレスばかり貯まり続ける

というふうに、「無料のアドバイス」は人生において、体力や気力が衰えるほど猛威を振るい、その人に遠慮なく襲い掛かっては、あらゆるお金を奪い取っていきます。



「タダほど高いものはない」と、わが国の先人は賢明な格言を残してくれています。しかし、その本質が分かっている人は、学生の中にはほとんどいないなぁ、というのが僕の実感です。

賢明な読者の皆さん。「欲しい本」があれば、自費で買いましょう。身に付けたい知識があれば、お金を払って学びましょう。優れた経営者の講演会や、役立ちそうな勉強会があれば、「有料」でも参加しましょう。


そして同時に「タダ情報」を振りまく人の意見は、心から信頼できる友人をの意見を除いては、徹底的に無視しましょう。

「本当にあなたを思ってくれる人」とは、一体、どういう人でしょうか。それは、「今を一緒に楽しくすごしたい」という付き合い方ではなく、「将来一緒に幸せになりたい」という姿勢で友情を表現し、「厳しいことも敢えて言う」という人でしょう。


そういう場合は、「お金」ではなくとも、「礼儀」や「忍耐」という対価を払っているのと同じです。良き友達とは、本質的な試練を共有できる仲間のことです。

そして、それが「同世代」でない場合は、本を買ったり、講座に参加したりして、有料で情報や知識を求めねばなりません。そして、有料とは「あなたが優位に立つ」ということです。


不満なら、徹底的に文句を言ってもいいし、嫌なら本を捨てても、講座をやめても構いません。そういう「本気」を共有できる環境で学んだことだけが、人生を切り開く実力につながります。


ということで、今日は「無料のアドバイス」が、家より、車より、保険より、大学の学費より高いということが、よくお分かりいただけたと思います。



今日の一冊 「孫子の読み方」(山本七平/日経ビジネス人文庫)

来週から始まる「マネー塾」のテキストをリニューアルしていて、学生さんに紹介する本を10分野で整理・入力していたら、なんと総数が179冊に。しかし、学生が本気になったら、これくらいは卒業までに読めるでしょう。

その中でも、特に数が多いのが、山本七平さんの作品です。氏は一介の出版社経営者で、作家でもあり、評論家かつ、学者です。


僕の憧れとする生き方を実現した方で、昔からほぼ全ての作品を読み続けていますが、今でも書店に行くと、「こんなテーマでも本を出していたのか」とうならされるほど、多芸多才な方です。

その山本さんは、特に日本や中国の古典の解説書を多く出しているんですが、その洞察力や論点は、凡百の評論家とは比較にならないほどユニークで、本質的です。


中でも、最近は日経が氏の著作を文庫で復刻していて、「孫子の読み方」は、戦争や組織論を話題としています。「戦わずして勝つ」で有名な、あの孫子です。

なぜこれを参考図書に選んだかと言えば、経営や人生の極意が詰め込まれている、と感じるからです。リーダーシップや事業に興味がある方は、新刊で書店に売っていますから、一冊手に入れてみてはいかがでしょうか。



今日の質問 「内定から卒業までにやるべきことは?」(福大4年Tさん)

色々ありますが、内定された業界はどの業界ですか?あるいは職種は?就活の時は「志望業界」の研究をすれば、たいていの選考は間に合いますが、仕事だとそれでは不十分です。


取引関係にある業界、競合他社、仕入先、販売先、提携先などの仕組みを学んで「複眼的」な視点を養うほか、特に金融や広告、流通の仕組みを勉強して、事業を広く捉えることをお勧めします。

あと、これは4年生から入部してくる多くの部員にも話していることですが、財務諸表(貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書)も、基礎だけは知っておくと、営業や事務作業で随分役立ちます。

やればやるほど、「内定しただけじゃ、何もできない」という事実が見えてくるでしょう。そうやって不足を知り、適度な緊張感と意欲を保つのが、卒業までに行う「良い準備」だと僕は考えます。まぁ、FUNに来れば、全部できるんですが

■「内定への一言」バックナンバー編


「貧乏人の家には、毎日、自分という泥棒が入る」


他人のお金や財産を盗む「泥棒」は、現代ではニュースにもならないくらいありふれています。大金や貴重品ではなくても、傘や自転車、辞書、本、カバンなどが盗まれたという経験は、誰しも一つくらいはあるかもしれません。


誰か分からない、あの人かもしれない、信じたくない、信じられない盗られた物が何であれ、それを失ったこと以上に悲しいのは、人を信用する勇気に動揺が生じることでしょう。

そのように、自分の家やエリアに押し入って金銭や物品を物色し、失敬する泥棒行為は、憎んでも憎みきれないものですが、不思議と誰も気付かず、恨まない泥棒がいるのは、ご存知ですか?


特に、貧乏な人の家に、頻繁に出入りしているそうです。さらには、財布や銀行口座にも、遠慮なく押し入るそうです。そんな泥棒がいるなんて、信じられませんよね。


いたらすぐに逮捕したいところですが、見えない泥棒なので、捕まえるのは至難の業です。「誰だ!そいつは?」と誰もが不思議に思う泥棒の正体とは?

実は「自分自身」だったのです。

この「自分」という泥棒は、自分しか知らないところに置いておいたお金の場所や金額まで知り尽くし、暗証番号やパスワードすら記憶し、財布の中や口座の中まで押し入っては、ありったけのお金を持っていきます。


手口は完璧で、犯行現場が多種多様にわたり、現行犯で目撃することは不可能なため、警察も逮捕することができません。FBIやCIAに任せても、無理でしょう。


こうして、この厄介な泥棒は、ありったけのお金を使い切った後は、さらにクレジットカードやローンを使わせ、未来のお金まで確実に搾り取っていきます。あなたが防御しても、「だってさ、最近、自分にご褒美あげてないよね?」と言いがかりを付け、あなたの財布からお札を抜き取ります。


「今は勉強しないといけないんだ」と言い返しても、「でもさ、今しか遊べないよ。いいの?」と反論してきます。決して暴力は振るわないという点で、優しい泥棒でもありますが、心理戦には強く、打ち勝つのは、並大抵の努力では不可能です。


こうして、一度も他人を入れたことがない部屋、他人に預けたことのない財布、他人に使わせたことのない口座から、確実に、着実に、お金が抜き取られていく人の、なんと多いことか


FUNマネー塾では、こういう金銭的悪習慣を「貧乏哲学」と呼び、学生時代に一掃してしまおうと勉強に励んでいます。稼ぎを考える前に、使い方と貯め方を訓練せねばなりません。


貧乏神に洗脳されたまま収入が増えても、余計貧乏になっていくだけです。何かと怠慢を正当化し、浪費の誘惑も増えるこの時期、会計センスを鍛え、ドイツ代表チームのような「鉄壁の守備」を固めたいところですね。それができれば、お金持ちにグッと近づけます。



今日の一冊 「新編 言志四録」(井原隆一/PHP)

幕末の儒者・佐藤一斎の言行を記録した古典。古来、政財界のリーダーが愛読し、出処進退の判断を求めた書物としても有名です。


本書はその『言志四録』から500の名言を抜粋し、訳文を付けた解説書です。僕も好きな論語孟子春秋左氏伝十八史略菜根譚などの中国古典の思想をベースに、日本ならではの武士道の考えも合わさり、学生の精神を鍛える鏡となるような、簡潔で力強い言葉が豊富に紹介されています。


言志四録」は小泉総理が就任演説でも引用したことで、ここ数年は関連図書も充実してきました。本書でなくても入門書や解説書は多々あるので、一冊お手元に置いておくといいですよ。



今日の質問 「学生と社会人の違いって?」(西南3年Nさん・女)

「学生と社会人の違い」について、社会人は「学生はいいね」と違いを示したがりますが、それは「稼いでいる(お金)」、「働いている(時間)」という二つの事実を根拠に、そう言っているだけでしょう。


そんなのは、「唯物論」的な区分けに過ぎません。「いいね」と羨ましがりながらも、実は優越感を持っているからこそ、そういう言い方をするのだと思うし、学生もまた、それを真に受けて「社会人はすごい」と思い込んでいるのではないでしょうか。


つまり、多くの社会人と学生は「仕事は勉強より尊い」と思っているのです。

僕はこの意見に反対です。勉強すべき時に勉強するのは、仕事と比べるのは筋違いの「尊い行動」です。そういう勉強ができてこそ、尊い働き方ができます。


元来、両者は比べるものではありません。「嫌だ」と言われる仕事は「強制された行動」です。働かないと食えない、サボると評価に響く、評価が下がると転職で不利になるいずれも外付けの動機ばかりで、「おまえは奴隷か?」と思ってしまいます。


そんな動機でダラダラ働いていても、外見だけはスーツを着ていれば、一応「社会人」には見えます。特に経験がない学生は、スーツだけで大人だと考えます。

しかし、学生の方が、どう考えても社会人より大変でしょう。だって、サボっても誰も止めてくれず、下を求めれば限りなく下の人間が無数にいて、何を言おうと、諦めようと、自分の無為や怠慢を正当化してくれる人もゴマンといます。


自分の意志で自分を動かさない限り、際限なく人間が腐っていく大学とは、恐ろしい場所です。給料や解雇といった外的要因が作用せず、強制されずに自由意志で行動を律するのは、仕事よりよっぽど大変です。


単位を落としたって、損するのは自分だけ。別に顧客や上司が困るわけでもありません。そんな存在は、学生生活にはいません。いわば、「連帯保証人」がいない生活です。

だから僕は、強制されずに学問の課題を選び、空いた時間を勉学に投資し、少ない収入でも節約してやりくりし、誰が評価するともしれない知的好奇心を保ち、知的達成へと努力する学生は、そこらへんの「ニセ社会人」より、よっぽど立派だと思います。


その点、社会人はサボれば会社がクビにしてくれるし、成績が悪ければ「役不足だ」と外してくれるし、失敗すれば収入か地位の減少・低下といった反応があります。つまり、「明確に見える形でのリアクションの中で努力できる」。社会人とは、なんと楽な環境でしょうか。

学生は夢を発信しても、まともに応えてくれる友達は少ないでしょう。どれだけ一生懸命レポートを作っても、感激して評価してくれる教授も少ないでしょう。均質化された人間環境の中で、反応を求めて苦しみ、反応がないだけで、自分を否定してしまうことすら、多々あると思います。


学生とは、なんと辛く、本質的な努力が求められる身分でしょうか。

ということで、「学生も社会人も、別に変わらない」というのが僕の意見です。本当に努力した経験のある社会人は、学生の可能性を尊敬し、その開花をじっと待つ忍耐力があるものです。やっていることは「勉強」と「仕事」で違うように見えます。


しかし、双方が二つの立場において「やるべきこと」である点では、全く同じです。

「違う」と思うと、怠慢や欠落を正当化してしまいかねません。「違い」を求めるなら、それは尊敬と建設的好奇心からなされるべきです。「これが普通なんだ。だから自分も頑張らないと」と考えることから、報われる努力が始まります。Nさん、答えになっているでしょうか?

■「内定への一言」バックナンバー編


「ゴールドラッシュで一番儲けたのは、

金山を掘り当てた人ではなく、バケツとスコップを売った人だ」



今日は続々と選考通過のメールが舞い込み、エントリーシートのメール添削もあって、お昼で携帯の電池が切れかけたスリリングな一日でした(西南まで5分ですが)。


FUNでは今年度から、通常の活動と就活対策を分けました。昨年の春に卒業した大月舞さんがインストラクターとして大活躍してくれているため、僕は今や、知る人ぞ知る「たけのこ受け取り係」


しかし、そろそろ糖尿病になりそうな数になってきたので、今後は「カゴメトマトジュース」でお願いしますね(笑)。



10月から始まったFUN就活コース」に参加してくれた学生さんは、現在までに、延べ304 2月から始まったFUN面接塾」に参加してくれた学生さんは、2ヶ月で延べ329


毎日多くの素晴らしい若者と出会い、自分の本業がどんな仕事だったか、忘れてしまうほどです。それくらい、学生さんと過ごす時間は有意義です。



さて、この春に4年目を迎えるFUNで、発足以来最も人気があるテーマで、かつ、延べ参加人数がトップなのは、ダントツで「経済・財務・会計」関係の講義です。


今日も赤坂ベローチェで、西南のA上さんと、筑女のK田さんに、「お金に関する経営者の発想法」をお話しました。お二人とも大変飲み込みが速く、素直な感性にとても感心しました。


同時に、「こりゃ、間違いなくトップ営業マンだな」と感じました。今日は、FUNでも、就活コースでも、もう何度お話したか分かりませんが、なぜかメルマガで紹介し忘れていた話について書きます。


皆さんは、ゴールドラッシュを知っていますか?アメリカで、19世紀に大規模な西部開拓が行われたのは、誰でも知っていますよね。


「西には金の山があるぞ!」という噂が噂を呼び、新大陸に移動した移民たちが、こぞってGo West!の大移動を行った現象です。原住民にしてみれば、単なる迷惑でしたが、一攫千金を夢見て移民してきた白人たちは、そんなことにはお構いなく、「宝の山」を掘り当てることを夢見て、我も我もと西を目指しました。



さて、肝心の「金」はあったのでしょうか。ありました。ちょっとだけ。掘り当てた人は金山を所有し、「まだ東にいる人」の射幸心を強烈に煽りました。


しかし西に行った人の中で、金を掘り当てた人は5%にもなりませんでした。中には噂を信じ、一生を「穴掘り」に捧げた哀れな人もいるとか。


「もう、カリフォルニアはダメだ」と諦めた人は、さらに西のハワイや日本、中国に行ったのも皆が知る事実で、それはこっち側では「黒船」とか呼ばれています。


つまり、95%は儲からなかった」のです。


しかし、そんな悲喜こもごもの「ゴールドラッシュ」で、笑いが止まらないほど、確実に儲けた人たちがいました。しかも、お目当ての「金の山」を掘り当てた人以上に


「ゴールドラッシュ」なのに、本当の「ゴールド」は、山じゃないところに埋もれていたのです。一体、誰なんでしょう。その「頭がいい人と」は。


それは、「バケツとスコップを売った人」でした。

「ブーム」というのは、ある状態に置かれていた前提が別の前提に向かう巨大な集団心理ですから、そんな熱狂の中では「乗り遅れるな」と周囲と同じことをするのではなく、「みんながやること」を考えて事業化するのが、一番手っ取り早い成功方法です。

では、ゴールドラッシュにおいて「みんながやること」とは、何だったのでしょうか。「金山を掘り当てること」?違いますよね。それは、1割にも満たない人たちでした。


では、「金山の見分け方を講義すること」?これも違いますよね。それは、掘り当てるより、さらに難しいことでしょう。


正解は、「移動すること」とか「穴を掘ること」です。これなら、誰もが確実にやります。やっている本人も考えないくらい、当たり前のことです。


しかも、その人が金山を掘り当てようが、失敗しようが、確実に利益になる。こういう考え方ができる人が、本当に「頭がいい人」です。


ところで、今年の就活は「安定志向」だそうです。毎年ですが。


あの、「人気企業ランキング」とかいう、全く無意味な情報は、「その年の広告宣伝費」と比例しているだけのことで、別に学生がよく企業を知っているとか、仕事を考えている、という意味ではありません。


いっそ、「耳にしたことがある企業ランキング」とでも呼んだ方がよいでしょう。しかも、そのランクは悲劇的です。



株式投資で、「高値の人気株」を買うのは、「カモ」の行動です。株を買う時に、「今の成績」を見て買う人は、いないでしょう。投資家とは、「現状」ではなく「可能性」を買う人のことで、全ての買い物は、「買った時以上に得した」場合に、成功と呼べます。


だから、「現在、売上げNo.1とか、2005年の所得ランキング1位」とか、「業界内知名度No.1とかいう会社に「就職したい!」と思う人は、カモです。



数年後、彼らの愛する社名のように、おそらくその人は、「ゼロックスさん」とか、「ドコモさん」と呼ばれていることでしょう。


その人の名前が田中、斉藤、佐藤でも関係ありません。小島でも大月でも隈本でも関係ない。ただ、「ソニーさん」とか「電通さん」と呼ばれるのみ。社名が大事な人は、苗字は無視して社名で呼んでもらう、お望み通りの人生を送れるわけです。



例えば、ドンキに行けば6,900円」で買えるデジカメを、「これ、○○電機で38,000円で買ったぜ」と言っている人を見たら、「かわいそうに」と思うでしょう。


通販なら18,000円」で買えるジャケットを、「このジャケットね、○○百貨店で万円で買ったの」と言っている主婦を見たら、「なんと哀れな」と同情するでしょう。


同様に、値下がりが始まった株を、「この前、○○株式会社の株を万円で買ったぜ」と言っている人を見たら、「馬鹿じゃなかろうか」と意図を疑うでしょう。


堺屋太一さんの「日本人への警告」(新潮文庫)は、このように「過去」や「現在」と付き合い、卒業時の花形産業を目指して厳しい就職競争を繰り広げ、2030年後、哀れな末路をたどっていく「自称・優等生」の悲劇的な発想方法を時代別に詳しく分析していて、面白い本です。


まさに、「○○業界」や「○○株式会社」という金の山に行けば、「自分も儲かるはずだ」と信じ、悲劇的なまでの無駄と遠回りに人生を捧げた「19世紀のアメリカ人」と、全く同じ精神構造です。


ちなみに、僕は就職が得意です。面接や交渉、説明では、ほとんど負ける気はしません。しかし、その僕の「就職能力」を、僕のために生かせば、おそらく「給料が5~10万円程度高い会社」に入ることが、精一杯でしょう。


僕は、そんな愚かな努力はしないと、皆さんくらいの年齢の時に決意しました。僕は、家庭環境から、失業がいかに怖く、望む仕事ができない人生がいかに辛いか、よくよく味わっていました。


そして、将来「こいつは絶対に幸せにはなれないな」と思う同世代を、腐るほど見て育ちました。つまり、「今の自分から、あるべき自分に向かおうとするゴールドラッシュ(転職・再就職活動)」が起こるだろうな、と察したわけです。


他人が就職で競う時こそ、「バケツとスコップを売りまくる時」。僕は「フリーターの再資産化」というバケツを売りまくりました。そして、笑いが止まらないって、このことなんだと感じました。


もちろん、僕は他人の不幸をカネにする悪徳業者ではありません。大学や専門学校よりはるかに安く、リクルートより遥かに安く、しかも劇的に短い期間で、お客様の問題解決ができる経営者です。


仕事で集積した資金や経験、知識は、無償に近い値段で、さらに若い学生さんたちに、毎週還元しています。25歳なら40万円取る内容を、学生なら「月600円」OKにしたのが、FUNです。


感激したお客様や学生さんたちは、僕が寝ている間も、他のことをしている間も、せっせと僕の宣伝をしてくれ、僕の時間は空き続け、収入は止まることなく増え続けています。


おかげで今や、「週休5日」の身。空き時間はほとんど、学生のために使っています。恐るべしゴールドラッシュ。


「昨日の同窓会で、小島さんのことを全員に話しました」

「小島さんから学んだ考え方を、昨日のスピーチで紹介しました」

「小島さんのメルマガを、最低20人に紹介しました」

「小島さんの携帯アドレスを、5人に教えました」


君たち。昨年から、「個人情報保護法」という法律が施行されたのを、ご存知ないのでありますか「紹介は計画的に」と、あれほど言ったではありませんか


「もういい」と言っても、彼ら、彼女らは聞き入れません。「そんなに、大学で学んでいることはつまらないのだろうか」と、大学を出ていない僕は不思議でたまりません


皆さんも、今流行している会社は、目指さないように注意しましょうね。社名で呼ばれる人生など、奴隷の人生に過ぎません。有望な若者や、本当に頭が切れる若者は、「未来」に就職するものです。


「学生とは、未来からの留学生である」という言葉を以前、何かの本で見かけましたが、「安定志向」とは、「過去からの留学生である」という意味。「老化現象」とでも翻訳したほうがよいでしょう。


あなたは、金山を掘りに行こうとしているのでしょうか?それとも、バケツやスコップを探り当てる眼力を鍛えに行こうとしているのでしょうか?それが分かった時から、就活が始まりますよ。

そして、こういう「当たり前」が、いつも確実に事業になります。地味で誰も目をつけず、規模も小さなものですが、その集合的エネルギーはすさまじく、「金山を掘り当てて得られる利益」とは比較にならないほどの富をもたらします。