■「内定への一言」バックナンバー編
「ゴールドラッシュで一番儲けたのは、
金山を掘り当てた人ではなく、バケツとスコップを売った人だ」
今日は続々と選考通過のメールが舞い込み、エントリーシートのメール添削もあって、お昼で携帯の電池が切れかけたスリリングな一日でした(西南まで5分ですが…)。
FUNでは今年度から、通常の活動と就活対策を分けました。昨年の春に卒業した大月舞さんがインストラクターとして大活躍してくれているため、僕は今や、知る人ぞ知る「たけのこ受け取り係」。
しかし、そろそろ糖尿病になりそうな数になってきたので、今後は「カゴメトマトジュース」でお願いしますね(笑)。
10月から始まった「FUN就活コース」に参加してくれた学生さんは、現在までに、延べ304人。 2月から始まった「FUN面接塾」に参加してくれた学生さんは、2ヶ月で延べ329人。
毎日多くの素晴らしい若者と出会い、自分の本業がどんな仕事だったか、忘れてしまうほどです。それくらい、学生さんと過ごす時間は有意義です。
さて、この春に4年目を迎えるFUNで、発足以来最も人気があるテーマで、かつ、延べ参加人数がトップなのは、ダントツで「経済・財務・会計」関係の講義です。
今日も赤坂ベローチェで、西南のA上さんと、筑女のK田さんに、「お金に関する経営者の発想法」をお話しました。お二人とも大変飲み込みが速く、素直な感性にとても感心しました。
同時に、「こりゃ、間違いなくトップ営業マンだな」と感じました。今日は、FUNでも、就活コースでも、もう何度お話したか分かりませんが、なぜかメルマガで紹介し忘れていた話について書きます。
皆さんは、「ゴールドラッシュ」を知っていますか?アメリカで、19世紀に大規模な西部開拓が行われたのは、誰でも知っていますよね。
「西には金の山があるぞ!」という噂が噂を呼び、新大陸に移動した移民たちが、こぞって「Go West!」の大移動を行った現象です。原住民にしてみれば、単なる迷惑でしたが、一攫千金を夢見て移民してきた白人たちは、そんなことにはお構いなく、「宝の山」を掘り当てることを夢見て、我も我もと西を目指しました。
さて、肝心の「金」はあったのでしょうか。ありました。ちょっとだけ。掘り当てた人は金山を所有し、「まだ東にいる人」の射幸心を強烈に煽りました。
しかし西に行った人の中で、金を掘り当てた人は5%にもなりませんでした。中には噂を信じ、一生を「穴掘り」に捧げた哀れな人もいるとか。
「もう、カリフォルニアはダメだ」と諦めた人は、さらに西のハワイや日本、中国に行ったのも皆が知る事実で、それはこっち側では「黒船」とか呼ばれています。
つまり、「95%は儲からなかった」のです。
しかし、そんな悲喜こもごもの「ゴールドラッシュ」で、笑いが止まらないほど、確実に儲けた人たちがいました。しかも、お目当ての「金の山」を掘り当てた人以上に…。
「ゴールドラッシュ」なのに、本当の「ゴールド」は、山じゃないところに埋もれていたのです。一体、誰なんでしょう。その「頭がいい人と」は。
それは、「バケツとスコップを売った人」でした。
「ブーム」というのは、ある状態に置かれていた前提が別の前提に向かう巨大な集団心理ですから、そんな熱狂の中では「乗り遅れるな」と周囲と同じことをするのではなく、「みんながやること」を考えて事業化するのが、一番手っ取り早い成功方法です。
では、ゴールドラッシュにおいて「みんながやること」とは、何だったのでしょうか。「金山を掘り当てること」?違いますよね。それは、1割にも満たない人たちでした。
では、「金山の見分け方を講義すること」?これも違いますよね。それは、掘り当てるより、さらに難しいことでしょう。
正解は、「移動すること」とか「穴を掘ること」です。これなら、誰もが確実にやります。やっている本人も考えないくらい、当たり前のことです。
しかも、その人が金山を掘り当てようが、失敗しようが、確実に利益になる。こういう考え方ができる人が、本当に「頭がいい人」です。
ところで、今年の就活は「安定志向」だそうです。毎年ですが。
あの、「人気企業ランキング」とかいう、全く無意味な情報は、「その年の広告宣伝費」と比例しているだけのことで、別に学生がよく企業を知っているとか、仕事を考えている、という意味ではありません。
いっそ、「耳にしたことがある企業ランキング」とでも呼んだ方がよいでしょう。しかも、そのランクは悲劇的です。
株式投資で、「高値の人気株」を買うのは、「カモ」の行動です。株を買う時に、「今の成績」を見て買う人は、いないでしょう。投資家とは、「現状」ではなく「可能性」を買う人のことで、全ての買い物は、「買った時以上に得した」場合に、成功と呼べます。
だから、「現在、売上げNo.1」とか、「2005年の所得ランキング1位」とか、「業界内知名度No.1」とかいう会社に「就職したい!」と思う人は、カモです。
数年後、彼らの愛する社名のように、おそらくその人は、「ゼロックスさん」とか、「ドコモさん」と呼ばれていることでしょう。
その人の名前が田中、斉藤、佐藤…でも関係ありません。小島でも大月でも隈本でも関係ない。ただ、「ソニーさん」とか「電通さん」と呼ばれるのみ。社名が大事な人は、苗字は無視して社名で呼んでもらう、お望み通りの人生を送れるわけです。
例えば、ドンキに行けば「6,900円」で買えるデジカメを、「これ、○○電機で38,000円で買ったぜ」と言っている人を見たら、「かわいそうに…」と思うでしょう。
通販なら「18,000円」で買えるジャケットを、「このジャケットね、○○百貨店で○万円で買ったの」と言っている主婦を見たら、「なんと哀れな…」と同情するでしょう。
同様に、値下がりが始まった株を、「この前、○○株式会社の株を○万円で買ったぜ」と言っている人を見たら、「馬鹿じゃなかろうか…」と意図を疑うでしょう。
堺屋太一さんの「日本人への警告」(新潮文庫)は、このように「過去」や「現在」と付き合い、卒業時の「花形産業」を目指して厳しい就職競争を繰り広げ、20~30年後、哀れな末路をたどっていく「自称・優等生」の悲劇的な発想方法を時代別に詳しく分析していて、面白い本です。
まさに、「○○業界」や「○○株式会社」という金の山に行けば、「自分も儲かるはずだ」と信じ、悲劇的なまでの無駄と遠回りに人生を捧げた「19世紀のアメリカ人」と、全く同じ精神構造です。
ちなみに、僕は就職が得意です。面接や交渉、説明では、ほとんど負ける気はしません。しかし、その僕の「就職能力」を、僕のために生かせば、おそらく「給料が5~10万円程度高い会社」に入ることが、精一杯でしょう。
僕は、そんな愚かな努力はしないと、皆さんくらいの年齢の時に決意しました。僕は、家庭環境から、失業がいかに怖く、望む仕事ができない人生がいかに辛いか、よくよく味わっていました。
そして、将来「こいつは絶対に幸せにはなれないな」と思う同世代を、腐るほど見て育ちました。つまり、「今の自分から、あるべき自分に向かおうとするゴールドラッシュ(転職・再就職活動)」が起こるだろうな、と察したわけです。
他人が就職で競う時こそ、「バケツとスコップを売りまくる時」。僕は「フリーターの再資産化」というバケツを売りまくりました。そして、笑いが止まらないって、このことなんだと感じました。
もちろん、僕は他人の不幸をカネにする悪徳業者ではありません。大学や専門学校よりはるかに安く、リクルートより遥かに安く、しかも劇的に短い期間で、お客様の問題解決ができる経営者です。
仕事で集積した資金や経験、知識は、無償に近い値段で、さらに若い学生さんたちに、毎週還元しています。25歳なら40万円取る内容を、学生なら「月600円」でOKにしたのが、FUNです。
感激したお客様や学生さんたちは、僕が寝ている間も、他のことをしている間も、せっせと僕の宣伝をしてくれ、僕の時間は空き続け、収入は止まることなく増え続けています。
おかげで今や、「週休5日」の身。空き時間はほとんど、学生のために使っています。恐るべし…ゴールドラッシュ。
「昨日の同窓会で、小島さんのことを全員に話しました」
「小島さんから学んだ考え方を、昨日のスピーチで紹介しました」
「小島さんのメルマガを、最低20人に紹介しました」
「小島さんの携帯アドレスを、5人に教えました」
君たち…。昨年から、「個人情報保護法」という法律が施行されたのを、ご存知ないのでありますか…?「紹介は計画的に」と、あれほど言ったではありませんか…。
「もういい」と言っても、彼ら、彼女らは聞き入れません。「そんなに、大学で学んでいることはつまらないのだろうか」と、大学を出ていない僕は不思議でたまりません…。
皆さんも、今流行している会社は、目指さないように注意しましょうね。社名で呼ばれる人生など、奴隷の人生に過ぎません。有望な若者や、本当に頭が切れる若者は、「未来」に就職するものです。
「学生とは、未来からの留学生である」という言葉を以前、何かの本で見かけましたが、「安定志向」とは、「過去からの留学生である」という意味。「老化現象」とでも翻訳したほうがよいでしょう。
そして、こういう「当たり前」が、いつも確実に事業になります。地味で誰も目をつけず、規模も小さなものですが、その集合的エネルギーはすさまじく、「金山を掘り当てて得られる利益」とは比較にならないほどの富をもたらします。