日本以外の株式市場が大幅下落となりリスク回避の動きからドルや円が再び上昇に転じました。
欧州ではスペインの7-9月期GDPが5四半期連続でマイナスとなったことや、中銀総裁の発言で財政問題があらためて浮上。欧州株全体が軟調な地合いとなりました。米国では3Mやデユポンといった米国を代表する企業決算が予想を下回ったことやアップル株の下落などでNYダウやナスダックは大幅安となりました。普段では殆ど無視されそうな材料に欧米株式市場は過度な反応を示しました。
NYダウをみると9月のFOMC後に今年高値の1万3600ドル台にのせてからもみ合いが続き上値を抜け切れずに今回の下落。先週のIT関連の決算に続き今週の決算の悪化で失望感が強まったと考えられます。ユーロ円は約半年ぶりの高値を更新した直後に売りが強まるなど他のクロス円も株式市場も同様な動きがみられます。高値警戒感からの振り落しと考えれば、この下落は次の上昇へのステップといえそうです。
昨日はバーナンキ議長が今期で退任するとの一部報道を受けてドル買いが強まりました。今日はFOMCが開かれ、その後の記者会見での発言が注目されます。景気見通しや今後の進退などで市場のセンチメントにも変化が現れそうです。
<ドル円>
80円には実需ベースでの売りが並んでいるとみられ79円99銭で跳ね返されました。ただ、下値も79円70銭までと値幅は極端に狭くなってきました。リスクオフにより安全通貨としてのドルと円が買われる団子状態。ボリンジャーバンドの幅も縮小しており、そろそろ上昇トレンドに放れるとみます。NY株式市場が下落から上昇に転じるときがその時とみます。今日発表の新築住宅販売やFOMCがポイントとみます。予想レンジは80円20銭から79円70銭
<ユーロ円>
スペインの財政問題などユーロのネガティブ材料もありましたが、総じてドルの上昇がユーロを押し下げたといえます。今日はドイツのIfo景気動向やPMI製造業指数が前月から改善すると予想されます。欧州株式市場が底堅い動きとなればNY市場にも影響することになります。
スペインやギリシャ問題は一服しており、調整の売りが終われば再び上値を試す展開とみます。
10月22日の安値103円10銭付近が抜けるかどうかがポイントとみます。
<オージー円>
朝方に付けた82円70銭付近を天井に1円余り下の81円65銭まで下落。このレベルは前日の安値でもあり短期的にみるとダブルボトムを形成。このレベルを下回るようであれば81円まで下押しもありそうです。米ドルが全面高となったことがオージーの下押しの背景でもあり、豪ドルよりも米ドルの動向に注目。上値目途は82円10銭付近。