ブラック・サバスというと悪魔崇拝であるとか邪悪なものをコンセプトにしたバンドであると認識されているかもしれませんが、歌詞を分析してみるとちょっと様子が違うことが分かります。
2ndアルバムの「War Pigs」を日本語に直訳すると「戦争の豚ども」であります。ここで悪とされているのはサタン=悪魔ではなく、世の権力者たちといえます。彼らは自己の私利私欲のため戦争を始め、しかも自身は安全なところから命令するばかりで、実際には一般人に多くの死傷者を出しています。ブラック・サバスはこの権力者を悪として批判しているようにも読めます。
さらに3rdアルバム『Master Of Reality』から「Children Of the Grave」です。この曲に悪魔は登場しませんが「War Pigs」と同じように戦争を悪として厳しく批判しています。タイトルは「墓場の子供たち」であり、悲惨な世の中が続けば子供たちは墓に入ることになってしまう、つまり死に絶えてしまうという意味が込められています。
戦争という悪とそれを推進する権力者という悪を糾弾するブラック・サバスは、悪魔を崇拝するという意味での悪魔主義者ではないのかもしれません。それどころか、「戦争の豚ども」では最後の審判の時に裁きが下るだろうと言っていることを考えれば、実は神の加護を祈る信徒の立場に立っていると言えるかもしれません。
ウチもサバス直系ー
前回イングヴェイ・バンドでは空気扱いされていた「マッツ・レヴィン」も在籍していたスウェーデン出身のドゥーム・メタルバンド「キャンドルマス」です。まさに「ブラック・サバス」の遺伝子ともいうべき、ドロドロに重いリフとダークでドラマティックな歌メロが特徴で、1980年代半ばから活動し、一度解散しながらも現在も活動中のバンドです。
いわゆるドゥーム・メタル/エピック・メタルとも呼ばれるサウンド・スタイルのさきがけとなったバンドのひとつで「オジー・オズボ-ン」が不気味に歌っていた頃の初期「ブラック・サバス」を思わせる、引きずるような曲調に徹しています。
ヴォーカリストがたびたび交代しており、しかもそれぞれ個性的な人ばかりなので、そのたびにサウンドのイメージはちょっと変化してきたのですが、特に全盛期ボーカリスト「メサイア・マコーリン」のコミカル要素あるキャラクターや、左利きのギタリストまで揃えたまさにブラック・サバス直系子孫といえるバンドです。
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今年は月琴の猫神!
化け猫ヴァージョンでいきます。