東京ディズニーシー・マゼランズラウンジ営業終了へ | The Wonderful World of Disney

 

東京ディズニーシー内のレストラン施設「マゼランズ・ラウンジ」が2024年1月31日(水)をもって、営業を終了することが公式ホームページの更新によって明らかとなりました。

 

※レストランで有名な「マゼランズ」が営業終了するわけではありません。

 

スクリーンショット引用元:https://www.tokyodisneyresort.jp/tds/restaurant/food/415/


と言っても、「マゼランズ・ラウンジ」は1/12時点では営業しておらず、2020年7月1日の臨時休園再開後から一度も営業を再開していません。最後の営業は臨時休園前の2020年2月28日でした。

 

スクリーンショット引用元:https://www.tokyodisneyresort.jp/tds/monthly/stop.html

 

 

 

レストラン「マゼランズ」は、東京ディズニーシーのフォートレス・エクスプロレーションというプロメテウス火山のふもとにあるアトラクション施設内にあるレストランで、探検家や冒険家が語り合う荘厳な場所をコンセプトにしています。レストランは2層構造となっており、「マゼランズ」の入り口である2階部分にあるのが「マゼランズ・ラウンジ」となっています。「マゼランズ」の客席は1階部分にあり、「マゼランズ・ラウンジ」の通路を経由して出入りします。下の写真でいう下の階がマゼランズ、上の階がマゼランズ・ラウンジで、今回営業終了することになったのは、上の階を指しています。

 

 

東京ディズニーシーは開園当初、大人向けの第二のディズニーパークとしてオープンしており、東京ディズニーランドとの差別化のため当時からパーク内で酒類が提供されていました。そのため、東京ディズニーシー=お酒が飲めるというイメージを持たれている方も多いかと思います。特に、豪華客船S.S.コロンビア号内にある「テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ」と今回の対象となった「マゼランズ・ラウンジ」は、バーレストランという形でお酒が提供されていたのですが、そこに配置されるキャストは「ソムリエキャスト」というソムリエ資格をもつ専任のキャストが接客・ワインの選定を行っていました。資格手当も出たので、フードサービスキャストから資格を取って移籍された方もいたとか。ワインを取り扱うお店にはソムリエ資格をもつ人を配置することが必須というわけではないらしいですが、単純に市販のワインを一方的に提供するお店と違って、お客さんの要望に合わせたワインを提供できるのが大きく違うところです。ソムリエキャストと顔見知りになる、そんなディズニー好きの酒豪の方もいたくらいです。「マゼランズ・ラウンジ」は予約なく気軽に利用できるレストランとしても知られており、常連客に間では穴場として利用されている方もいたくらいです。

 

残念ながら2024年1月時点では、このソムリエキャストというのがキャスト採用のページにある職種紹介欄から消えており、コロナ禍に入ってからも募集された情報は確認できませんでした。また、「テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ」のメニューを確認する限り取り扱うワインのメニューが限定されているため、ソムリエキャスト自体が廃止された可能性が高いことが読み取れます。臨時休園の影響で資格保有者が離職してしまったor方針が変わってレストラン運用を見直したという都合が考えられます。ワインの提供は続きますが、ワインの選定は廃止されたとみて良いでしょう。つまり、市販のワインを一方的に提供するお店になったということです。

 

なお、2020年10月1日からは東京ディズニーランドでも酒類の提供が開始されており、レストラン施設によってビールやワイン、オリジナルカクテルの設定があります。そのため、東京ディズニーシーじゃないとお酒が飲めないという概念は既に古いものとなっています。東京ディズニーランドはファミリー向け、東京ディズニーシーは開園当初の大人向けからファミリー向けに転換したことを踏まえれば、酒類の提供はランドに合わせて無くすべきでは?と個人的に思うところです。

 

 

また、「テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ」も、開園してから10年くらいは大人なムードがあるレストランでしたが、ここ最近では写真映えを狙う若年層や子連れファミリー客を中心とした利用が目立っており、全体的にガヤガヤした空間へと変わってしまいました。お洒落なバー・レストランというよりは、居酒屋やファミリーレストランのような賑わいがある時もあります。「大人向け」から「ファミリー向け」になったことで、レストランのみならずパーク全体の雰囲気も変わっていきました。修学旅行や校外学習で大航海に出る学校が日本にあるなら別ですが、そもそも豪華客船とかアラビアの王宮など、テーマのある場所に制服JKがいること自体おかしい話です。

 

 

レストラン「マゼランズ」は、パークイベントに応じたスペシャルメニューを提供しており、テレビ番組での紹介で反響があると予約が取りにくくなる傾向があります。臨時休園以降は、「マゼランズ」のみ営業が再開されており、テーブルとイスが置かれているだけの「マゼランズ・ラウンジ」でしたので、改装して「マゼランズ」の拡張をして客席の数を増やすのかなと思われます。2024年4月1日からは「東京ディズニーシー・フード&ワイン・フェスティバル」というイベントが予定されているため、その準備もあるのではないでしょうか。仮に「マゼランズ」の客席拡張であれば、このタイミングで分かることです。

 

 

子供のころ、大きくなったらあの場所でお酒が飲めたらと思っていた学生の方にとっては少し残念なお知らせになったかと思います。東京ディズニーシーの開園と同じ年となる2001年生まれの方は、法律上もパーク内でお酒を飲むことはできても、コロナ禍で営業が再開されなかった「マゼランズ・ラウンジ」という場所でお酒を飲むことは叶わなかったわけですから。正直、お酒が飲めない私にとっては「マゼランズ・ラウンジ」は一度も利用したことがないレストランでして、これといったメニューを把握しておらず、レストランの良さをお伝えできないのですが、また1つ東京ディズニーシーから消える要素があるというのは心痛む話です。既に営業すらしていない中での営業終了宣告でして、数少ないファンにはマゼランズを利用して最後の店内風景を横目に雰囲気を味わっておいてくれという裏のメッセージも感じ取れました。仮にそうだとしても、半月の猶予は短すぎますね。

 

メディテレーニアンハーバーに位置する「ゴンドリエ・スナック」というジェラート屋さんからジェラートのメニューが無くなったのもコロナ禍に入ってからの出来事でした。また、前述した「テディ・ルーズヴェルト・ラウンジ」でも季節のパフェといった定番メニューがあったのですが、いつの間にかメニューからは姿を消していました。質の高かったメロンソーダも、どこぞのファミリーレストランのドリンクバーのレベルまで下がったとか。コストカットを通り越したカット・カットの連続です。

 

雰囲気は昔から変わらずとも、施設の良さをことごとくそぎ落としていく運営スタイルは、かなり強引で強気の姿勢です。別の視点から見れば、東京ディズニーシー開園当初の「大人向け」要素を排除するトドメを刺してきたとも言えます。このブログで多くお伝えしたミシカをやっていた頃が東京ディズニーシーの全盛期だったと考えると、あの時もっとパークを楽しんでおけばよかったと後悔するのみです。日中のハーバーショー(水上ショー)も、現在の運営方針からすると当面は設定されないと言い切れますので...。