小さな星
小さな星は、何億年もただ宇宙に存在していました。ある日、小さな星は願いました。『愛のあふれる星になりたい』ある日、小さな星は、自分の体に小さな池ができていることに気がつきました。小さな池は、どんどん大きくなり、湖になりました。湖は、あふれだして川になり、やがて海ができました。ある日、小さな星は、海の中に生き物が生まれたことに気がつきました。ある日、小さな星は、陸地に生き物が生まれたことに気がつきました。ある日、小さな星は、陸地の生き物の中に、ヒトが生まれたことに気がつきました。ヒトは、心の中に、醜い欲望を持ち、他の生き物を痛めつけました。ある日、小さな星は、ヒトが自分の体をも荒らしていることに気がつきました。小さな星は、悲しくなりました。『なぜ、こんなにも醜い欲望にあふれる生き物が生まれてしまったのだろう』『愛のあふれる星になりたい、と願ったのに・・・』小さな星は、気がつきました。振り子が右に振れるためには、左にも振れる必要があることを。愛を生み出すためには、醜い欲望を学ぶ必要があることを。ある日、小さな星は、気がつきました。ヒトの中で欲望が小さくなり、代わりに、小さな愛が生まれたことを。愛が、小さな星を覆い尽くすほど、瞬く間に広がり始めたことを。