フットハットがゆく! -96ページ目

(第93回)99(クック)

 
 9月9日は99の日。『救急の日』である。ということで、消防署の救急救命士のテレビ取材に、9月9日に行って来た。救急車に乗ってやってくる、あの人たちである。
 心肺蘇生術などの応急手当も簡単に教えてもらった。人口呼吸や心臓マッサージ、AEDによる蘇生法である。最近は、車の教習所でもこの心肺蘇生術を習うそうだが、僕は初めて生で見たので、かなり勉強になった。

 昔、近所の銭湯に行った時、目の前で人がこけて、風呂場の角で頭を打って、血を流して動かなくなったことがあった。僕は救急車を呼ぶように番台さんに伝えた他は、ただおろおろして何もできなかった。その時のことを思うと、やはり少しでも応急手当のことを知っておくことはよい。

 なんでも、救急車を呼んでからその到着まで、全国平均6分だそうである。一方、心臓停止から1分進むごとに生存退院率は7~10%ずつ下がり、6分の頃には40%くらいに下がってしまうらしい。いかに、救急車が来るまでの応急手当が大事かということである。

 応急手当の方法については、今ココで僕が間違ったことを伝えてもいけないし、やはり消防署などの主催する応急手当の講習を受けることをお薦めする。「昔受けたことがあるから知っている」という人でも、医療科学は年々進歩しているから、より新しい蘇生法を知ることをお薦めしたい。

 例えば、先にあげたAEDとは、自動体外式除細動器のことで、医療資格を持たない一般の人でも、最近使用できるようになった。
 除細動器とは、よく医療ドラマで見かける、心臓にドカンと電気ショックを与える機械である。これまで、医療資格を持った者しか使えなかったあの機械を、ほぼ全自動の形で開発されたAEDなら、誰でも使用可能なのだ。
 機械の電源を入れると、いきなり音声ガイダンスが流れる。指示に従いパッドを指定の場所(胸部)にはりつける。あとは自動で機械が心電を計り、電気ショックが必要かどうか判断する。間違って正常な心臓の人に、電気ショックを与えてしまうこともないのである。

「もっと早く除細動器が使用されていたら助かっていたのに…」

 という例はごまんとあるらしい。AEDが消火器並みに普及し、人々がその存在と使用法(ほぼ全自動であって誰でも使用出来るという事実)を知っていることが理想であると、取材した救命士の方がいっていた。

 また、去年から、救急救命士が出来る救命処置に「気管挿管」(気管に直接チューブを挿入し確実に気道を確保する医療行為)が増えた。
 これまでは救命士には出来なかったこの処置を、厚生労働省令の改正により、実施が可能となったのである。しかしそのためには病院実習で30症例の気管挿管を成功させなければならず、病院、そして患者さんの理解と協力が本当に必要であると聞いた。

 医学が進化し、救急処置もどんどん開発、開拓されてゆく。そしてわれわれ一般人が応急手当を試みる知識と勇気が、「救命」という船を前に進めるのだ。

2005年9月16日号掲載 


クック
クック 1728~1779
英国の軍人・探検家。通称キャプテン=クック。
太平洋東回り航路を開拓。諸島の発見・確認など地理上の功績が多い。


追記・・・最近は様々なところでAEDを見かけるようになりました。順調に普及していっているようです。救急=99=クック…人物ダジャレは苦しいですね…(汗)


あなたが助ける!新しい救急蘇生—AED電気ショックがいのちを救う!あなたが助ける!新しい救急蘇生—AED電気ショックがいのちを救う!
(2004/10)
心肺蘇生を広める会たけしま さよ

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