フットハットがゆく! -130ページ目

(第15回)サッカーの笛のタイムは守ろう

 
 サッカーワールドカップ! 今はまだ開幕直前だが、この原稿が紙面になる頃にはグループリーグの熱き戦いは終了し、負ければ終わりの決勝トーナメントが始まっているはずである。若き大将軍、中田率いる我らがジャパンは、まだ生き残っているのか? 死のFグループの結果やいかに?

 前回大会では、僕は妹達と一緒に、フランスまで日本の試合を見に行ったが、今回は残念ながら日本戦チケットは逃した。しかしこの6月は確実に、見たい試合の開始ホイッスルの時間が、僕の生活を束縛するだろう。

 できればテレビで全部見たいけど、日本以外に特に応援したいのは、イングランドである。札幌で行われるアルゼンチンとの試合は、見に行く予定だ。僕自身、中学時代はイギリスに住んでいたし、そういう意味でも馴染みの国なのだ。

 昨年夏、妹が南フランスで結婚式を上げた。旦那は英国人である。結婚式の後、僕達家族はロンドンに移動し、妹のアパートに泊まった。ちょうどその頃、ヨーロッパ予選の終盤で、強豪ドイツと同じ組に入ったイングランドは、非常に苦戦を強いられていた。僕が帰国する前日、予選グループ1位を賭けた独英の直接対決が行われた。

 妹とその旦那&友人らで、パブに行く。イングランドサポーターであふれる店内、もちろん座れるような状況ではない。大好きなフィッシュ&チップスを食べる余裕はなく、ギネスビール片手に、ギュウギュウになって壁のスクリーンに見いる。

 国歌斉唱の後、いよいよ試合開始。アウェイのイングランドは圧倒的に不利だが、どうしても勝たなければならない試合。興奮状態の店内に、なんとドイツのユニフォームを着たサポーターが独りいる。フーリガンの国でたいした度胸だ。

 フーリガンとは対極だが、この国は本来紳士の国だ。開始早々ドイツが先取点を入れて、そのサポーターが大声で歓声を上げた時も、店内はシーンと静まり返っただけで、ケンカなどは起きなかった。

 しかし独サポーターが喜んだのはその一点だけ。首位を争う強国同士には珍しい点差、5対1というスコアでイングランドが大勝した。オーウェンのゴールで同点に追い付いた時の興奮は物凄かった。ハーフタイム直前の逆転ゴールで、店内の温度は最高潮に達し、飛ぶように売れるビールの量に比例して、トイレもだだ混み。

 後半はワンダーボーイのハットトリックなどあり、一方的展開。店内はひたすらお祭り騒ぎ。

 酒好き、サッカー好きの連中と勝ち試合を見る楽しさは、なにものにも変えがたいな。見知らぬおじさんに、
「どうやらイングランドはお前達の国に行けそうだ!」
 と、肩を叩かれる。

 厳しい予選を勝ち抜いて日韓にやって来る全ての国々が、ベストの状態でいい試合ができますように。
 でもジャパンとイングランドには、より頑張ってほしいな。

2002年6月16日号掲載 


坂上田村麻呂
坂上田村麻呂
平安初期の武将。征夷大将軍として蝦夷地を平定。京都清水寺を草創。

追記・・・サッカー観戦というのはもちろん試合会場で観るのが一番なんですが、もしかしたらそれ以上に盛り上がるのがスポーツバーですね。酒の勢いもあるでしょう。飲んで騒いで勝利に酔いしれ、そりゃあもう、応援チームが勝った時は最高です! サッカーの笛のタイムは守ろう = さっかーのふえのたいむはまもろう = さかのうえのたむらまろ = 坂上田村麻呂…強引ですね!(笑)


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