(第35回)ひとやすみ4
うららかな日が続くので、うらうらしたことを書く。ネットサーフィンで仕入れた情報を、脱線と連結を繰り返しながら書く。
先月は京都で「世界水フォーラム」が行われたので、水のことを調べてみた。水が無くなると、人間はだいたい3日くらいで死ぬそうだ。ちなみに、食物がなくなると一ケ月。酸素がなくなると十分で死ぬ。
生きていくために必要なものは、
「愛と勇気と少しのお金」と、チャップリンはいったし、もう少し現実的な人は「衣・食・住」というでしょう。が、それ以前に必要なのは「酸素と水と食物」ということになる。さらに酸素よりも大事なのが「大気圧」で、これがなくなると人間は数秒で死ぬそうだ。こりゃ、愛だのお金だのいってられませんな。
さて、大気圧は置いておいて、「酸素」の話をしてみよう。なくなると十分で死ぬといっても、意識があるのはせいぜい3~4分であろう。僕の息止めベストは、スイミングに通っていた頃の3分。先日計ったら2分しかもたなかった。ちなみに息止めの世界記録は8分6秒(2001年7月の記録)だそうだ。そんな記録を競う物好きな人もいるんだなぁ…と思う人もいるだろうが、ヨーロッパではこの息止めや閉息潜水の競技を「アプネア」と呼び、とても人気がある。ジャック・マイヨールとか、名前くらいは聞いた人もいるだろう(映画にもなった)。
閉息潜水競技にもいろいろあって面白い。ぞくにいう素潜りの世界記録は深度66m。閉息潜水のF1ともいえるノーリミットの競技(特殊な重りを用いて潜降し、浮力ブイを用い浮上する大深度閉息潜水。)の世界記録はなんとなんと、深度162m!(2002年十月の記録)。人間は息を止めて、平安神宮の大鳥居(高さ24・2m)を七個弱つなげた深さまで潜ることが出来るのだ。これはちょっと感動でしょ? 京都タワー(131m)も沈んでしまう深さやで!
1960年代は、人間が生身で潜れる深さは40mが限界、というのが科学者の間では常識であった。これは水圧と内臓の圧迫に関する理論によるものだから、けっこう信ぴょう性があったのだが、現在はその四倍の深さにまで人間はたどり着いている。いかに知識人の常識が当てにならないか、ということの証明である。ちなみに、これも興味深い記録だが、162mという記録はもちろん男子の記録なのだが、女子の記録は160mで、たった2mしか違わない。
水の中、特に海水の中に入ると、人間は意外な適応力を発揮するそうである。肺気腫という病気で、陸上では1分しか息を止めていられないのに、海中では7分以上も息を止めることができたという漁師の記録もある。
水の中には、まだまだ科学者の想像力も及び着かない神秘が眠っているようだ。それらを追究するためには、カナヅチな人はだめだね。頭がカタいのは良くない、という意味です…。
2003年4月16日号掲載

一休 1394-1481
室町中期の禅僧。禅宗の腐敗を痛罵して自由な禅のあり方を主張。
| 追記・・・書いているだけで息が苦しくなるような内容(笑)。160mも潜るって、どんな感覚だろう? |
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