(第86回)二等兵いたぞ!
先日ケーブルテレビの仕事で、京都のとある幼稚園に撮影に行った。女性リポーターが一日先生として、幼稚園のあれこれを体験するという内容だ。
その幼稚園には海外からのお子さんもおられるということで、その子供とたちとコミュニケーションが取れるように、レポーターに簡単な言葉を覚えてもらおう、という演出を施した。覚えなければいけない言葉は、インド、韓国、ブラジルの言葉で、それぞれ挨拶や、数字などごく簡単な厳選10言葉を各国別に調べた。
インドはヒンズー語、韓国はハングル語、ブラジルはポルトガル語と、たったそれぞれ10語を調べただけでも文化の違いを痛感した。
まず、一日の挨拶。日本語では
「おはようございます」
「こんにちは」
「こんばんは」
を朝昼晩で使い分ける。これは、ポルトガル語も同じ。
一方ハングル語は
「アンニョンハセヨ」
で昼夜関係なく挨拶するそうだ。これはヒンズー語も同じで、
「ナマステ」
と挨拶する。この「ナマステ」はとても便利で、なんと「さようなら」の挨拶にも使える。出会いも別れも一つの言葉、というのは一種さわやかなような、あるいは、おおざっぱなような…いや、シリコンバレーを支える世界一、二を争う手先の器用なお国柄、おおざっぱということはあるまい。やはりこれは文化なのだ。
「さようなら」でいうと、ハングル語には二種類あり、去る者に対しては
「アンニョンヒカセヨ」
といい、去る側はとどまるものに対して
「アンニョンヒケセヨ」
というそうだ。「カ」と「ケ」の違いが儒教的な重要な意味を持つらしいが、これも日本にはない「さようなら」の感覚である。
ポルトガル語では「バイバイ」的な感じで
「チャオ」
を使い、「さようなら」を
「アテ・ローゴ」
という。僕は小学生の頃ブラジルに住んでいたので、もうひとつ「さようなら」を教えられた。それは
「アディオス」
という言葉で、スペイン語の「さようなら」にあたる言葉らしいが、ブラジルでは、感覚的にもう二度と会えないであろう場合に使う「さようなら」だと教えられた。なかなか格好いい言葉である。日本でいうならばフーテンの寅さんがよく使う「あばよ!」が近いかな?…どうかな?
さて、そのポルトガル語では男性と女性で言葉が違う場合があり、この感覚も日本人にはなじめない。たとえば「ありがとう」を男性は
「オブリガード」
といい、女性は
「オブリガーダ」
という。
いっぽう、英語などでは男も女もゲイもみな同じ言葉らしい。イントネーションを変えてそれぞれの立場を表現するそうだ。
深く掘り下げて研究したわけではないのにあれこれ話して、間違ったこともいっているかもの我流二流の二等兵さんが僕です。
まぁ、たった数語調べてこれだけ文化の違いが噴出するのだから、世界って広いな~っと単純に思ったのである。
2005年6月1日号掲載

新渡戸稲造 1862~1933
岩手県出身。外国に学び、日本の近代教育につくす。
| 追記・・・内容はともかく、人物ダジャレが酷いですねぇ(笑)。「フットハットがゆく!」では「副題に世界の著名人の名前をダジャレで付け、それにちなんだ表現を文章中に隠す」というアイデアが足枷になることが多く、内容より副題案に時間がかかるというパターンも多々あります(泣) |
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