フットハットがゆく! -102ページ目

(第87回)時好

 
 時好のネタといえばこれしかない。瞬間視聴率は50パーを超えたというジーコジャパンの試合。6月8日、ついにサッカー日本代表のドイツワールドカップ出場が決定した。それも世界中のどの国よりも早く、というおまけつき。ああ、うれしいな!

 さて、ワールドカップの前回大会は日韓の共催だったが、その前はフランスであった。今から7年前、日本が初めてWCに出た大会である。
 このとき僕は妹たちと一緒に観戦ツアーに出かけた。日本の第一戦は南米の強豪アルゼンチン。バティストゥータ、シメオネ、といった世界的有名選手の軍団。フランス南部のトゥールーズの競技場に最初に姿を見せたアルゼンチンチームは、なんと赤のユニフォームを身にまとっていた。赤の上着に黒のパンツ。まるでラグビーの伏見工業高校のようないでたちで、それを見た瞬間、僕はがっかりした。サッカーアルゼンチンと「赤」のイメージがピンと来なかったのだ。
 ところが試合前の練習が終わり、一旦ロッカールームに引き返したアルゼンチン選手が、再び行進曲とともに入場した時には、いつものあの、水色と白のストライプのユニフォームに!…それを見たとたんに全身に鳥肌がたった。あの赤のは単なる練習着であったのだ。アルゼンチンのアルゼンチンたるユニフォームを生で見て、
「ああ、ニッポンもついに世界の檜舞台に立ったのだ!」
 と感動しすぎるほど感動した。

 ちなみにそれから後のことはあまりに興奮しすぎてあまり覚えていない。結果はご存知のように0-1で負けた。負けたらイライラして、国によっては暴れだす観客もいるが、日本人はいたって礼儀正しく、まき散らした青い紙吹雪を、しっかりと拾い集めてゴミを残さず帰った。地元の新聞で、
「試合には負けたが世界一のサポーター」
 と話題になった。ちなみによくテレビ画面に映るジャパンブルーの紙吹雪だが、一切れ一切れは小さなもののように思っていたが、実際は官製はがき大と大きい。熱心なサポーターが、周りの人に配ってくれるのだ。僕は数枚を持ち帰って今でも家の壁に貼って飾ってある。一見ただの青い色紙だが、これにはフランスの思い出がにじみ込んでいるのだ。

 さて、サッカーの試合は一瞬だが、次の試合までは3、4日空く。その間がまた楽しい。いろんな所を観光して、南仏を満喫した。はっきりいって南仏は食べ物がウマイ。景色がキレイ。天気がイイ。美人がめちゃめちゃオオイ!。パリほど人々もすれていないし、超お薦めの観光地である。

 日本の第2戦はフランス中部のナント。とにかく試合会場が暑く、相手もバテバテだったのだが、最後の一押しができず0-1の負け。テレビでは伝わりにくいものの一つに「暑さ」というものがある。いくら「現地の温度は30数度です!」といわれても、クーラーの効いた部屋でテレビ観戦していては、その暑さは伝わらない。熱い熱い会場で熱心に応援しすぎて、何度も目の前が白くなりかけ失神しかけたが、それもまたいい思い出である。

2005年6月16日号掲載 


ジーコ
ジーコ 1953~ ブラジル
サッカー界のスーパースター時代を経て、当時の日本代表監督。

追記・・・ジーコが日本代表監督だったのは2006年のワールドカップまでですから、現在は違います。いろいろ賛否はありましたが、僕はジーコジャパン好きでした。


ジーコ栄光の軌跡ジーコ栄光の軌跡
(2005/09/21)
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