江戸時代にもあった現代に匹敵する猛暑年

 

 現代の日本は、地球温暖化やヒートアイランド(熱の島:都市の気温が周囲よりも高い状態)の影響で過去百年間でも最も暑いと考えられている

ところが、最近の研究によりいわゆる「小氷期」と呼ばれる世界的に寒冷な時期とされてきた江戸時代にも、今と同じくらい暑い年があったことがわかってきた。

気候変動とは単純な気温上昇を指すのではなく、暑さと寒さが交互にやってくることを意味しており、このことを念頭において地球温暖化への対策を進めなければならない。

 

(中略)

 

 1853年の夏のように非常に気温が高いときには、健康や農業への被害が起こっても不思議ではない。

普通に考えれば、冷房や医療技術や物資の流通体制が発達していない江戸時代の社会の方が現代よりも環境の変化に弱いと考えられるからである。

例えば、江戸時代後期の戯作者である滝沢馬琴の「馬琴日記」によると、当時「中暑(ちゅうしょ)」または「霍乱(かくらん)」と呼ばれていた熱中症は庶民に広く認知されていたとされている。

しかし、江戸で大流行したコレラ病による死亡者数の解析は見られても、熱中症の影響を調べた研究は見られない。

農業に関しても同様で、中世や近世における気候変動による農作物への被害は冷害に伴う飢饉がほとんどであり、猛暑による被害に関する研究はあまり見当たらない。

仮に、当時の江戸の人々が猛暑や熱波をものともせずに生活できていたとすれば、温暖化そのもののリスクが低かったか、あるいはそのリスクを最小限にする災害に「強い」社会だったのかもしれない

いずれにしても、効果的な地球温暖化への対策には古気候学や歴史学の知見が必要であり、学ぶべきことは多いと思われる。

 

ニュースでは、連日のように猛暑の話題があがっている。

 

世界中で気温が上がっていて、地球温暖化を防ぐための取り組みが進められている。

 

以前より暑くなっているのは確かだろうけど、もっと長期的に見ないと分からないこともあるなぁびっくり