『身体のホームポジション』  藤本 靖・著

 

 あるがままの身体の状態を観察することをボディワークでは「内部感覚を持つ」と言います。

内部感覚を持つことによって、身体の中の「固有感覚受容器」という感覚 器官が活性化している状態になります。

この感覚器官は筋肉や関節の中にあり、身体の位置、動き、力の働き具合などを感知していて、これが機能しないと身体の状態がわからないため適切な動きを身につけることができません。

ですから、「自立した身体になる」ための身体の意識の仕方のコツとして大切なのは、まずこの感覚器官を適切に活性化することです。

 施術者となって気づいたもう一つ重要なことは、外部感覚器官(目、鼻、口、耳)の使い方についてです。

 施術の直後は余分な身体の緊張がとれ、姿勢も動きも自由になっていても、いざ歩き出そうと、外の空間を見た瞬間に身体が固くなってしまわれる方や、次にお会いした時には施術前の状態に戻ってしまっている方が少なからずいらっしゃいます。 

施術を受けている間は、自分の身体の内側にゆったりと関心を向け、余分な緊張を緩めることができるのですが、実際の生活のなかでこの状態をキープするには、目、鼻、口、耳といった外部感覚器官をうまく使わないと、緊張が生まれてしまうのです。

 こうした感覚器官は、自然の中で一人ゆっくり過ごしていられれば、自然に緩み意識せずともうまく働いてくれるのですが、現代生活は身体にとって刺激が多すぎるため、感覚器官が固くなって、うまく働かなくなっています。 

感覚器官の重要性は多くの場合見過ごされていますが、真に身体のバランスが改善するためには大事で、筋肉や骨などの構造だけを見ていても十分ではありません。

感覚器官をうまく使い、知覚が開かれていることが大切なのです。

 

感覚の働きと身体の状態が密接に関係していることが、書かれている。

 

目や耳と言った感覚器官を緊張させずに使う方法も紹介されていて、参考になる内容がたくさんあった。

 

「感覚が変わる」って面白いな~ニコニコ