『薬剤師は薬を飲まない』 宇多川 久美子・著

 

 副作用のない薬があればいいのですが、残念ながら、副作用のない薬はありえません。
主作用の「効き」が鋭ければ鋭いほど、確実にどこかで副作用が起きていると考えたほうがいいでしょう。

 なぜかといえば、私たちが自然に生まれ出てきたものであるのに対し、薬は不自然に作られた合成品だからです。

 薬の中には石油から合成して作られるものが多くあります。
元をたどれば、プラスチックと同じものから作られているのです。

 小さな子どもが誤ってプラスチックのおもちゃの小さな一片を飲み込んだら、大騒ぎになりますよね。
大騒ぎするのは、プラスチックが人間にとって異物だからです。

 一方、薬はどうでしょう?

 プラスチックと同じ合成品であっても、「薬」という名前がついているから、人の命を救うお医者様が出してくれるものであるから、私たちは何の疑問も持たずに、合成品である薬を飲んでいるわけです。
 

 けれど、「薬」という名がついていても、それが石油から作られた合成品であることに変わりはありません。

 もしも私たちの身体が機械でできていたら、合成品である薬が体内に入っても、うまくなじませることができるのかもしれません。 
 

 でも私たちは自然のものであり、生き物です。
自然のものに不自然なものを溶け込ませることは不可能です。
 

 自然である私たちにとって、合成品である薬は異物。
異物が身体の中でよい作用を及ぼす場合は「薬」としてありがたがられますが、その一方で同じ異物が悪い作用を及ぼせば 「毒」として疎まれます。
 

 つまり、薬と毒は表裏一体。
薬は毒でもあるのです。

 

不調で病院に行ったり、健康診断に引っ掛かったりすると、よく薬が処方される。

 

長期に渡って薬を服用している人や、たくさんの薬を併用している人も多い。

 

身体への影響が大きいものだから、リスクについても知っておかないとなぁキョロキョロ