ステイションまで見送るといいながら、列車に乗り込んできたT子。「一駅くらい一緒に乗ろうよ」、たった15分だけどハネムーン気分になりたいとおもったのかな。一駅だけなら彼女の帰り途はまだ大丈夫だとおもった。


東京24時着の列車、二駅先は遙か東までノンストップ、その日のうちに帰るのは難しくなる。降りるのいやだと言い出すか、そのときははらを決めて連れて行くことにしようか。"帰れない二人"もいいかなとも考えた。


15分後、大きな瞳を潤ませながら「じゃ、またね。」....こんどは列車の中から私が見送ってしまった。いきおいでも、抱きしめてキスしたら二人の運命は確実におおきく舵をきったはず。いまおもえば彼女の賭だったのかもしれない。


あなたと列車に乗ったときには、絶対におろしてはいけないことを私は知ってる。さあ、一緒に乗りこもう。





初めてロケット広場で待ち合わせしたtomoは振り袖姿だった。そう言ってくれたらもう少しめかし込んできたのに。手をつないでデート、おうちまで送った。「和装は着付けも脱ぐのも大変でしょ、着替え手伝いましょか」の冗談に、お母さんちょっとむっとしてた。


音楽専攻でしとやかなtomo、透きとおったこえ、たけの短いスカートがすきで赤よりもブルーがにあう。卒業を控えできるだけたくさんデートしたね。すきよのこえに、こころがふるえた。東へ向けて旅立つことを決めてた私はいつかさらいにこようと決めていた。


雨の季節をまえにして真っ赤な洋傘を贈った。大きく咲いた薔薇のつもりだった。親の決めた縁談、木綿のハンカチーフでは無かったはずなのに、雨ではなくて涙をしのぐのにつかわれた。


私はもうタイミングとスピードも大切だと知ってる。なんの躊躇もなくこころのまま、すぐにあなたを迎えにいくことにしたい。


初めて歩いた夜の東京の高級住宅街、お屋敷が続く、大使館がある。ミスMは高級好きで日本語の発音がちょっとへん。


手足が長くて素敵な容姿、腰の高さが私をとても短足に見せるだろう。柔らかい声、でも強い意志で言葉を綴るとおり、ベットでも激しく迫ってくる。いつもエキサイティングな未来の予感に私を酔わせる。


結局あの国で学んだゆえにそこへ帰っていったね。まるでドメスティックな私は、グローバルな感覚のミスMに惹かれつつも銀色の翼を見送った。とおいくに、とおいむかし。


あなたはどの土地でそだち、学んだだろうか。私と同じこの国でなら、いつまでも一緒にいられるとおもう。そう、いつまでもいっしょにいたいんだ。