こんど同窓会をしようということになった。

遠い昔の同じ部署の仲間たち、仕事ではしのぎを削る関係性なので、

結局仲がよかったのかどうか、でもすてきなライバル。

その中でも男のことと女の子が仲良くなるパターンはたくさんあった。


そのうちの一人だったあいつもくるのかな。

ちょっと楽しみだし、先頃終わったドラマのような展開になることも、

甘い夢としてちょっとだけ。


仙台の七夕祭りは旧暦の8月。ちょっとせつない。

短冊飾りが大きく下がっていて前もまともに見通せない。

まるで二人の先を見通せなかったのと同じよう。

なつがくるたびにあいつと歩いたあの商店街。


決して今の暮らしがいやなわけではない。

なにやらそういうのに憧れる。

ふねの到着をポートアイランドの埠頭で待った。なけなしの路銀、コカコーラを2号車と一つずつ。ふねがみなとに入ってきた。彼女らはここから鉄道に乗り換えるはずなので、車両出口ではなくて、旅客出口で待機。


・・・・・・・・・・・・・・・出てきた。間違いない。かなり遠くから、そのすがた、嬉しさがこみ上げてくる。走り出して抱きついてしまいそうだった。ゆっくり歩いて落ち着けと何度も自答。・・・・・・・・・・・・・・・・・・このふねに乗っているのかどうかさえ不明だったのに、いま目の前に現れてくれた感激。夜を徹して走ってきた甲斐があった!


>はーい、こっちよ。やった、追いついたんやね。<ふねに託した伝言が通じてたようす、”アサ トウチャクフトウデマツ ユキオ”、何かの理由で船に乗れなかったけど、待っていることは伝わっていた。それから再会を喜んで握手しそれまでのいきさつを話した。ポケットの缶コーヒーを渡して飲み歩きしながらスロープを降りた。天候がすぐれないものの、私の単車に乗りたいと言い出した彼女、仲間たちに手を振り京のお家まで乗せていくことになった。2号車も別に帰ると遠慮して言った。帰りしなとはいえ、みんな気持ちはまだまだ旅の途中であった。


残る距離は100km程度あり、時間にして2~3時間。ちょっと楽しいツーリングが続くことになった。夜を徹して走ったカラダは少し疲弊しているはずなんだけど、楽しい気持ちの方が断然勝っていた。途中、神戸洋菓子クラブでチョコパ、財布の底が気になってきたが、そこはもう最後のガソリン代だけを残しておけばよかった。信号ストップ毎に柔らかいふくらみの感触をひそかに背中で味わう。途半分くらいのところでポツポツ雨が降るのかなと感じるようになってきた。早いめにレインウェア着せようと話をしてみたらまだいいという返事。強く降らないでねと祈りながら。




会いたい。どうしてももう一度。今日会えなかったことに、いいようもない切なさと申し訳なさを感じていた。残る手立てはふねの到着点で待つということだけだ。1号車が無事に帰宅したのだからもう気にする必要はないし、あとは残されたお金をどのように使うかと言うことだけ。


瀬戸内を21ノットで航行するふねと、国道を平均時速40kmで走るオートバイ、速度差と走行距離から少し頑張ればこちらの方に利があるとはじめは考えていた。2号車の連れもものみうさん、翌朝8時のポートアイランドに行こうぜという話に乗ってくれた。早速腹ごしらえをしながらざっと計画を立ててみた。ここでの食事に30分、途中の休憩、渋滞時間帯、そしてガソリン屋で給油しながら>>ガソリン屋は深夜でもあいてるのかな>?なんて走行にかかる時間以外にも予定に組み込んでいくと、どうやらぎりぎりかもしれないということがわかった。あとは体力に任せて休憩無し、食事無しでいかねばと言うことになる。


関門トンネルはオートバイの通行料金50円なり、これ以上の高価な有料道路は避ける。でも瀬戸内に沿うみちは、それほど有料道路が整備されている訳ではないけど。地道に東へ進路をとる。おおよその船の位置を見ながら追い抜かれてないことを確認しながら。夜の国道は、いろんなモノが飛んでくる。パチッとシールドを打つ小石、ヘッドライトに飛び込んでくる蛾、一番痛かったのは胸元にカナブンが飛び込んできたこと。時速60kmは出ている国道で正面から甲虫、そして胸元ではじけとても痛い。手で探ると中から身が出ていて潰れている。うわっ。痛いしきしょい。走りながらバイクの上でちり紙を取り出して胸元を拭く。あさ、いろんなモノがヘッドライトやラジエター周りに刺さってたけど、カナブンだけは参った、ゆえにボタンを上までつめて、風が入らないようにした。


ちょうど、明石を通過したところで前方が白んできた。ポートアイランドまでもう少し。