弱音
寂しい。
寂しい。
寂しい。
体調が悪くて、ずっと布団の上に居る。
嫌なことばっかり思い出して、不安なことばっかり考えて、眠剤と酒とちゃんぽんしても全然眠れない。
少し眠っても嫌な夢ばかりみる。
怖い。
怖い。
怖い。
ただ怖くてどこかに逃げ込みたい。
逃げ出したい。
何かしがみつくものが欲しい。
明かりが怖い。
暗いのも怖い。
音が痛い。
光が痛い。
思考を停めたい。
息が苦しい。
ゆっくりと眠りたい。
地震
昨晩も眠剤をたくさん飲んだのに、少しも眠れなくて、明け方ようやく少し眠れるようになったら地震がきた。
僕はヘタレなので、それだけでギャーギャー言うほどパニックになってしまった。
親分は夜勤で、こういう事があった後には物 凄く忙しいはずなのに、一度戻ってきてくれて、それでまた仕事に行って、まだ帰らない。
多分今日は帰ってこないのだと思う。
電気もあるし、水道も、ガスも使える。
どこも怪我をしてないのに、今日はもう動きたくない。
親分が駆けつけてくれたことを喜びたいのに、僕が怪我をしてないか、家の中に異変が無いか、電気やガスや水道が使えるか、それだけ確認してすぐにまた仕事に戻ってしまった事や、それきり何の連絡も無い事を嫌だと思ってしまう自分が嫌だ。
凄く怖かったんだ。
怪我は無いけど、パニックや発作も多分たいしたことは無いと思うけど、でももう少し側にいて欲しかったんだ。
我侭だって分かってる。
分かってるから、自分のダメさ加減が本当に嫌だ。
負けてもいいから笑いたい
木曜日くらいのこと。
ようやく体調も戻りかけて、少し元気がよかった僕は、「お届けものです」の声でうっかり玄関に出てしまった。
本当は誰かが来てもドアを開けないように言われていたけど、親分に申し訳ない気持ちが一杯で、少しでも役に立ちたかったから、荷物を受け取っておいたりできたらいいなと思って玄関に出てしまった。
インターホンとかがあればよかったのかもしれないけれど、親分の家にはそういうのは無くて、それでも一応チェーンを掛けたまま玄関を開けた。
そこには何か箱のようなものを持ったおじさんが立っていて、荷物を渡す為に、書類に名前を書いてサインするかクレジットカードをもって来いという。
もうこの時点で僕は心が折れてしまっていたのだけれど、開けてしまったドアを今更閉めて居留守を使うわけにもいかないので、ゼーゼーしだした呼吸を無視して話を聞いた。
何だかよく分からなくて、代引きとか、そういう事かと思って確認すると、そういう事でもないらしい。
結局10分くらい話を聞いて、ようやくその人が新聞屋さんだって分かった。
新聞は別のところのを取っているし、僕は留守番だって伝えても、新聞屋さんは全然許してくれなくて、それから30分くらい色々言われた。
最初はお願いします、とか、名にをおまけにしますとか、そんなコトを言っていたのが、段々怒鳴るようになって、××新聞を取ってるなんて頭がおかしいとか、うちの新聞を取らないなんてバカだとか、出身校を言えとか、ニート野郎とか、就職できないのは新聞も読んでないからだとか、玄関を蹴ったりしながら怒り始めた。
僕はもうパニックの発作が出始めていて、立ってられなくてゼーゼー言っていたけれど、新聞屋さんはそれでも僕をののしり続けて、結局「使えねぇヤローだな、死んじまえッ!」とか何とか言いながら帰っていった。
もう、ドアなんて開けるんじゃなかった。
でも、僕は勝った。
帰ってきた親分は玄関を開けたことを怒った後で、心配なんだよ、って怒ったことを謝ってくれて、それから新聞屋に負けなかったことを褒めてくれた。
