日本経済新聞 2011/03/03 夕刊 9面 「ニュースな人」
元厚生労働省局長、現内閣府政策統括官。言わずと知れた大阪地検特捜部冤罪事件の村木 厚子氏が登場です。
記事では、人柄・仕事ぶり・これまでの女性としての仕事での苦労などが取り上げられています。
ただ、その辺りは他の書籍・記事でも見ることができるでしょう。
この記事は、政治部 福山記者の思い入れが垣間見える最後のパラグラフです。
「心血を注いだ改正育児・介護休業法の成立は拘置所で知らされた。仕事に戻りたかった。戻らなくてはいけないと思った。なぜなら「間違いは常に起こりうる。失った時間は戻らないが、自分がきちんと原状復帰することで間違いが正される姿を社会に示したい。それが自分のため、人のため、そして検察のためでもある」と考えるから。
自らに降り掛かった苦難さえ公益に昇華する。パブリックサーバント(公僕)の本分である。」
官僚は悪で、官僚を批判するのが正義というような風潮があります。
確かに日本には明治以来官尊民卑の感覚があり、官僚パッシングによりカタルシスを求める感覚もわかりますし、行政の監視という点から目を光らせておく必要はあると思います。
ただ、問題なのはいわゆる「官僚的な」取り組み・判断であり、官僚そのものすべて悪だというわけではありません。
最近の政治やメディアはその辺りが混乱しているように思えます。