京都市役所本庁舎 モダン建築 | foo-d 風土

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 近代建築の巨匠・武田五一が1927年に設計した「フォーチュンガーデン京都(島津製作所旧本社)」を全館案内していただき武田五一を堪能したあと、このクラシックな建物1Fでフレンチをいただきましたが、岐路、ここからすぐ近くにある京都市市役所本庁舎を観に行きました。夜ですから市役所は閉まっているので、外観だけ。

 

 

 今まで京都市役所本庁舎をじっくりと観たことはありませんが、やはり武田五一らしい素晴らしい建物です。

 (意匠は主として嘱託職員であった中野進一が当たり,中野氏の師匠であり,「関西建築界の父」と言われた顧問の武田五一の監修で、1927年(昭和2年)竣工)

 

 ほぼ完全に左右対称で,中央と両翼を突き出させて協調し,さらに塔を建てる形態をもつなど,ネオ・バロック的骨格を有しています。また、細部には東洋的な建築様式を採用しています。

 日本においてネオ・バロック様式は,官庁建築の正統的様式として多くの建築に採用されましたが,現存するものは少なく,関西では京都府庁舎,兵庫県庁舎とともに,本庁舎が挙げられるのみです。

さっきまでいた島津製作所旧本社ととても似ており、同じ1927年(昭和2年)竣工であり、どちらも4階建てで、まるで双子の兄弟のようです。

 

 

 ちょっと違うのは島津製作所旧本社はウイットに富んだ武田五一らしく、部分的にちょっと非対称にした楽しみがありますが、市役所は完全対称。

 次回、市役所は昼間に館内へ入って内装等拝見してみたいと思います。

 

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 武田五一は、初期からレンガ構造に比べると薄くでき、形態の自由度が上がる鉄筋コンクリート構造に着目して活用しており、特に「三連アーチ」「バルコニー」「左右非対称」の三大特徴がありますが、ここでも十分生かされていました。

 いい建物ですね。

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 武田 五一(1872-1938)は、日本の建築家・建築学者。京都帝国大学建築学科創設者で、主に京都大阪等関西で活躍し関西建築界の父といわれる。

ヨーロッパ留学で影響を受けたアール・ヌーボー、セセッション(注)など、新しいデザインを日本に紹介した建築家であり。建築以外にも工芸や図案・テキスタイルデザインなども手掛けた。自身の作品のみならず、京都高等工芸学校(現・京都工芸繊維大学)図案科や京都帝国大学(現・京都大学)に工学部建築学科を創立し向井寛三郎・瀧本義一など多くの後進を育成した。また、神戸高等工業学校(現・神戸大学工学部)の設立にも関与。この他「新建築」創刊も指導した。アメリカの著名建築家フランク・ロイド・ライトを日本に紹介した人物でもある。�武田は生涯166件の作品・デザインを遺しており、京都市役所本庁舎、京都大学時計台、五龍閣(京都市東山区)、 白河院(京都市左京区)、藤井斉成会有鄰館(京都市左京区)、関西美術院、名和昆虫博物館(岐阜市)、国会議事堂プロジェクトなど現存建物も多く残っている。

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 セセッション(ウィーン分離派)」とは、19世紀の歴史絵画や伝統芸術など過去の芸術からの分離をめざし、ウイーンで画家グスタフ・クリムトを中心に結成され、絵画・建築・工芸で、生活や機能と結びついた新しい造形芸術の創造をめざした新進芸術家のグループをいう。

 1890年代末期に始まり、1910年代にかけて行われた新芸術運動で、当時のヨーロッパを席巻したアール・ヌーヴォーの一環です。

 建築では、 平面性を強調すること、直線を多用することで、平面や直線による単純な抽象的構成と、建物のあちこちに幾何学的な、かなり思い切った形の装飾があり、特にエントランス周辺は手が込んでいます。