出雲は日本歴史の一つの原点であり、今までに5度くらい行っていますが、久しぶりの訪問です。
私の旅行は特別な理由がないかぎり、寝てしまえばどこも一緒なので、その地方の一番安いビジネスや旅館に素泊まりして料金をうかせて、食事はその地方で最も美味しそうな店を探して行きますが、今回も出雲市駅近のビジネスホテルです。最近のビジネスホテルは機能も充実しているのでいいですね。
さて、今回は出雲の歴史・文化探訪で2泊するので、2回の夕食は、和と洋に分けて行くことにしました。
人は生まれた土地の空気、大地の中で、その文化の中で、その地方の中で生まれた料理を食べて育ちます。
その地方の自然の中で生まれその地方の文化のもとで作られた料理が何よりも一番美味しい。
そうガストロノミーです。
出雲産の無農薬野菜、天然物の魚で、和と洋に分けて行くことにして、地元のグルメな方から様々な情報を得て、まず良さそうなレストランへ予約の電話しました。
シェフに「魚介類は地物の天然物だけ、野菜も地物の無農薬有機栽培で」とお願いしましたら、こちらはそういう食材しか使わないと言われ、更に一物全体や身土不二など意気投合。楽しみに伺うことにしました。
そのレストランは出雲市街から車で20分くらい西の海岸。神無月の十一月に全国の神様が出雲にきて上陸されるという「稲佐の浜」の近くにあるオーベルジュ。
目の前に日の沈む日本海を見ながら出雲の豊かなオーガニック食材を使った贅沢なイタリアンです。
日本海は夕陽が海に沈むので、子供の頃 故郷の鳥取県で、その美しさを独り占めしたいので浮き輪を持って沖に泳いで行き、夕陽を眺めながら浮いていました。
予約の電話を入れた時に、ちょうど17時半頃に陽が沈むからその頃いかがでしょうと言われたのでその時間で予約。
本来は1Fで食べるのですが、特別に、贅沢な宿泊用の広いロングオープンデッキのある一日一組だけの特別な個室プレジデンシャルアンティークルームへ案内されました。
イギリスの高級アンティーク家具がゆったりと置いてあり、家具も調度品もどれもセンスが良い。
部屋の中央 海に向かってダイニングテーブル。
カトラリーもなかなか味のあるアンティーク。
後で聞きますと、レストラン付きの宿泊施設アルベルゴ(イタリア語)で、この部屋は一泊¥165,000(2名 税込)ということでした。 地方の小さな街なので、値段は抑え気味ですね。
もと皇室関係のところで料理長をされてた方のお店なので、おもてなしも素晴らしいし、食器も素敵、味も美味しい
生憎の曇り空でしたが、海には沈みゆく夕陽の光の道が現れています
さて、
この夕日を見ながら晩餐の始まりです。
飲み物はその都度料理に合わせてお願いすることにしました。
⚫︎まず最初の一杯は海を見ながら最初の一杯はミモザの甘い口付け
スペインのスパークリングワイン
オペラ・プリマ・ミモザ・スパークリング ミモザ
ヨーロッパの春を呼ぶミモザ色をした、太陽を浴びたスペイン産オレンジの濃厚な果実味とワインのブレンドのスパークリング
⚫︎エビのビスク
(クリームベースの滑らかで濃厚な味わいのスープ)
最初の料理 良い味で これからの料理が楽しみ。
テーブルランナーも豪華なエスニック風楽器の刺繍の帯 おばあさまのものだそうです。
自然 放し飼いの自然飼料の合鴨のサラダ
無農薬の10種類の野菜で作ったソース
このソースは旨い!
調理前の大きな黒鮑を持ってこられた
地元の海で取れたまだ生きているもの 海藻まで付いていた
これを今から料理すると。
⚫︎ミスティファイド・シャルドネ
カリフォルニア ナパバレー
グレープフルーツやライムの香り。樽由来のスモーキーさに丁子や干し草の風味。
ちょっと甘いが綺麗な酸味でいい味だ 魚介類によく合いそう
⚫︎生黒鮑の肝と貝柱
三瓶山の山葵 山葵の花
醤油クリーム
ウエッジウッドの皿
プリプリの肝が美味い!
独特の苦味も優しく甘味もある
いい肝だ! 旨い!
⚫︎鮑の肝和え
ワラビがいい演出していてお皿との調和が素晴らしい 美味しい
下に敷いてあるユキノシタも苦すぎずアクもおとなしめで肝ソースによく合う
⚫︎月日貝のパスタ
これもいい味
プリッとしながら柔らかく生臭みも少なくうまく調理してある
これに合わせてシェリーを出されて優しい甘さと優しい酸味が貝の生臭みを消しながらいい感じに終わる。
⚫︎赤ワイン ボルドー のメドック
PÉDESCLAUX2014シャトー ペデスクロー2014
フランス ボルドー メドック ポイヤック フルボディ
10年もので、透き通るような酸味と引き締まった綺麗なタンニンと厚みのある味わい クラシックな赤ワインの味だね これはおいしい
⚫︎ノドグロ 目の前に広がる海岸の浅利 黒鮑 牡蠣 全て地物のアクアパッツァ
これも旨い
それぞれの天然食材が、持てる全てを出してくれた濃厚なソースに絡めて食べる この旨さ。
⚫︎三瓶山の麓で草を食べて育った牛のシャトーブリアン
タラの芽
三瓶山(さんべさん)は大山隠岐国立公園の一部で、島根県で一番高い山 遥か遠い高校生の時 山岳部で登山をしたが、主峰の男三瓶山 (1126m) 、女三瓶山 (957 m)、子三瓶山 (961 m)、孫三瓶山 (907 m)、太平山 (854 m)、日影山 (718 m) の6つの峰がありこれらを5時間かけて縦走していくのだが、標高は大したことないが、山は釣鐘型で傾斜が強く、途中に水場もないために難易度は低くない。
ここでも美味しい牛が育っているのだ。
さらっとした良い味 牛も個体差があるから他のものはわからないが、この三瓶山牛はシャトーブリアンでもおいしいいほうだね。
⚫︎デザートワイン
Château Nauton Sauternes2019
シャトー ノートン ソーテルヌ 貴腐ワイン
アンズやトロピカルフルーツ、ハチミツの香りと甘さ いい味わい。
少しリッチで濃密なクリーミーな感じ。
⚫︎デザート
オーナーと様々会話しながら食事は進んで行きました
食後も含めて
料理の話、家具の話 カトラリーの話 芸術の話、食全般の話と話は進み
気がついたら23時 17時半にきて5時間半も滞在してしまいましたが、とても楽しい時間でした。
次回 出雲へ行く時はまたお邪魔しようと思います。
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Mare Dorato Ristorante Italiano
〒699-0751 島根県出雲市大社町杵築西赤塚1648−2
0853258172