中距離以上の3歳牝馬限定戦ってだいたいスローペースになるよね、と思っていてやっぱりその通りになったんだけど、なんか思ってたのとは全然違う形になった気がするフローラSではあった。
最初、スローの前残りを意識してキミノナハマリアに本命を打って、対抗にソーダズリング、この2頭から展開的に向きそうなタイプにバラバラと流す、そんなことを考えていたのだけど、どうしてもキミノナハマリアの鞍上が不安で本命にしきれなかった。
結局、不本意ながらも1番人気のソーダズリングからのワイド流し5点を買って、結果それが正解だったのだけど・・・
なんか釈然としないというか、なんだかなあと思ってしまうのは弟の鮫島克駿は覚悟を決めた大胆な騎乗を見せるのに、兄貴の良太はどうしてこうもパッとしないのかということなのだ。
おそらくキミノナハマリアかゴールデンハインドの逃げ争い、そしてあの並びならおそらくはキミノナハマリアがハナに立つんじゃないか、そんな想像をしていたがスタートで負けたのはともかく、最内を逃げるゴールデンハインドとの間にさらに1頭挟んで3番手の外を回してるのを見て、あ~やっぱりコイツじゃダメなんだなと思ってしまったよ。
対して弟・克駿のブライトジュエリーは1番枠から最内をロスなく行って、あとは前が開くかどうかに賭ける腹をくくった騎乗で3着。惜しくもオークスの優先出走権は逃したが、こういった騎乗をしていれば近い将来G1にも手が届くのではないか、そう思わせる騎乗をしていた。
キミノナハマリアは今回の出走メンバー中で唯一の2勝馬、能力が圧倒的に足りないとは思えないし、馬券内とは言わないまでもせめて掲示板くらいはあっても不思議ではなかっただろう。同じ兄弟でどうしてこうも違うのだろうか。
弟・横山武史の活躍に刺激を受けて活躍の目立つようになった横山和生のように、鮫島良太も弟に負けじといい騎乗を見せてくれるようになるといいのになあと思っているのだが、今のままではなかなか浮上してくることはなさそうだ。
横山和生が弟・武史のG1勝ちに触発されて成績を上げたように、鮫島良太も弟・克駿がG1を勝つまでは浮上してこないのだろうか。
もっとも横山和生には、武史にエフフォーリアというお手馬がいたがためにタイトルホルダーの手綱が回ってきたという僥倖もあったおかげではあるが、しかしそのチャンスをキッチリと活かして今に繋げているのだということは中堅どころで伸び悩んでいるジョッキーたちはよくよく噛みしめてほしいなと思うのだ。
勝ったゴールデンハインドは5年目・菅原明良が躊躇うことなく逃げを打ったことで能力をフルに発揮。
2戦目の未勝利戦を逃げ切り勝ち、3戦目の芙蓉Sも逃げて2着を確保、逃げればしぶとい脚を使えるという特徴を陣営から聞いていたのか、過去のレースを見て感じ取っていたのか。好スタートから迷わず先手を取った。
前日に同期・団野大成が福島牝馬Sを勝っていたのも発奮材料だっただろうか。団野大成は今年高松宮記念で初G1制覇も成し遂げているし、菅原明良も負けていられないという気持ちはもちろんあるだろう。
オークスには同じコンビで臨むのだろうか。
フローラSは展開がハマった面は否めないのでオークスで勝ち負けどうこうというのは難しいとは思うし、リバティアイランドに対抗して勝負になるかというと相当厳しいだろう。
だが今回のトライアルと同じように先手を取れば、あるいはもう一度大一番で展開がハマる可能性がゼロとは言えないのも競馬。
若手騎手の思い切りのいい、覚悟を決めた好騎乗をまた見せてほしいものだ。