ハツカネズミと私 | きんつう相談室 〜線維筋痛症、慢性疼痛、疲労に悩む方へ〜

きんつう相談室 〜線維筋痛症、慢性疼痛、疲労に悩む方へ〜

線維筋痛症や慢性疼痛の皆様へ。
少しでもヒントになればと思い情報発信して行きます。悩みを相談できるところがあれば安心です。お気軽にご相談ください。代替テキストも6月から付けていますので、読み上げ機能などお試しください。

 

イメージイラスト。半分に減ったバゲットと一匹のハツカネズミ。

 

 

 

(タイトルはもちろんスタインベックへのリスペクトです)

 

30代、知人が誰もいない場所で、お金もなくほぼ寝たきりの生活をしていた。水道以外は止められていた。

 

週1回ふらふらしながら近くの店に行き、バゲットを1本買う。少しちぎって食べ、週1本のパンで生きていた。なぜバゲットかというと日持ちが良いからだ。水だけは飲めた。

 

日々ほとんど意識もなく、どれだけの時間が経っているのかわからない。

ある時パンが減っていると思った。前日私がちぎって食べた時の残り量をなんとなく覚えていたから。1日経ってまた減っていた。断面をよく見ると私のちぎり方とは違う。

そしてまた翌日、誰かがパンの袋をカサカサ言わせている。座敷童か何かかな。パンを分け合うのはまあいいかと思った。妖怪でも一緒にこの部屋に暮らしていると思うと少し和む。

 

さらに翌日、布団をかぶって寝ていた私の胸の位置にわずかな重みを感じる。少し動いてもいる。

そっとめくってみると、布団と毛布の間に小さなネズミが。温かいからもぐったのだろうが、何も私の上でなくても、と思ったが、毛布越しに触ってみると生き物のぬくもりと動きを感じる。

お前がパンを食べていたのか、もう何日も一緒に暮らしていたのか、そう思うととてもかわいく思えた。

小さな生き物の温度と、軽い軽~い重みを感じて一緒に寝ていた。

 

座敷童でもハツカネズミでも、同居人というべきかペットというべきか、何にしろ一緒に暮らして、パンを分け合って、そういうのはいいなと思った。

後で考えれば、この状態は究極の貧困であり孤独であり、命の危機に瀕していたのだから、ネズミかわいいなと言っている場合ではなかったのだが。

 

(代表:橋本 裕子)

 

 

 

 

-------------------------------------------------

まずはお気軽にご相談を。

私たちは共に歩みます。

 

★    きんつう相談室 ★

電話:080-7354-8259

(平日10時〜16時)

メール:kinntuu@soudannsitu.main.jp

(24時間受信)

ホームページ: https://main-soudannsitu.ssl-lolipop.jp/

------------------------------------------------