「つげ義春日記」からNHK版「紅い花」 | 無駄話。

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鬱病・適応障害持ちが書く与太話です。「下劣な党派心」による「あら探し」が多いので、合わない方はご遠慮願います。

 「紅い花」という作品を知ったのは近藤晋の「プロデューサーの旅路」か川口幹夫の「主役・脇役・沸かせ役」のどちらか。佐々木昭一郎が青土社版「創るということ」の追記でNHKに呼ばれて渡邊あゆみと対談させられたと嫌そうに書いている時に放送したのが「紅い花」の初見で「封印作品」だったはずの「夢の島少女」より後だ。「土曜ドラマ・劇画シリーズ」は三本あるが一緒に再放送していた「寺島町奇譚」の方が面白かった記憶があるがWikiで脚本を書いたのが「原作と同じじゃなきゃダメですか?」で特に一緒に仕事をしたわけでもないのに石川達三をけちょんけちょんに言っている中島丈博だった。

 「紅い花」は「つげ義春日記」に書かれているように「全国に放送されていると思うと、荘厳な気持ちになる」と書きつつも「出来映えには失望。新しい技法も陳腐に思える。原作には無い戦時中の空襲場面を挿入したのは反戦思想を示し、専門家筋への受けを考慮したとの由。私の作品に反戦思想とは表現の次元がまるで違う」と酷評しているのは分からないでもない。今風に言うと「原作クラッシャー」による「原作レイプ」って奴?つげ義春には関心がないが「紅い花」絡みで読んだ事はあるし年譜にある「無能の人」やテレ東の番組は見ている。「紅い花」は本放送と再放送、芸術祭大賞受賞記念で計3回、昭和51年に放送されたとあるが「月刊シナリオ」で佐々木昭一郎が主に「夢の島少女」の後日談めいた事を書いた中でつげ義春から聞いた形で彼が見た回数らしき事が書かれていた。「紅い花」が芸術祭大賞を貰った時に「あの程度の出来映えでグランプリとは意外なり。テレビ界の程度の低さを物語る」と「つげ義春日記」にはあるが「月刊シナリオ」には「一回目見た時、自分のと比べましたので客観的にはなれませんでした。二回目は驚ろきました。三回目で、これはやっぱり新しい、と思いました。テレビも映画もほとんどリアリズムでしょ、いやリアリズムを悪いというのじゃありませんけど、見なくても分かるのです。でも、やっぱりあれは、新しいと思いました」とある。どちらが正しいんでしょう?

 つげ義春が「紅い花」のヒロイン役と紹介された沢井桃子を見た番組はWikiによると「Gメン75」らしい?中島丈博は「草燃える」の脚本家なの?ブシムスの「春の波濤」は覚えているが。沢井桃子は「草燃える」に出演していたそうだ。「月刊ドラマ」かどこかで佐々木昭一郎が「紅い花」のヒロイン役に中尾幸世を起用したかったような事を読んだ記憶がある。「夢の島少女」が酷評されてプロの脚本家による脚本をはじめアラカンや「七色村」にも出演していた草野大悟のようなプロの俳優を起用してフィルムではなくビデオ撮りという不本意な形で「紅い花」を制作したからかCSで彼の作品を放送した時の「月刊ドラマ」のインタビューには「夢の島少女」から「四季・ユートピアノ」に移っているので「紅い花」には思い入れなどないのだろう。もし「夢の島少女」からの名誉回復として制作する「紅い花」のヒロイン役に「夢の島少女」のヒロイン役の中尾幸世を続投させようとしたら反対されていたはず。

 草野大悟が演じていた漫画家役はつげ義春に依頼されていたらしい。この本、以前に冷やかした時に買っておけばよかった。