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ハクバノ王子サマ (4)



朔 ユキ蔵
ハクバノ王子サマ 4 (4)

 32歳のハイミス女教師、原多香子と25歳の新任教師、小津晃太郎の恋愛模様。女子校を舞台にしながら、32歳の女性の一側面、ある1ケースとしながらもこれでもかと赤裸々に描いていきます。

 当該者の二人の心情描写を丁寧に描いていっていますので、読者はどこかしらにかならずシンパシーを感じますしそうだったのかと感心することも多いはず。
 ですので、この作品を読むと思わず自分の恋愛経験をひけらかして一丁前の恋愛論をぶってしまう感想もネット上でちらほら見受けられます。
 私も思いっきりそうだったのですけど、登場人物の感情の揺れに左右されない作者の冷静で達観した視点に気付くと、途端に恋愛に一般論を持ち込もうとした気恥ずかしさに襲われるんです。アブナイアブナイ…。
 今まで作者の性差を意識したことはあまりないですが、朔ユキ蔵が女性作家だということに恐ろしさをとことん感じる作品です。

 「ラブコメ大好き連合変態支部長」 の私ですが、この作品の行く末には大いに不安です。
 小津と原の二人の恋愛となれば、連想されるのは小津安二郎と原節子に他ならず、そしてその二人の恋愛の末路をなぞらえるならばこの作品の二人の未来もきっと…。

さよなら妖精




米澤 穂信
さよなら妖精

 守屋路行(みちゆき)は高校3年の春、ユーゴスラヴィアからやってきた少女、マーヤと出会った。
 「哲学的意味がありますか?」、彼女は日本の日常に潜む謎を発見しては守屋たちに問いかけてくる。謎解きに四苦八苦しながらも、楽しく続いていく日常。
 1991年の初夏、マーヤはユーゴスラヴィアに帰っていった、最大の謎を残して。そして守屋の最後の謎解きは始まった…。

 今回も相も変わらずの日常の謎を解き明かしていく、いつもの米澤穂信なのですが、ユーゴスラヴィアからの少女を加えることで、日本の日常を謎に変えることに際してなんの違和感も抱かせないようになっているんですね。
 普通の日本の高校生が些細なきっかけでその手が世界に、しかも歴史にさえ思わず触れてしまう。
 日常の謎解きの先に、リアリティをもった世界があったということが示すのは、少年の確かな成長であり、この物語が純然な青春小説だということです。

 あと青春小説たらしめているもう一つのこととして、今回は名探偵役を友人の大刀洗(たちあらい)万智に任せて、あくまで主人公を平凡な一人称にしているからなのですね。
 彼女は面と向かえば怜悧でクールであるにもかかわらず、背中を向ければそっと袖を握ってくるようなキャラクタ。またしても強烈な魅力を持ったヒロインでした。。

 成長ってちょっと痛くて切なすぎる、そんな小説でした。
 もう今は亡きユーゴスラヴィアという国を題材に、ニュースの向こう側でしかなかったことが、読後に英題の 「THE SEVENTH HOPE」 を見ると切実に胸を締め付けてくるのです…。

さんさん録 (2)



こうの 史代
さんさん録 2 (2)

 1巻の感想へのリンクです。

 あれ、なんかいい話になってきたなと読みながら思っていましたら、終わってしまいました。
 参さんがまるで青年のように、再生ではなく確かな成長をしていく物語でした。

 仙川さんが明らかに当初の予定よりも大きな存在になっていって、各キャラクターごとの関係性をどんどん膨らませたことで、これでいくらでもわくわくさせられる下地は出来たなと思っていただけに、終わってしまったのはちょっと残念でしたね。
 友情や愛情はいつしかない交ぜになって、そうやって日常は綴られていく。そんなことがしんみりと心には残っていきます、読み進めるほどに優しくなれるのでした。

 良いシーンでは絶対に建物の俯瞰から街の全景を望むカットが使われるのですが、それらは全部ラブホテルのシーンのオチのためだったとは。。たまげました…。
 

Landreaall (8)




おがき ちか
Landreaall 8 (8)

 超長期連載のストーリーものを描くというのは本当に凄いと思いますし、賭ける情熱のようなものもヒシヒシと伝わってきます。
 でもそこはある程度のキャラクターが決まっている以上は展開される物語にも制限がありますし、作者のうちに飽きも沸いてきます。

 「Landreaall」 も最初は世界に対する冒険を描きだしていたのですが、一段落付くとあっさり学園モノに舞台を移して人間模様を延々と描いていきます。
 叙事から叙情へこうもあっさり移ってしまうというのは読んでいてビックリしましたねえ、もうこれからは感情を描きたいな、際だたせるには学園モノだなっていう作者の素直さなんですが、ちゃんとバランス感覚も働いているんですね。
 週間少年誌などでは、明らかに作者の飽きやテコ入れでの路線変更はよく見受けられるのですが、この作品ではしっかりとマクロを描いてからのミクロへの変更なので、別段違和感を感じることなく個々の感情に入っていけるのです。

 今巻でも主人公の感情が粛々と描かれていきますが、相変わらずヒロインは妹一人なんですねえ。もうちょっと強力なヒロインの登場が欲しいかも、一般コミックで妹がヒロインですと、どうにも私の欲望がっ…。
 でも妹のイオンに猫耳を生やしてみたり、リドに女装をさせてみたり、ZERO-SUMだったら私の欲望もひょっとしてと思わせてくれました。

アディオス エスパーニャ

 はあ、スペイン散りました…。
 ブラジルとの対決、見たかったな。ビジャをいっつも代えるのは納得いかないなあ、ラウルを途中から入れる方が良かったのに。
 あー、マジ悔しい! しょうがないか。。

 しかし、すごい顔ぶれのベスト8になりましたねえ、こうなったらアルヘンに託すしか、カバジェロ、グスタボ、頑張れ!(いない)

 ボルヘッティは沢木耕太郎に似ている。