焚火の終わり

著者: 宮本 輝
タイトル: 焚火の終わり (上)
茂樹、美花の異母兄妹の二人は、両親が他界した後に自分たちの出生に関わる謎があることを知ります。そこにはいろいろな事情が錯綜しているということを調べていくうちに、二人は互いに高まる情愛を抑えきれず、禁忌の関係を結んでしまう…。
宮本輝は文章の技巧を凝らし、茂樹と美花の関係を露わにしていきます。もう読んでいても訳が分からなくなるぐらいの事情が出てくるんですが、そこまでいろいろなことを積み重ねていかないと近親相姦という事に必然性を見いだすことが宮本輝には出来なかったのでしょう。ネタをばらせば、結局は出生の謎は解明されません。ここまで条件を出してもまだ兄妹の肉体関係と云うことに対しても答えを出せなかったために、非常にぼやけた小説になってしまっています。
確かに読ませる文章で引っ張っていくのですが、テーマの焦点がぼやけ、あやふやのうちに物語が終わるという、最近の宮本輝によく見られるものとなってしまっています。
「螢川」「錦繍」といった鮮烈な小説をもう一度読みたいという思いは確かにあります、けれどこういった変化していくのも宮本輝らしいとも思えるのです。またいつか変化していくのでしょうか。
G戦場ヘヴンズドア

著者: 日本橋 ヨヲコ
タイトル: G戦場ヘヴンズドア 3 (3)
夢を叶えたように見える人は、それまで勝ち続けて、捨て続けてきた人と云えるかも知れません。これからも勝ち続けなければいけないのですが、それが創作活動とした場合、勝たなければいけないものがあまりに自分の中に多すぎて、すべてが自傷行為になってしまいそうです。
「G戦場ヘヴンズドア」の町蔵と鉄男の二人の高校生は、漫画家という世界でもがき苦しみます。日本橋ヨヲコのアツい台詞回しによって、ドラマティックに終幕していきます。二人は最後、なにがしかを掴んだように手を伸ばします。本当に掴んだのかどうかはまだ判りません。けれど作者は、プロとしてはこれからいろいろなバランスを強いられる、でもスタートした時の心を満たしたものさえあれば大丈夫、ということを二人に託して終わりたかったのですね。
鉄男が最後に描ききったときに発した言葉は、火傷では済まないぐらいの熱いものでありました。もう沸点超えっぱなしの物語、全3巻です。
家はあれども帰るを得ず

著者: 関川 夏央
タイトル: 家はあれども帰るを得ず
昭和20年代に生まれた著者の、戦後昭和に対する郷愁たっぷりのエッセイ集…に一見感じるんですが、実のところは諦めの気持ちを持って全然懐かしがってはいないんですね。
消えた大掃除の風習、学生運動の被害者、大学時代の貧乏話などをセピア色で表現しながら、スッと読書の目を現代に外させていきます。視線は過去、心は未来に、って感じですかねえ。
そして著者は、非常に冷めた目で幼少のころの父親にも目を向けます。いつも母に云い負かされ、書斎が欲しいと息子に語る父。それを見るに付け少年は心を冷やしていきます。著者はここまでで言及を止めてるんですが、きっとこの父親像こそが理想と感じているのでしょう。私の家庭には父親というものが居なかったので想像になるのですが、こういう愛憎乱れる感情こそ家族のあり方なのだと伝わってきました。
基本は寄せ集めなのでどこまで意図したのかは甚だ疑問なのですが、そこには物語が確かに存在する、虚構のエッセイでありました。
僕、私、俺
今日の更新から、一人称呼称を「僕」から「私」に変えてみました。日常では「僕」が多いのですが、文字上にして、しかもブログという公開までしてしまう形であらためて「僕」というのを見ると、なんか違和感が出るんですよね。なんでだろうか。。ちょっとイイ子ぶってるというか、可愛らしさアピールというか(笑)。たまにチャットをやるときも「私」がしっくり来てますし。
「俺」も家族と会ったり昔の友人とだったら使うんですが、これはネット上で使ったことはないですねえ。伝えたいこととブレて来てしまうような気がします。
話し言葉と違い文章上で確認しながらの言葉なので、自然とそこに読み手としての意識が出てきてしまうんでしょうね。これが女性だったら「私」「わたし」「あたし」ぐらいかな。「アタシ」というのも結構見ますねえ。女性で「僕」…ヤバイ、萌えるっ(笑)。 最近、萌えって言い過ぎな気が。。
「ワシ」を使ってブログ番長を目指すのもいいかも。
「俺」も家族と会ったり昔の友人とだったら使うんですが、これはネット上で使ったことはないですねえ。伝えたいこととブレて来てしまうような気がします。
話し言葉と違い文章上で確認しながらの言葉なので、自然とそこに読み手としての意識が出てきてしまうんでしょうね。これが女性だったら「私」「わたし」「あたし」ぐらいかな。「アタシ」というのも結構見ますねえ。女性で「僕」…ヤバイ、萌えるっ(笑)。 最近、萌えって言い過ぎな気が。。
「ワシ」を使ってブログ番長を目指すのもいいかも。
ニアアンダーセブン NieA_7

著者: 安倍 吉俊, gK
タイトル: ニアアンダーセブン (2)
1巻は画像がなかったので2巻で。全2巻です。宇宙人と共存する世界で、予備校生まゆ子と暴走宇宙人のニアの、たまにしんみりしながらも取り留めのない日常が続いていきます。
内容はちょっと過激なギャグマンガなのですが、とくに1巻の破壊力は凄かったですね。コンビニの話は最高でした。
そしてこの漫画と云うより作者本人に対してですが、彼の絵に私はどうしようもなく惹かれるんです。本業はイラストレータなのですが、伝わってくるイラストというのは、彼のが初めてでした。どこかが狂っていて、それがまとわりつくような。そのおかげで、私もイラストっぽいものを描き始めてしまったわけで。
これからも追っかけていく人の一人ですね。