神無き月十番目の夜

飯嶋 和一
神無き月十番目の夜
江戸も初期の1602年、北関東にある小さな村が消滅した。火の畑(カノハタ)と呼ばれる村の神聖な地には村民三百人余りの亡骸。何故にここまで最悪の事態に陥ってしまったのか、始まりは些細なことであった…。
まごう事なき悲劇なのですが、誰かとっておきの悪人がいるのかと言えば全く見当たらず、むしろ善人ばかりなのです。時代さえもそんなに間違ってはいない。
最初は数人のちょっとした心の闇、その連鎖が次第に大きなうねりとなって最後は村全体を覆い尽くしてしまうのです。愕然とするというのが相応しく、読んでいる最中も、特に終盤においては描写の凄惨さに本を取り落とすほどでした。
時代特有の風俗や習慣を丹念に描きだし、その中に物語の進行を組み込んでいくという飯嶋和一の筆致も確かなものでした。「始祖鳥記」では次々と移っていく焦点が最後に収束していくという華麗とも云える印象でしたが、今作ではコツコツと積み上げ重厚にしていきます。そこにこの物語性を持たせるということに作家の技巧以上のものがあったように思えます。
ひたすらに悲しい物語です。神がいない月、まさにそうとしか云えない物語でした。
いでじゅう! (12)

著者: モリ タイシ
タイトル: いでじゅう! 12 (12)
無事に付き合うことになった林田君と森さんの初々しいステップアップ、って感じですかねえ。読んでいて身悶える。。
森さんがさらわれるっていうきっかけは不要だったような気も。そのまま盛り上がっていく方が相応しい積み上げ方だったですし。
この漫画の設定の中で付き合っていくということ、それをこつこつと描いていくのは面白いですよね。恋が実ってハッピーエンドというのが作家のカタルシスだとしたら、その後も続いていくというのを描くのは作家の地力が試されることでありそうです。
連載は終わったみたいですが、ちょうどいい感じかな。ちょっと気が早いですけど、次回作にギャグはもう無理かも。こういう展開であんな絵柄になってしまうと、特殊な状況下のラブコメにならざるをえないような。でも古谷実になってしまうのも勘弁なのですが…。
an omnipresence in wired
今、朝青龍に勝てるのは貴乃花しかいないと思う今日この頃、暑い、疲れたとあまりPCの前に座る気もせず、従って更新することもなく。。今日は雨降りながら涼しい一日でした。イラストレータ安倍吉俊の「an omnipresence in wired」は大変な感嘆と影響を受けたイラスト集なのですが、新たに再編集と描き下ろしを加えて発売されるようです。
とても嬉しい! 今度はどのような偏在なのだろう、期待に胸が膨らみます。
腕時計を買った次の日に電池が切れるって…そんなに長い期間ショーウィンドウに入っていたのですか。。

著者: 安倍 吉俊
タイトル: yoshitoshi ABe lain illustrations
貝殻の中
暑いのでイラストをアップしてみました。カラオケに行ってかぐや姫の「妹」を歌って号泣したり、YUKIの「長い夢」を聴いて号泣したりしている日々です。最近、変態度数が下がってきてる気がする…。
いろんなブログを見たりしているのですが、いろんな感想が全てテレビを通してだったり、自分の思想、主義をネット上から全て調達している人を見ると、これは情報の並列化、「タチコマ」と一緒のような気が。
では自分はと省みると、似たようなもので本に替わっているだけ。これを無個性と批判できるかどうかはもう少し時間が必要かも。実体験から独自性は生まれると私はまだ信じていますが、それさえネット上で可能になるような気もするんですよね。「ネットは広大だわ」って死刑宣告だとしたら。。
…てなことを、士郎正宗は本当に凄いなあと思いながら適当に書き殴ってみました(笑)。
先月の本の購入、漫画だけで50冊ぐらいあるよ。。餓死しそう。
