相性
数日ぶりに愛車に乗った。
今のヤツに乗ってからまだ数ヶ月だが、結構気に入っている。
飛ばしたいときはそこそこ走ってくれるし、ゆったり乗りたいときも楽だし。
今まで人の借り物も含めて、20種類以上は乗ったが、その中でもかなりのお気に入りの部類だ。
乗ったヤツの中でも何種類かに分類され、当時も今もあまり気に入らなかったヤツ、当時は楽しかったけど今は改めて乗りたくないヤツ、当時はあまり気持ちよくなかったけど今だったら楽しめるかもしれないヤツ、そして当時も今も変わらず楽しめるヤツ・・・。
今の愛車は昔はもちろんなかったが、たぶんこれからもずっと楽しめそうだ。
きっと人も似たようなものなのかもしれない。
かつてはすごく好きだったのに今初めて会ったとしたらきっと付き合ったりしない人、かつてはそんなに興味がなかったのに今初めて会ったらすごく惹かれるであろう人、そして昔も今もきっとこれからもずっと好きでい続けるであろう人・・・。
一番良いはずだが当然のことながら、過去・現在・未来と好きでい続けられるヤツに出会う機会は少ない。
でも今の俺は断言できる。
きっとあのコにガキの頃出会っていても憧れたであろうし、これからもきっと好きでい続けるであろう。
いつかあのコと会えなくなってもあのコが困っていたら、そのときの俺はあのコに手を差し伸べるだろう。
どんな状況になっても、一生あのコのファン・サポーターでいることならあのコの事を想い続けることを許してもらえるのだろうか?
星のラブレター by THE BOOM
緊張
あのコとデートをする約束を取り付けた。
10日ぶりだろうか?ずいぶん久しぶりのような気分がし、すでにドキドキが始まっている。
なぜなのだろうか?こんなにときめいていられるのは。
あのコが俺の頭の中にいる時間が長すぎて、まさにあのコ中心の生活になっている。
数年前よりも、いやガキの頃よりも、年齢はその分くっているはずなのに、青臭くなっている自分でさえもいとおしく感じる。
これも全てあのコのおかげだ。
Missing by 久保田利伸
傷跡
ふとしたきっかけであったが、会議中にあるヤツの発言が俺の琴線に触れた。
俺に直接関係はなかったのだが、許しがたい発言であったがために、久々に声を荒げてしまった・・・。
会議終了後、タバコを吸いながら昔を思い出した。
俺はガキの頃、つるんでいたヤツらがいわゆる不良少年ばかりだった。
あるヤツは暴走族の集会に参加することが楽しみで、またあるヤツはシンナーばっかり吸っていた。
俺はヤツらに必要以上は近づかないようにしていたつもりだったが、周りから見れば大差はなかったらしく、やはり不良とかチンピラと陰口を叩かれていた。
だが、そんな当時の俺にも守っていたことはあって、それが約束であったり、仲間たちであった。
自分がそれらを大切にしていたがために、それらを犯すヤツらを許せなく、喧嘩になるのはたいていそれが理由だった。
今日の琴線に触れた一言もまさにそれであり、年をとっても人間には変われない部分があり、俺は今だに田舎の不良少年の感覚なんだと、自分のことながら少し笑ってしまった。
そんな馬鹿野郎だった当時の俺をこのままではいけないと気付かせてくれたのは、当時付き合っていた彼女だった。
彼女に笑っていて欲しくて、彼女を泣かせたくなくて、俺は不良グループから離れ、今も付き合いのある仲間たちとツルむようになっていった。
今の俺があるのは彼女と仲間たちのおかげなんだと改めて実感した。
ヤツらには辛い思いをたくさんさせてしまい、俺が勝手に傷ついていたこともあったっけ。
彼女と一緒に歌ったあの歌を口ずさみたくなった・・・。
Long Road by チェッカーズ