傷跡
ふとしたきっかけであったが、会議中にあるヤツの発言が俺の琴線に触れた。
俺に直接関係はなかったのだが、許しがたい発言であったがために、久々に声を荒げてしまった・・・。
会議終了後、タバコを吸いながら昔を思い出した。
俺はガキの頃、つるんでいたヤツらがいわゆる不良少年ばかりだった。
あるヤツは暴走族の集会に参加することが楽しみで、またあるヤツはシンナーばっかり吸っていた。
俺はヤツらに必要以上は近づかないようにしていたつもりだったが、周りから見れば大差はなかったらしく、やはり不良とかチンピラと陰口を叩かれていた。
だが、そんな当時の俺にも守っていたことはあって、それが約束であったり、仲間たちであった。
自分がそれらを大切にしていたがために、それらを犯すヤツらを許せなく、喧嘩になるのはたいていそれが理由だった。
今日の琴線に触れた一言もまさにそれであり、年をとっても人間には変われない部分があり、俺は今だに田舎の不良少年の感覚なんだと、自分のことながら少し笑ってしまった。
そんな馬鹿野郎だった当時の俺をこのままではいけないと気付かせてくれたのは、当時付き合っていた彼女だった。
彼女に笑っていて欲しくて、彼女を泣かせたくなくて、俺は不良グループから離れ、今も付き合いのある仲間たちとツルむようになっていった。
今の俺があるのは彼女と仲間たちのおかげなんだと改めて実感した。
ヤツらには辛い思いをたくさんさせてしまい、俺が勝手に傷ついていたこともあったっけ。
彼女と一緒に歌ったあの歌を口ずさみたくなった・・・。
Long Road by チェッカーズ