夢のあと
朝の目覚め
そこには 今いた人たちは誰もいない
あんなにはっきりあった色やにおいやかたちのすべてが
あとかたもない
残っているのは かたちのないもの
夢の中で 感じていた自分の気持ち
舞台のあと 幕が閉じた会場
そこには 今そこにいた登場人物の姿はなにもない
舞台の背景も 小道具も すべてが
あとかたもない
残っているのは かたちのないもの
舞台を見たとき 自分が感じた余韻
今見た夢
それは脚本も小道具も背景もすべて自分が演出した舞台
イリュージョン
ずっと前に読んだ本
久しぶりに開いてみる
こんなこと 書いてあったかな
レッスンをするまえに 横たわった床 歩いた床
終わって感じてみる
こんなに やわらかかったかな
幼いころよく遊んだ場所
大人になって訪れる
こんな 大きさだったかな
覗くたびに変わる万華鏡
空(くう)
自分の家とお隣の家の空間を仕切る壁
自分の家と上の階の家の空間を仕切る天井
もしこの壁がなくて天井がなければ
そこは空
隣も上も下もない 空
もしこの踏みしめる大地がなく
見上げる太陽がなければ
そこは空
国もない お隣もない 空
何かがあるように見える ワンダーランドは
すべてなくなれば 空